衆議院選挙で多くの政党が公約に掲げている最低賃金1500円への引き上げについて、経団連の十倉会長は「達成不可能な目標は混乱を招く」と懸念を示しました。
経団連 十倉会長
「最低賃金はチャレンジングであってもいいんですが、到底、達成不可能だというようなところは、混乱を招くだけ」
経団連の十倉会長はこのように述べ、多くの政党が最低賃金を1500円に引き上げるとする公約を掲げていることについて懸念を示しました。
そのうえで、「最低賃金は法律であり、守らないと罰則がある」と指摘したうえで、「政労使でしっかり話し合って決めていくべき」「乱暴な議論はすべきではない」と強調しました。
最低賃金をめぐっては、中小企業の団体である日本商工会議所の小林会頭が「(企業が賃金を)払えずに人手を手放し、会社をたたむ、倒産することが起きかねない」と懸念を示す一方、経済同友会の新浪代表幹事が「1500円にしないことはある意味、駄目な企業を補助することになる。払わない経営者は失格だ」と発言するなど経済界でも意見が割れています。