シリアのアサド政権を崩壊させた反体制派の指導者は、攻撃を続けるイスラエルを非難した一方で、「新たな紛争を始めることはできない」として、戦闘の可能性を否定しました。
中東のアルジャジーラは14日、反体制派勢力を主導した「シリア解放機構」のジャウラニ指導者が声明を発表し、「地域における新たな緊張の拡大を招いている」とイスラエルを非難したと伝えました。
イスラエルはアサド政権の崩壊にあわせて「国境の安全を確保するため」として、シリアとの係争地「ゴラン高原」の非武装緩衝地帯に軍を展開させるなど攻撃を続けています。
ジャウラニ氏は「長年にわたる紛争でシリアは疲弊していて、新たな紛争を始めることはできない」として、イスラエルとの戦闘の可能性については否定しました。
また、ロイター通信はジャウラニ氏が地元メディアのインタビューで「最優先なのは再建と安定で、さらなる破壊につながりかねない紛争に引きずり込まれることではない」と話したと伝えました。
「外交的な解決策が安全と安定のための唯一の方法だ」と強調したということです。
さらに、アサド政権を支援していたロシアとの関係については「共通の利益にかなうものであるべきだ」と述べ、「いま、外国との関係は注意深く扱わなければならない」と付け加えました。
イスラエル軍による攻撃は続いていて、アルジャジーラは15日、この12時間で60以上の空爆があり、アサド政権の崩壊以降、シリア国内への空爆は800に上ると伝えています。