中居氏と女性トラブル「業務の延長線上の性暴力」 フジ第三者委が認定 港元社長「テラスハウスのようになったら…」中居氏メールに「見たら削除して」【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-04-01 15:02

フジテレビの一連の問題を受けて公表された報告書は400ページ近くにも及び、第三者委員会は、中居正広氏と女性とのトラブルは「業務の延長線上の性暴力」だと認めました。

【画像でみる】第三者委員会が公表した報告書

報告書「業務の延長線上の性暴力」認定

31日は社長1人での登壇でした。

フジテレビ 清水賢治社長
「私達にとって大変厳しい指摘ばかりでした。私達はこれまでの自己認識がいかに甘かったのかを思い知りました」

フジテレビの清水社長が「厳しい指摘」だとしたのは、一連のフジテレビ問題を受けて、第三者委員会が公表した報告書です。

その中で中居氏とトラブルになった女性が、フジテレビの元アナウンサーだったことが明らかになりました。

中居氏と編成幹部、女性の3人が関係を深めたのは2021年11月ごろのことです。編成幹部が制作統括を務める番組への出演がきっかけでした。その後、外資系ホテルのスイートルームで飲食をともにするなど、編成幹部は、女性と食事の席で同席したり、食事会に誘ったりしました。

そして2023年5月、中居氏所有の都内のマンションで昼間、バーベキューが行われます。

元SMAP 中居正広氏
「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね。一般はさすがにね。となり、フシアナ誰か来れるかなぁ。」

元編成幹部 
「アナウンサー調整してみます」
「2〜3人いれば大丈夫ですかね??」

その場には男性タレントの他、テレビスタッフなどに加え、女性も参加。バーベキュー後、中居氏の提案で編成幹部と女性の3人で寿司店へ行くことになります。中居氏と女性はこの日、携帯番号を交換したそうです。

そして2日後の6月2日、トラブルが起こります。正午すぎ、中居氏は女性にショートメールを送ります。

中居氏
「今晩、ご飯どうですか?」

中居氏とは仕事上の付き合いもあり、食事に行くこと自体については特段、違和感を持たず、「その晩は空いている」ことを返信します。すると中居氏からは、「はい。メンバーの声かけてます。また、連絡します」との連絡があったということです。女性はこの時点では、過去にあったような、“複数人での会合”だと思っていたそうです。

午後5時46分、中居氏からのメール。

中居氏
「雨のせいか、メンバーが歯切れわるくいないです。飲みたいですけど、さすがに2人だけだとね。どうしましょ。」
「お店。自信はありませんが、探してみますね」

さらに午後7時14分…

中居氏
「(仕事)終わりました。メンバー見つからずです~。どうしようかね。2人だけじゃ気になるよね。せっかくだから飲みたいけど」

その頃に仕事を終えていた女性は、「夜は空いている」と伝えていた手前、「2人だけでは嫌だから今日はやめたい」と立場上言えず、「2人でもよい」旨の返事をします。

その後、中居氏はバーベキューを行った自らが所有するマンションでの食事を提案。女性は少し嫌な気がしたそうですが、中居氏の求めに応じました。

元アナウンサー 女性
「仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそういわれたら、『今夜暇だ』と言ってしまった私は行かざるを得ない。編成幹部や他のディレクターは、いつも中居氏にペコペコしている姿を見ていたから、逆らえないと思っていた。ここで断ったりしたら、仕事に影響が出るのではないか、断ったらそのことが編成幹部に伝わって、番組に呼ばれなくなるのではないか」

第三者委員会のヒアリングにおいて、中居氏は、実際には、出席者や店を探すなどはしなかったと述べています。調査報告書は「6月2日に女性が中居氏のマンションの部屋に入ってから退出するまでに起きたことを、女性が中居氏によって性暴力を受けたものと認定した」としています。

4日後の6月6日、女性はアナウンス室長に事態を報告。この室長は、女性が中居氏から性暴力を受けたと認識します。

翌月の7月12日、編成幹部は中居氏から女性とトラブルになっているとの相談の電話を受けます。電話の翌日、事務所を訪れた編成幹部に対し、中居氏はこう依頼しました。

中居氏
「女性が承諾したのでマンションに来てもらうことになった。その後、連絡を取り合っているうちに女性が自分にだんだんとよくない感じを向けていることが分かった」
「女性の心身の回復のために助けてほしい」

第三者委員会のヒアリングに対し編成幹部は、
・中居氏が女性と連絡先を交換していたこと
・2人で会っていたこと
・中居氏から女性に対する行為に驚いた と証言。

しかし、中居氏の話から、本事案を「プライベートにおける男女トラブルと認識」としています。

編集幹部らが中居氏の事務所を訪れた夜の、中居氏と編成幹部のショートメールのやり取りは…

中居氏
「また連絡があり、接触障害(摂食障害と思われる)と鬱で入院。やりたい仕事もできず、給料も減り、お金も無くあの日を悔やむばかりと。見たら削除して。どうしようか。」

編成幹部
「なかなかですね、、私から無邪気なLINEしてみましょうか??」

7月末ごろ、女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されます。

翌年2024年、治療により体調が回復に向かっていましたが、7月退職を決断。その後、編成幹部にも伝えられます。

9月9日、編成幹部から中居氏に対して、ショートメールで8月31日に女性が退職したことを伝えたところ…

中居氏
「了解、ありがとう。ひと段落ついた感じかな」

編成幹部
「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き何かお役に立てることがあれば、動きます!」

調査委員会の竹内委員長は…

第三者委員会委員長 竹内朗弁護士
「今回起きたこと(性暴力)というのは、2人の間のプライベートな問題ということではなく、CX(フジテレビ)の業務の延長線上にあったというふうに判断をしております」

フジテレビで働くスタッフは…

制作会社スタッフ
「中居さんのやったことが性加害と認定したのはだいぶ進んだなと思う」
「きちんとコンプライアンスの検証をして、ちゃんとした会社に生まれ変わってほしい」

中居氏のフジ番組継続 背景は

第三者委員会が批判したのはフジテレビの対応です。

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「過去にテラスハウス事案、旧ジャニーズ性加害事案という2つの事案をフジテレビは経験しているが、ここからしっかり学び取ることがなかった」

中居氏と女性のトラブルが起きたのは、2023年6月2日。1か月以上が経った7月13日に報告を受けた編成局長のG氏は、このとき、コンプライアンス推進室に共有しなかったことについて、こう話したといいます。

編成局長 G氏
「コンプラにいる人間がそれを聞いて情報拡散しないか不安に思った。CX(フジテレビ)は情報が漏れやすい会社なので、女性が好奇の目で見られるかもしれないという恐怖しかなかった」

G氏は、トラブル発生から1か月半が経った8月21日、大多専務に報告。女性について、男女間のトラブルと聞いていた太田専務は、その場で湊社長に電話。その後、港社長の部屋で協議し、「女性が笑顔で自然な形で復帰するまでサポートする」などの方針が決まったといいます。

港社長は、第三者委員会のヒアリングに対し…

港浩一 元社長
「最優先は女性の命を守ることであり、本人を刺激することなく、意向に沿ったケアをすることが一番大事だと思った。自死の恐れが一番怖かった。テラスハウスの件のようになったら責任を取れないという思いがずっとあった」

トラブルを把握した後も、フジテレビが中居氏の番組を継続したことを、第三者委員会は強く非難しています。

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「中居氏の番組出演の継続を続けたことは、間違った判断であった。狭い考えの中でコンプライアンス推進室や外部の専門家に相談をせず、そのような判断をしてしまった。これが大きな間違いを生んだ」

トラブルが起きた年の4月、フジテレビでは、中居氏と松本人志さんの番組「まつもtoなかい」の放送が始まりました。

トラブルを受けて9月上旬、港社長と太田専務らが番組の扱いについて議論。急に番組を終了したりすることで憶測を呼び、何らかの形で女性の耳に入り、刺激してしまうのではないかと思い込み、中居氏の出演を継続すると判断したといいます。

その際、中居氏に対するヒアリングは行われず、女性への意思確認も行われませんでした。

港元社長
「ヒアリングを契機として、中居氏が女性に反論したり攻撃するなどの危険があり、女性への『刺激』になり得ること、そのため、女性への病状悪化を招くリスクがあること、あるいは自死を招きかねないこと」
「当時の状況を鑑みると、女性の心身を最優先にすることがあったので、間違いではなかったと思う」

こうして、中居氏の番組継続を決めたフジテレビ。翌年1月、共演者である松本人志さんが芸能活動の休止を発表した際、大多専務と編成局長G氏との間で、このようなLINEのやり取りがあったといいます。

大多亮元専務
「まつもとなかい、どうするかだな…。」

編成局長 G氏
「吉本側に仁義を切った上で、松本さんが戻るまで中居さんMCのお友達グランプリにする案がいいと考えています」

このタイミングで番組を終了し、中居氏の出演をやめるという判断もできたはずですが、2月に番組は「だれかtoなかい」にリニューアルされ、中居氏の出演は継続されました。

その後、女性が退職した8月。港社長(当時)が退職するということは心身も回復しているということであろうと独自に判断し、番組終了を承諾したといいます。

猛批判 フジ“クローズド会見”の裏で 

第三者委員会の報告書では、この問題が報じられた後のフジテレビの対応も検証されました。

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「ステークホルダーに対する説明責任を果たすという意識が希薄で、結果として対応を間違えた」

中居氏のトラブルが報じられたのは昨年末、その後、フジテレビとして初めての会見が1月17日に行われましたが、テレビカメラを入れないクローズドな会見で猛批判を浴びました。

この会見の前、報道局長と石原常務の間でこんなショートメールのやり取りがあったといいます。

報道局長
「テレビ局の会見でテレビカメラ無しには猛烈な批判があがる気がするのです…。大丈夫でしょうか」

石原正人元常務
「広報の調べではどの局もカメラなしです。今回はオブザーバーとして特例で参加を認めたので譲歩はしてます」

案の定、猛批判を浴びたフジテレビ。その後、やり直し会見に臨みますが、ここでも中居氏の起用継続について質問が集中。

港元社長
「そのときの女性のコンディションが、そんなに良くないという状況がありまして、どういう刺激になってしまうのか本当にはかりかねる状況で、ずっと判断が難しいことだった」

報告書はこうした発言を批判。

第三者委員会 報告書
「中居氏の番組出演を継続させたというフジテレビの不適切な対応を、女性の責任に転嫁しており、女性に対する二次加害行為にあたる」

第三者委員会は役職員へのアンケートも実施。その中で、41年取締役を務め、先週退任した日枝久氏について、「人事権掌握していると感じるか」と聞いたところ、約82%が「感じる」と回答したということです。

Q.日枝氏は一連の問題以降、公の場で説明を一度もしていないが?

第三者委員会委員長 竹内弁護士
「一定の経営に対する影響力を及ぼしてきた方だと考えているし、トップ人事も決めてこられた方。一定の説明責任はあると考えている」

第三者委員会の報告を受けて、清水社長は…

フジテレビ 清水社長
「報告書を受けて、改めて会社として今までの間違いを改めて、人権に対して意識の高い会社に生まれ変わっていかなければならない」

フジ刷新「体制」と「体質」変えるのに不十分か

小川彩佳キャスター:
報告書には、フジテレビ側が「女性のコンディションが良くない」ということを理由に、何度も不適切な対応を女性の責任に転嫁する姿勢がつづられていました。

そして、この報告書で性暴力というのが認定されるまで、女性は多くの誹謗中傷に苦しんでこられたと思いますし、どれだけつらい思いを重ねて、何度傷口をえぐられてきただろうと改めて感じました。

藤森祥平キャスター:
それをこの報告書では二次加害行為に当たるという強い表現もありました。1月のやり直し会見でも中居さんを守るつもりはなかったと再三繰り返していましたけど、その言葉が虚しく聞こえるような内容に感じましたね。

今回の会見を受けて、私達は企業ガバナンスの専門家の青山学院大学 八田進二教授に話を聞きました。八田さんは「人権軽視の企業風土を放置した全役員の刷新が必要。新役員も日枝日枝氏の影響下の社長らが選んでいて、名実ともに信頼できる人とは言えない」ということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
フジテレビの有力スポンサーのある社長さんに聞いてみたんですが、「フジテレビの対応に顧客が納得しないとCMを再開できない」。つまり、企業側がやろうと思っても、大変なクレームが来るので、簡単には再開できないだろうと言うんですね。

今回の問題は「体制」と「体質」の問題があると思います。

「体制」は第三者委員会でさえ経営判断の底を成していなかったという指摘されている、その中のメンバーの1人であった清水さんが社長として続けていくわけです。どう見ても刷新感は全くないですよね。

それから「体質」です。この問題の本質にあるのは、人権よりも、収益や視聴率を優先する、そういう体質が根深くあったことを払拭できないままずっと来たわけですよね。そこに対して、どういう具体的な対策を打つのかについて、全く見えてこないわけで、先ほどのスポンサーの社長の話からも、それでは国民・視聴者の納得は得られないと思いますね。

藤森キャスター:
今回の問題については、第三者委員会でも「性的暴力・ハラスメントという人権課題はフジテレビに固有のものではなく、メディア・エンタメ業界における構造的な課題である。セクハラ行為が行われても『ここは芸能界だから』という加害者の甘えがまかり通り、それが被害者の諦めを生み、被害が再生産されてきた」という表現まで盛り込まれています。

小川キャスター:
重い表現ですね。今回の問題を受けてメディア各社、調査などを行っていますけれども、この報告書には踏み込んだものがありましたから、そもそも安心して声をあげられる環境が整っているのかどうか、ここをしっかり検証する必要がありますね。

藤森キャスター:
まずは環境が整う前に、それを作り上げようと、続けていけるかどうかが大事かなと思います。

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