「猫は手がかからない」と言われることが多いので、中には良いことだけを想像して迎え入れる人もいます。ここでは、猫を飼う前に知ってもらいたい「覚悟や責任」をピックアップ。猫を飼う前に一読してくださいね。
1.糞尿の世話
猫はトイレのしつけも比較的スムーズで、外に散歩に連れて行くこともなく、排泄も自分で行います。そのため「猫のトイレの世話」についてあまり深く考えない人もいるかもしれません。
トイレの掃除
猫のトイレは1日最低でも2回行い、神経質な猫の場合は排泄をするたびに掃除が必要です。また、排泄された糞尿を排除するだけではなく、定期的に猫砂を全部とりかえて、トイレ容器の洗浄や天日干しをする必要があることもあります。
排泄物や汚れた砂の処分
糞尿の混じった猫砂は燃せるゴミの日に収集場所に出すのですが、汚物をゴミ捨て場に持っていくのは意外と大変です。
猫砂のタイプや量によってかなりの重さになることもあり、自転車や車で運ぶとしても臭いが強烈。ゴミ捨て場が遠かったり、ペット可のマンションでエレベーターに乗ったりなどの動線も盲点となります。猫を飼う前は見えていなかった苦労があるかもしれませんよ。
猫の「粗相」
全ての猫がトイレ(排泄)が上手とは限らず、家のあちらこちらでおしっこやうんちをしてしまう子もいます。
また猫砂の汚れやストレス、体調不良などがきっかけでも、トイレ以外の場所で排泄をしてしまうのです。中にはうんちがゆるい体質の猫もいて、おしりについたうんちを床にこすって落とそうとする(おしり歩き)こともあり、その場合、家中がうんちだらけになります。
猫が粗相した場所にもよりますが、床を拭いたり、おしっこのしみこんだ布団を洗ったり、後始末は重労働です。
2.猫にかかる費用の節約はNG
猫を飼うということは、当然ご飯やトイレなどの費用がかかります。猫1匹にかかる費用は、1カ月で1万円ほど。
おかしやおもちゃ、グッズなどを与える頻度やその内容によっても変わりますが、年間で13万円以上の予算は必要で、平均は16万円から18万円ともいわれています。
しかし、飼育費用が想定以上にかかってしまうこともあります。たとえば、猫の体質によっては単価の高いフードが必要です。また猫の好みによっては、消耗品である猫砂も安いものを選ぶことができないでしょう。
また猫も病気になりますし、年齢が上がるにつれ病院通いの頻度も増えていきます。治療の内容にもよりますが、猫の通院費は1回で1万円近くかかります。
もし月末で生活費がギリギリの状態でも、「様子見」と称して節約するのはNG。別のところでやりくりをして、猫の病院代を優先することを覚悟しておきましょう。
3.抜け毛の悩み
猫を飼っていると、必ず「抜け毛」に悩まされることになります。家の中には常に抜け毛がフワフワと浮いていますし、ソファーやクッションにも猫の抜け毛がびっしり。布団やカーテンなど、いくら掃除をしていても、抜け毛から逃れることはできません。
また最も困るのは衣類。外出するときに衣類に猫の毛がついていると不衛生に思われるため、恥ずかしいものです。洋服や帽子、カバンに靴下の裏など、あらゆるところに猫の抜け毛が付着するので、外出前に粘着ローラー(コロコロ)は欠かせません。
特に抜け毛の多い猫種や長毛種を飼うと、飼い主さんは選ぶ洋服の色が限られてきてしまいます。
黒い猫を飼っている場合は白い服を避けるようになり、白っぽい毛の場合は黒い衣類を選ばなくなり、気づけばクローゼットはグレーやベージュばかりなんてこともあります。
4.家具の破損
現代の猫は完全室内飼育が推奨されているため、その生涯を家の中で過ごします。よって、猫が本来もっている狩猟本能は「遊び」で満たすこととし、気分転換やストレス解消などにもつながる「爪とぎ」は決してイタズラではありません。
だからこそ、猫を飼うときは、多少の「諦め」は必要です。壁紙が剥がれたりソファーが爪痕だらけになったり、机や椅子の足がボロボロになるなど、あるていどの被害は覚悟しておきましょう。
5.家族であり続けること
人に飼われた猫は、その運命を飼い主さんにゆだねるしかありません。猫は気持ちを言葉に表すこともできませんし、もちろん自分で働いてお金を稼ぐこともできません。狩猟したくても獲物はおらず、生きていくすべてのことを飼い主さんにお任せするしかないのです。
そんな猫だからこそ、迎え入れた飼い主さんはその生涯に責任をもつ義務があります。むしろ自立できないペットだからこそ、「家族」として、より大切にしてあげる必要があるのかもしれません。
まとめ
猫を飼うにあたっての「覚悟と責任」について解説しました。
猫はとてもカワイイですが、ぬいぐるみではなく尊い命です。少しでも「大変そう」や「自信がないかも……」と思った場合は、その覚悟ができるまでご自身の気持ちと向かい合ってみるのもよいかもしれませんね。
ちなみに、猫のお世話にまつわるグッズは多様化しているので、不安な部分を道具で補うことも可能です。
たとえばトイレは自動で汚物を除去してくれる「自動トイレ」や、こまめに砂を取り換えなくてすむ「システムトイレ」などが販売されています。
このように、他の悩みについても、便利な道具を上手に利用している人がたくさんいるので、あらかじめ調べてみてはいかがでしょう。
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