愛猫に愛情を伝えたいとき、頭や背中をなでることがあります。しかし、普段はなでればゴロゴロと喉を鳴らすような猫でも、状況や気分によってなでられることをストレスに感じることがあります。それは、どんなシーンだと思いますか?この記事では、猫をなでてはいけないシーンとその理由をわかりやすく解説します。猫の気持ちを理解して信頼される飼い主になりましょう。
猫を『なでてはいけないシーン』3つ
一般的に、猫をなでることは親しい関係性を確認するためにはよい方法ですが、状況によっては、直接触れない方がよい場合もあります。
ポイントは、猫の気持ちを優先することです。
1.恐怖を感じているとき
引っ越し直後や保護したばかりの時など、生活環境の大きな変化は、猫の大きなストレスとなることがあります。耳を後ろに倒して、小さく縮こまってしまう姿を見て、慰めてあげたくなってしまうこともありますが、このような状況下では猫の恐怖心がMAXになっています。
猫に触れようとして手を出してしまうと、引っかかれたり、場合によっては噛まれたりすることもあります。猫が恐怖心を抱いているときには、優しく声を掛け、その場からあまり動かそうとせずに食事やトイレを用意してできるだけひとりにしてあげましょう。
2.ごはんを食べているとき
猫が一生懸命何かを食べている姿は、まるで我が子のように愛おしく、ついなでてみたくなってしまいます。しかし、食事は猫にとってセンシティブで、できるだけ集中したい瞬間です。このときに触れると邪魔に感じられてしまう場合があります。
食欲旺盛な猫の場合は、食べ物を取られてしまうかもしれないと勘違いしてしまうこともありますし、繊細で優しい性格の猫は飼い主さんも食べたいのかと思い、食べるのを遠慮してしまうこともあります。食事中はジロジロ見たりせずにそっと食べ終わるのを待ちましょう。
3.トイレ中
排泄中の猫は完全に無防備な状態となっているので、とても警戒心が強くなります。不用意に近づいたり、触られたりすると、飼い主やトイレ環境に対する信用がなくなります。もし、そのまま排泄を途中でやめてしまった場合には、我慢した結果、泌尿器系の病気を引き起こす危険があります。
また、次から「このトイレを使いたくない」と思われてしまうと、猫は適当な落ち着ける場所を見つけ出してトイレ以外で粗相してしまうこともあります。
もし、尿検査のために自宅で採尿するときにも、できるだけ猫を驚かさないよう猫の身体に触れずに静かに行うようにしましょう。
無理やり触ったらどうなる?
猫が触られたくないときは、たいてい身を固くして、耳を倒して警戒モードに入っています。このサインを無視して、無理やりなでてしまうと次のような傾向があらわれます。
- 飼い主への信用がガタ落ち
- 攻撃的な態度に出る
- ストレスや不安の蓄積
愛猫の名前を呼んだり、触ったりできるのは、お互いの信用から成り立っています。その信用がなくなってしまうと、名前を呼んでも無視され、それどころかパーッと見えないところへ隠れるようになってしまうかもしれません。悲しいですね。
また、究極に嫌だった場合には、なでただけでも反撃してくるかもしれません。これがたとえ甘噛みでも、猫の歯は肉をかみちぎる仕様になっているので、「飼い主さんの手」の安全性が心配です。
ストレスや不安は目に見えるものではありませんが、愛猫がジワジワと「嫌だなぁ」という気持ちを蓄積してしまうと、食欲不振や嘔吐など消化器の異常、過剰な毛づくろいにより脱毛など健康問題に発展する可能性があります。
まとめ
愛猫は小さくてかわいくても、自立した精神を持ち合わせています。「警戒中」「食事中」「トイレ中」の3つは、おそらく人間でもあまり他人と接触したくないシーンなのではないでしょうか。
愛猫を擬人化して見てしまうことは、けっして良い方法ではありませんが、猫の性質を尊重して生活していくことは、擬人化とはまた違い、猫との共生にはとても大切です。
特におうちにお迎えしたばかりのころは、かわいい!触りたい!という気持ちがあふれてしまいがちですが、そこはグッと気持ちをおさえて、触れてもいいときと悪いときを見極めていくようにしましょう。
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