パリオリンピック™で女子100mハードルに出場した田中佑美(25・富士通)と世界陸上オレゴン男子110mハードル代表の石川周平(29・富士通)が27日、千葉県市川市の事業、「ちば夢チャレンジかなえ隊」で筑波大学附属聴覚特別支援学校 小学部を訪問。約40名の生徒に向けて陸上教室を開催した。
【写真を見る】小学校時代のあだ名は「新幹線のぞみ!?」男女ハードルコンビ田中佑美&石川周平が陸上教室を開催
低学年向けには子供たちとの交流を重視、高学年の生徒には更に技術要素を加えることをテーマに、選手自らが考えたメニューで2回に分けて子供たちと汗を流した。初めに行ったメニューは、生徒たちがペアを組み、片足立ちでお互いに手を合わせるもの。バランス感覚を養うことができるこのメニュー。生徒たちは苦戦しながらもお互いに手を取り合い、笑顔で取り組んだ。
さらに両選手も「鬼ごっこ」に参加し、生徒たちと追いかけっこ。子供たちのハツラツとした笑顔とエネルギーを前に、石川は「すごくパワフル。みんな元気で、こちらもすごく元気をもらいました」田中は「すごく人懐っこい子が多くて、地元の子を見ているような、健やかに育ってと思って見ていました」と、この陸上教室を通して、子供たちからパワーを受け取っていた。
足が速くなるためにはという質問に対して石川は「とにかく運動してください!自然と足が速くなるよ」。田中は「たくさん運動したら、疲れますよね?よく食べて、よく寝て下さい」とそれぞれアドバイスを送った。この陸上教室に取り組むにあたり、陸上に興味をもってもらいたい、より運動することが楽しいと感じてほしいと語った二人。参加した生徒の中からは「中学生になって陸上部に入るつもりでしたが、よりその気持ちが強くなりました」とうれしい声も上がった。
自身の小学校時代を振り返った田中は「元々足が速くて、高学年になって背が伸びるにつれて段々と速くなった。50m走では男子にも負けたくなかった。足が速かったので新幹線の”のぞみ”というあだ名がつけられて」と、エピソードを披露した。
陸上教室終了後には、二人の元へノートとペンを持った子供たちが、サインを求めて二人を取り囲む。すべての生徒に笑顔で応え、子供たちも大満足。両選手のサインが書かれたノートを大事そうに眺めていた。
来年の東京世界陸上に向けて聞かれると、石川は「陸上選手の一番大きな舞台は世界陸上やオリンピックで、来年はそれが世界陸上なので、まずはそこで戦うというところを目標にやっています。」と話した。
田中は「東京で行われるということで、時差がないんですよね。今日一緒に走った子たちも、眠くない時間に走ることができるので、世界の選手たちと戦うところを見てもらいたい。彼らの目に活躍が映るように頑張りたい」と話した。
来年、自国開催となる東京世界陸上。国立の舞台で、世界の超人たちと戦う二人の姿を、子供たちも楽しみにしているに違いない。