愛煙家にとってタバコは息抜きかもしれません。しかし猫にとってタバコは健康を害し、場合によっては命にもかかわる危険なものです。今回はタバコが危険な理由を4つ紹介します。喫煙習慣を見直すきっかけになれば幸いです。
1.リンパ腫のリスクが高くなる
ペットの受動喫煙によるリスクは人間の5〜6倍にもなるという報告があります。猫は人間と比べて身体が小さいことや、タバコの粒子が重く下に溜まりやすいことが原因だと考えられます。
喫煙者と暮らしている猫は、リンパ腫の発生リスクが2.4倍に上昇すると言われており、さらに喫煙歴が5年以上になると発症リスクは3.2倍にもなるのです。喫煙者の数が多くなると、その分リスクが高くなることもわかっています。
リンパ腫の原因はタバコだけではありませんが、飼い主さんに喫煙の習慣があるだけで発症リスクが2〜3倍にまで跳ね上がるのは無視できません。
2.猫喘息を発症する恐れがある
猫がタバコの煙を吸い込むと、猫喘息を発症する原因になることがあります。
猫が喘息を発症すると、咳、喘鳴、過呼吸などの症状があらわれます。タバコに含まれている一酸化炭素が原因で、体内の酸素が不足してチアノーゼを起こしてしまう場合も。
チアノーゼを起こすと口や舌の色が紫色に変化して、最悪は命を落としてしまうこともあります。
またタバコの煙は、猫喘息のほかにも気管支炎や肺気腫、肺炎などの呼吸器疾患の原因になる可能性もあります。
3.タバコの誤飲
タバコが猫に与えるリスクは、病気ばかりではありません。猫が大量にタバコを食べてしまうとニコチン中毒を起こし、命を落とす恐れがあります。
猫がニコチンを摂取した際の致死量は明確にはわかっていませんが、中毒量については「体重1kgあたり1〜2mg」とされています。体重4kgの猫なら4〜8mgとなります。
一般的なタバコ1本のニコチン含有量は「13〜30mg」、吸い殻で「5〜7mg」と言われていることから考えれば、たとえ少量であっても誤飲が危険なことはおわかりいただけるでしょう。
ニコチン中毒の症状は、食べてから1時間ほどであらわれます。おもな症状は以下のとおりです。
- 吐き気嘔吐
- 下痢
- 大量のよだれ
- ぐったりしている
- 呼吸が速いまたは遅い
- 体の震え
- 痙攣(けいれん)
タバコを食べた可能性があるときは、症状が見られなくても早急に動物病院を受診しましょう。
4.三次喫煙のリスク
タバコのリスクとしては、三次喫煙も忘れてはいけません。三次喫煙とは、衣服や髪の毛、カーテン、壁、カーペットなどに付着したタバコの成分を摂取してしまうことです。
そのため猫がいない部屋や外で喫煙をしても、猫がタバコの有害物質を摂取してしまうリスクがあるのです。
まして、猫は体をなめてお手入れをする習慣がありますので、タバコの成分が体に付着してしまうと、有害物質を摂取してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
三次喫煙の対策として、ベランダなどの屋外で吸う、換気扇のそばで吸うといったことが推奨されているケースも見受けられます。
しかしベランダなどでも隙間から室内に煙が入り込む可能性がありますし、衣服や髪の毛への付着は防げません。また換気扇では不十分だとする意見もあります。
まとめ
タバコは猫にも人間にも「百害あって一利なし」と言えるでしょう。あなたや家族の喫煙習慣が愛猫の健康を害し、寿命を縮めてしまう可能性があります。愛猫のためにも、禁煙をおすすめします。
ですが、タバコをやめるのは簡単ではありませんよね。どうしても禁煙ができない場合は、せめて自宅では吸わない、吸った場合は帰宅後すぐに服を着替えてシャワーを浴びるなどの対策をしましょう。これだけでも、かなりリスクを減らせるはずです。
とはいえ、愛猫に健康で長生きをしてほしいと思うなら、やはり「禁煙」はマストです。
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