メジャーリーグのレジェンド“Aロッド”ことA.ロドリゲス氏(49)が16日、都内で行われたトークイベントに登場し、元プロ野球選手で16年に盗塁王に輝いた“超人”糸井嘉男さん、タレントの稲村亜美さんと「ドジャース・大谷翔平の凄さ」について語った。
今回が3回目の来日だというロドリゲス氏は、マリナーズやレンジャーズ、ヤンキースで活躍し、本塁打王5回、98年には当時史上3人目となる「40本塁打ー40盗塁」を達成した。
この日は「MLBレジェンド、Aロッドが世界一オオタニの凄さを語る」に参加し、「初めて来日したのは96年の日米野球、2回目は04年のメジャーリーグ開幕戦で、ヤンキース移籍後の初ヒットを打ったんだ」と東京での思い出を振り返った。ドジャースとヤンキースの名門対決となった今年のワールドシリーズを日本でも多くの人が見ていたことにも触れ、「どれだけ日本で野球が人気か、大谷翔平と山本由伸の存在がどれだけ大きいかを物語っていると思う」と話した。
さらに大谷が今季達成した史上初の“50ー50”については、「通常、パワーとスピードは両立しない。野球において最も難しいことは、パワーとスピードの両立だ。大谷翔平は驚異的な選手で、あとシーズンが10日もあれば、60ー60も達成したかもしれない」と称えた。
続けて「大谷はユニコーンのような選手(見たこともない選手)で、1人でレジェンドクラス3人の力を兼ね備えている。ロジャー・クレメンスの投球、バリー・ボンズの打撃、リッキー・ヘンダーソンの走塁の力を持っている。AIですらこんな選手を作ることはできない」と絶賛。通算354勝、サイヤング賞7回のロジャー・クレメンス、メジャー史上最多通算762本塁打のバリー・ボンズ、盗塁王12回、通算1406盗塁のリッキー・ヘンダーソンといったメジャーリーグのレジェンド3名を挙げ、大谷の凄さを表現した。
ロドリゲス氏は日本のファンへ「日本の皆さんは大谷がアメリカの野球界を牽引していることを誇りに思うべきだ。彼をきっかけに日本が世界を引っ張っている」と伝えた。
また、幼少期から色々なスポーツを経験しておくことについて問われると「私はアメリカンフットボール、バスケットボール、野球をしながら育ったが、アメリカンフットボールは身体のタフさ、バスケットボールは視野の広さをもたらしてくれた。そしてドミニカ共和国で父が教えてくれた野球は人生の宝物だ。しかし、最近のアメリカの野球は日本と同様に1つの競技に集中する傾向になってきていると思う。小さい頃に集中してやりすぎてしまうと、モチベーションの低下にも繋がることが心配だ。異なるスポーツを経験し、異なる筋肉を使うことで、リカバリーに充てることができ、より強く、より速くなるんだ」と自身の経験から、様々なスポーツを経験しておくことの重要性を強調した。
大谷が与える日本野球の将来への影響については、「今、中学生、高校生くらいの子どもたちにとって、以前にもイチローや松井秀喜の活躍があったが、大谷が台頭してきたことで、素晴らしい影響をもたらすと思う。10~20年先の日本野球の将来は、大谷に続いて、さらに世界へ進出してくると予測できる。日本野球が株式だったら可能な限りたくさん買うよ(笑)」と自身が投資会社を経営していることふまえ、日本野球界の未来を予測した。