イチローさん(51)が日本人初となるアメリカ野球殿堂入りを果たしました。これまでの記録を振り返るとともに、メジャーリーグに与えた影響についてまとめました。
【写真を見る】イチローさん(51)がアメリカ野球“殿堂入り” 日本人では初めての快挙【サンデーモーニング】
イチローさんの得票率は「99.7%」
「アメリカ野球殿堂入り」というのは、どれほどの快挙なのでしょうか。
毎年、対象選手の中から、全米野球記者協会に10年以上在籍する記者による投票で75%以上を獲得した人が殿堂入りとなりますが、選ばれた選手は、150年以上の歴史の中で、野球の神様ベーブ・ルースやタイ・カッブなどのレジェンド278人。
満票で選ばれたのは、歴代最多652セーブを挙げたマリアノ・リベラ投手ただ1人。
そんな中、イチローさんは、満票に1票足りない99.7%でした。
そもそも選考対象となるには、メジャーリーグで10年以上プレーしなければならず、日本選手の中でその資格を持ち、票を獲得したのはイチローさんのほかに、野茂英雄さんと松井秀喜さんだけ。
ただ野茂さんも松井さんも得票率5%に満たず、候補から外れました。
目安となる成績は、投手なら300勝以上、打者ならヒット3000本以上などと、とてもハードルが高いんです。
メジャー1年目から首位打者に成績を支えた「けがをしない体」
それを乗り越えたイチローさんの成績ですが、メジャー1年目から、打率3割5分で首位打者に輝き、盗塁王も獲得。
年間MVP=最優秀選手に選ばれました。4年目には262安打を放ち、84年ぶりにメジャー記録を更新。
10年連続200安打を達成したのも、メジャー史上ただ一人です。
27歳という遅めのメジャー移籍にもかかわらず、通算3089安打、509盗塁を達成。3000本安打、500盗塁の両方を達成したのは、史上7人目です。
これほどの成績を支えたのが、「けがをしない体」づくりです。
45歳まで現役を続け、メジャー19年間で、故障者リスト入りしたのはたった1度。それも、けがではなくWBC後の極度の疲労による胃潰瘍でした。
背番号51を「永久欠番」に イチローさんがメジャーに与えた影響
イチローさんのプレーは、メジャーの潮流にも大きな影響を与えました。
移籍したころのメジャーは、マグワイア選手やボンズ選手など、大きな体で本塁打を量産するパワーが特に重視されていた時代。
そこに飛び込んだイチロー選手について、メジャーを長年取材してきた笹田さんは、「スピードがあり、走攻守が揃った独創的なプレーで、ファンに野球の面白さを再確認させた」と言います。
それを示すようにイチローさんは、ルーキーイヤーから3年連続、オールスターのファン投票で最多得票を獲得したのです。
シアトル・マリナーズは“殿堂入り”に合わせ、イチローさんの背番号51を「永久欠番」にすると発表しました。
この背番号は今後、ほかの選手に使わせないという特別な措置。イチロー伝説は永遠に語り継がれていくことになります。