秋が深まると愛犬との散歩も楽しくなりますよね。そんな紅葉の時期に気を付けたいのが「銀杏」です。犬が食べると中毒症状を起こし、重篤な状態に陥ることも。この記事では、犬が「銀杏を拾い食い」する危険な理由から適切な対応までご紹介します。
犬が「銀杏を拾い食い」するのが危険な理由
秋が深まると黄色く色づいたイチョウの木がキレイですよね。
しかし、木の根元に落ちている銀杏を愛犬が拾い食いすることは避けなければなりません。今回は、その理由を解説いたします。
中毒を引き起こす成分が含まれているため
銀杏はイチョウの種子であり、9~11月に収穫されます。炒っても茹でても美味しく食べられる銀杏はおつまみとしても人気ですよね。しかし大人の人間でも食べ過ぎると中毒症状を引き起こしてしまうこともあり、犬にとっては大変危険な食材です。
銀杏に含まれるビタミンB6の働きを阻害するギンコトキシンという毒によって、銀杏中毒を引き起こす恐れがあるからです。
銀杏の殻に含まれる「ギンコライド」やイチョウの葉に含まれる「ギンコール酸」はアレルギー症状を引き起こし、触れるだけで皮膚がかぶれる場合もあります。中毒症状だけでなく殻がついたまま食べることで喉に詰まったり、腸閉塞になるという別の危険性もあるので十分な注意が必要です。
銀杏を食べることによる中毒症状
銀杏の小さい実からは想像がつき難いかもしれませんが、成人でも40個以上食べると中毒が起こる可能性があります。犬も同様に中毒を起こすといわれており、食べてはいけない食材として注意喚起されています。主な中毒症状は以下の通りです。
- 痙攣(けいれん)
- 意識混濁やふらつき
- 嘔吐
- 便秘や下痢
- 発熱
- 下肢の麻痺
このようにゾッとするような症状が現れます。食後1~12時間程度で発症し、24時間ほど症状が続くと言われています。残念なことに最悪の場合は死に至るケースもあるほどです。
症状の個体差はありますが、わたしたちより体の小さな犬は解毒力が弱いため少量でも非常に危険なのです。
銀杏の致死量
犬がどれくらい銀杏を食べると命の危険があるのかは定かではありません。前述の通り、成人で40個、子どもでは7個以上食べると中毒症状が出現すると言われています。
人間よりも体の小さな犬は数個でも危険性が高いといって差し支えないでしょう。中毒を起こす「中毒量」は体の大きさに比例します。そのため大型犬よりも小型犬の方が少ない量で中毒になりやすいといえます。
個体差があるので数個食べてしまっても平気な犬もいるかもしれません。それでも有毒成分が含まれている以上、こちらから与えることはやめましょう。
犬が「銀杏を拾い食い」してしまった場合の適切な対応
もし愛犬が銀杏を口にしてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
散歩中に落ちている銀杏を拾い食いするケースが考えられます。調理中に下に落ちた銀杏を食べてしまうこともあるかもしれません。
口の中に残っているかどうかを確認する
まず確認するべきなのは「口の中に残っているかどうか」です。もし口の中にあればすぐに取り除いてください。噛まれないように注意が必要です。少しでも食べてしまった様子があれば、安静にさせ体調に異変がないか確認します。
銀杏を飲み込んでしまったようであっても、無理に吐かせることはやめましょう。吐かせる方法もありますが、危険が伴います。早く吐き出させたい気持ちは分かりますが、自身で行うことはやめてください。
早めに動物病院へ
食べたかどうかはっきりしない、食べたけど中毒症状が出ない…などという場合でも、まずは動物病院へ行くことを強くおすすめします。もちろん少しでも口にするのを目撃したらすぐに行く必要があります。
病院へ行く際には、犬がかじった銀杏の残りを持参し、食べた量や食べた時間を把握しておきましょう。処置の際の参考になるからです。飼い主さんが動揺すると犬にも伝わりますので、冷静さを保つようにしてください。
まとめ
今回は、犬が「銀杏を拾い食い」するのが危険な理由について解説しました。
紅葉の時期は過ごしやすく、愛犬との散歩も楽しい季節です。しかし、銀杏を始め、栗やどんぐりなどもよく落ちているため、愛犬の拾い食いには十分な注意が必要です。
銀杏が落ちる季節には、イチョウの木がある場所には、愛犬を連れて行かない方が安心でしょう。リードを短く持ち、周囲に目を配りながら愛犬の安全を確保してあげてくださいね。
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