「初心忘るべからず」とはどんな意味?その由来は伝統芸能「能」にあり!?

2024-12-27 14:30

座右の銘にもされることわざ、それが「初心忘るべからず」です。

しかし、この言葉はそもそもどこから来たのでしょうか?
ここでは「初心忘るべからず」の意味と併せて由来についても詳しく解説します。

「初心忘るべからず」とは

ここでは「初心忘るべからず」の意味を解説します。

「初心忘るべからず」の意味

「初心忘るべからず」は、習い始めの頃の謙虚で真剣な気持ちを忘れてはならないという教えです。

もともとは能楽で使用されていた言葉で、若い頃に学んだ芸だけでなく当時未熟だったことや当時経験したことを忘れてはいけないという意味があります。

転じて、初めの気持ちを忘れてはならないことを指すようになりました。

また、最初に思い立った一念を忘れてはならないことも表します。

要は何事も当初の気持ちを忘れてはならないということを言うことわざです。

「初心忘るべからず」の用い方・例文

「初心忘るべからず」は最初の頃を忘れてはならないという教えで使用します。

・例文1:昔は仕事を楽しんでいたのに、今は毎日ただ言われたことをこなすだけの日々で緊張感や高揚感を失ってしまった。初心忘るべからず。

・例文2:あんなに真面目に取り組んでいた趣味もいつしか惰性で続けているだけになってしまった。初心忘るべからず、一度自分を振り返ってみよう。

このように「初心忘るべからず」は最初の頃の気持ちを忘れないようにという教えとして使用されるのが一般的です。

そのほとんどは「最初の頃を思い出せ」というような戒めの意味で使用します。

・例文3:最近たるんでるぞ!初心忘るべからずというように最初の気持ちを忘れないようにしなさい!

このように𠮟咤激励の意味を込めて使用されることもあります。
現代ではたるんでいる自分や相手に対して注意喚起のニュアンスを込めて使用されることもあるので注意しましょう。

「初心忘るべからず」の由来

ここからは「初心忘るべからず」の由来を解説します。

由来とされる能を確立した「世阿弥」の言葉

「初心忘るべからず」は「世阿弥」の『花鏡』にある言葉が由来とされます。

「世阿弥」は室町時代に活躍した能役者・能作者で、観阿弥の長男です。

2代目の観世大夫として知られ、代表的な書物に『風姿花伝』『花鏡』『至花道』他20余部の伝書があります。

他にも能の代表作としては『高砂』『老松』『清経』『井筒』『砧』『班女』『融』などがあり、世阿弥は能を確立した人物の1人として知られます。

「初心忘るべからず」はそんな「世阿弥」の言葉から来たことわざです。

『風姿花伝』にある名言「秘すれば花」

「世阿弥」の伝書『風姿花伝』には「秘すれば花」という言葉があります。

「秘すれば花」は、あえて隠すことの中にこそ感動があることを指します。

言葉自体は秘めるからこそ花になる、逆に秘めねば花としての価値は失われてしまうということを意味するそうです。

世の中はすべて知ってしまうと面白みに欠けてしまうものです。
むしろ、知らないことがあるからこそ面白いのではないでしょうか。

「秘すれば花」にはそんな意味合いが込められているので、併せて覚えておいてはいかがでしょうか。

「初心忘るべからず」の対義語

ここからは「初心忘るべからず」の対義語を紹介します。

天狗になる

「天狗になる」は、得意になることや高慢になることを意味する言葉です。

思い上がって大きな態度を取ったり、横柄になったりすることを意味します。

端的に表現するなら、調子に乗っていることを指す表現です。
まさに初心を忘れてしまった状態を表す慣用句となります。

その点が「初心忘るべからず」と相反する言葉となるでしょう。

夜郎自大

「夜郎自大」は、自分の力量を知らずに威張っている者を例えた四字熟語です。

「夜郎」は中国漢の時代の西南の地にあった未開部族の国名を指します。
「自大」は自ら威張って尊大な態度や横柄な態度を取ることを意味します。

この言葉はかつて古代中国で栄えた夜郎という国の君主が、漢の死者に対して「自分の国と漢の王朝はどちらが大きいか」と問うたことから生まれた言葉。

転じて、自分の力量を知らずに威張っていることを表すようになりました。

その点が「初心忘るべからず」とは異なる意味の言葉と言えるでしょう。

野狐禅

「野狐禅」は、生かじりで自惚れている者を例えた慣用句です。

ちょっとしか禅を学んでいないにもかかわらず、深い境地に至って悟りを開いたような気になることを例えた言葉となります。

転じて、中途半端に学んで勘違いすることを表すようになりました。

その点が「初心忘るべからず」とは違う意味の言葉と言えるでしょう。

まとめ

「初心忘るべからず」は初めの頃のことを忘れてはならないということを例えたことわざです。

人は成長すると未熟だった頃の自分を忘れてしまいます。
しかし、常に現在の自分があるのは過去の自分があるからだという視点が必要なのではないでしょうか。

「初心忘るべからず」はそんな初々しい自分を忘れないためにも心に留めておきたい言葉です。

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