■大相撲九州場所・千秋楽(24日、福岡国際センター)
大関・琴櫻(27、佐渡ヶ嶽)が大関・豊昇龍(25、立浪)との相星決戦を制し、自身初の幕内優勝を果たした。
千秋楽で優勝をかけた大関同士の相星決戦は、2003年名古屋場所の魁皇vs千代大海以来、21年ぶりとなった。
13勝1敗で並び、迎えた千秋楽結びの一番。立ち合いは豊昇龍の強烈な突き押しで後退し、右の上手を取られて投げを食らったが、こらえた琴櫻は上手を切り、最後ははたき込みで勝負がついた。過去6勝12敗と負け越している相手に勝利し、ついに栄冠をつかんだ。
優勝インタビューで琴櫻は結びの熱戦について「がむしゃらにやってたので、全然内容覚えていない」と振り返った。来場所は祖父の先代・琴櫻と同じく横綱を狙う場所となり「強い気持ちで臨んでいきたい」と決意を語った。
琴櫻は今年の初場所で13勝2敗も横綱・照ノ富士との優勝決定戦に敗れ、優勝にあと一歩及ばず。春場所で大関に昇進し、翌5月場所から祖父の「琴櫻」を襲名。だが襲名以降11勝、10勝、8勝と優勝争いから遠ざかっていた。大関5場所目の今場所は3日目に王鵬に敗れたが、4日目から連勝街道で突き進み、自身最高の14勝1敗で見事初の賜杯を手にした。
大関の14勝以上の優勝は2017年初場所の稀勢の里(14勝1敗、翌場所に横綱昇進)以来。今年の大関の優勝は初で、昨年の九州場所の霧島以来となった。
さらに琴櫻は今年6場所で「年66勝」を記録し、場所前は“4差”あった新大関・大の里を上回り、大逆転で年間最多勝にも輝いた。
今場所の三賞は殊勲賞が阿炎(2回目)、敢闘賞が隆の勝(4回目)、技能賞は若隆景(5回目)が獲得した。