余計なことをしなければ災いは起こらないということを表現したことわざ、それが「触らぬ神に祟りなし」です。
しかし、そもそもこの言葉はどのような状況を指すのでしょうか。
今回は「触らぬ神に祟りなし」の意味はもちろん、類義語や対義語も含めて解説します。
「触らぬ神に祟りなし」とは
ここでは「触らぬ神に祟りなし」の意味を解説します。
「触らぬ神に祟りなし」の意味
「触らぬ神に祟りなし」は、その物事に関わりさえ持たなければ災いを招くことはないということを例えたことわざです。
面倒事に余計な口出しや手出しはしない方が良いという意味もあります。
ここでの「触らぬ」は関わらないことを意味し「神」は物事を意味します。
神様も余計なことさえしなければ災いをもたらすこともありません。
つまり、無駄に首を突っ込むなという意味の言葉となります。
「触らぬ神に祟りなし」の用い方・例文
「触らぬ神に祟りなし」は余計なことをして不運に見舞われる場面で使用します。
・例文1:今日のAさんは機嫌が悪いみたい。触らぬ神に祟りなしという言葉があるくらいだし、今日はそっとしておいた方が良さそうだ。
・例文2:BさんとCさんがまた喧嘩してるよ。周りのみんなは触らぬ神に祟りなしってことで無関心だけど、いい加減やめてほしいよね。
・例文3:触らぬ神に祟りなし、厄介事に自ら首を突っ込んで巻き込まれていては命がいくつあったって足りない。
このように「触らぬ神に祟りなし」は余計なことをして自ら災いを被ってしまいそうな場面で使用します。
「触らぬ神に祟りなし」の類義語
ここからは「触らぬ神に祟りなし」の類義語を紹介します。
君子危うきに近寄らず
「君子危うきに近寄らず」は、徳のある優れた人物であれば自ら危険な場所に近づいたり身が危険になるような物事と関わったりしないことの例えです。
賢い人ほど危険な物事に近づかないことを例えたことわざとなります。
その点が「触らぬ神に祟りなし」と似ているのではないでしょうか。
ただし「君子危うきに近寄らず」は苦手なことを避ける口実として使用する場合もあるため、やや性質の異なる言葉として覚えておきましょう。
当たらぬ蜂には刺されぬ
「当たらぬ蜂には刺されぬ」は、自分からあえて災難を呼ぶようなことをしなければ諸事安泰に過ごせることの例えです。
自ら蜂に手を出したら、刺されてしまっても仕方ありません。
しかし、そもそも鉢に近づかなければ刺されることもありません。
転じて、余計なことをしなければ災難に遭わないということを意味するようになったとされています。
その点が「触らぬ神に祟りなし」に通ずるのではないでしょうか。
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ
「七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ」は、面倒なことに関わりを持たなければ害を受けないことの例えです。
漆の木の傍をいつも通っていたとしても、手に触れなければかぶれて皮膚が赤くなったりかゆくなったりすることはないことを意味します。
その点が「触らぬ神に祟りなし」と重なるのではないでしょうか。
「触らぬ神に祟りなし」の対義語
ここからは「触らぬ神に祟りなし」の対義語を紹介します。
寝る子を起こす
「寝る子を起こす」は、余計なことをして問題を起こすことの例えです。
眠っている子は起こさなければ静かにしていてくれますが、ひとたび起こしてしまうと泣いて大変なことになってしまいます。
その点が「触らぬ神に祟りなし」と相反する意味といえるでしょう。
藪をつついて蛇を出す
「藪をつついて蛇を出す」も、余計なことをして思いもよらない悪い結果を招いてしまうことの例えです。
やる必要もないのに藪を突っついて蛇を出すところから来た言葉です。
その点が「触らぬ神に祟りなし」と反対の意味となるでしょう。
まとめ
「触らぬ神に祟りなし」は余計なことさえしなければ災いに遭うことはないということを例えたことわざです。
実際に神様に触れなければ、最初から祟りに遭うこともありません。
しかし、むやみやたらに神様を刺激すれば、どのような祟りが待っているかわかりません。
現代では厄介事に自ら飛び込むべきではないという教訓の意味もあるので、併せて覚えておきましょう!
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