6年前、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判。きょう午後に判決が言い渡されます。和歌山地裁前から中継です。
記者
「資産家男性の不審な死から6年半あまり。遺産目当ての殺人か、それとも冤罪か。一貫して無罪を訴えてきた元妻についに判決が言い渡されます」
須藤早貴被告(28)は2018年、和歌山県田辺市で資産家の野崎幸助さん(当時77)に致死量の覚醒剤を何らかの方法で摂取させ、殺害した罪に問われています。
野崎幸助さん(2016年)
「(Q.これ1000万円あるんですか?)そうそう。私はいつも7億円くらい自分の家に置いている」
一代で財を成した上、奔放な女性関係でも知られた野崎さんは2018年2月、55歳年下の須藤被告と結婚。しかし、そのわずか3か月後に不審な死を遂げます。死因は急性覚醒剤中毒でした。
警察は直接的な証拠が見つからない中、3年にわたる捜査の末、元妻の須藤被告を逮捕。死亡当日に長時間2人きりでいた点や、覚醒剤の密売人と接触していた点など、数々の状況証拠から須藤被告の犯行と判断したのです。
一方で須藤被告は今年9月、和歌山地裁で始まった裁判で無罪を主張。先月の被告人質問では…
須藤早貴被告
「愛犬のイブが死んでから(野崎さんは)『死にたい』と言っていました。『もう自分も死んでしまいたい』と」
さらに、覚醒剤については野崎さんから頼まれて購入したと主張しました。
須藤早貴被告
「『ダメだから(=性的な満足を得られないから)覚醒剤を…』と言われました。『お金くれたらいいよ』と冗談で言ったら、バッグから20万円を出して渡してきました」
ただ、購入したものは野崎さんに偽物だと言われたと話しました。裁判では“恨み節”を見せる場面も…
須藤早貴被告
「もうちょっと死に方を考えてほしかったというか、社長(野崎さん)があのタイミングで死んだせいで私は何年も人殺し扱いなので」
記者
「直接的な証拠を欠く中、状況証拠を積み上げての立証を目指した検察側に対し、事件性そのものを争い、無罪を主張した被告側。裁判所はどんな判断を下すのか、判決の言い渡しは午後1時40分に始まります」