トランプ関税「うちだけ勘弁は、思うつぼ」【国会トークフロントライン】

野田元総理は「トランプ関税」に「勝手に変えてWTO違反だ」と憤懣やるかたない様子。
そして、石破総理について「うちだけ勘弁ではトランプ大統領の思うつぼ」と指摘すると同時に、先頭に立って自由主義の旗を掲げ世界を巻き込んでいくべきだ、と呼びかけます。
国内対策ではさまざま具体的に示し、消費税減税についても「『国難』なら選択肢」と踏み込みます。熱い語りを是非ご覧ください。
(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)
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「寂しいですね、諦めない気持ちになる」往年のボクサーの姿と重ねて
――ボクシング元ヘビー級王者のジョージ・フォアマンさん(76歳)が先月に死去。
ジョージ・フォアマンさんは、1974年「キンシャサの奇跡」で負け、その20年後の1994年「45歳での王座復帰」を果たしました。その試合後、フォアマンは「年寄りであることを恥じることはない。もっと誇りを持って生きていい」と語りました。どうお感じになりますか。
立憲民主党 野田佳彦代表:
いやー寂しいですね。心躍る試合でしたね。「キンシャサの奇跡」というのは、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)が、当時ですね、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)を倒したジョー・フレーザー、それからケン・ノートンというハードパンチャーをジョージ・フォアマンが見事に1ラウンド2ラウンドでぶっ倒すんですよ。そのジョージ・フォアマンとね、ちょっと衰えつつあったカシアス・クレイ(モハメド・アリ)では、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)は全然もたないんじゃないかなと。カシアス・クレイ(モハメド・アリ)が、見事にずっとロープに押しまくられて殴られまくるんです、ボディーとか。でもずっと耐えてて、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)が、8ラウンド一挙逆転を見たときには、鳥肌が立ちましたね。
――ジョージ・フォアマンさんは、敗北の20年後「45歳での王座復帰」。現在の野田さんご自身の姿と、こちらはどうですか。
立憲民主党 野田佳彦代表:
ジョージ・フォアマンは、往年のハードパンチで現役王者をやっつける、これも鳥肌が立ちましたね。ボクサーで45歳は普通考えられませんよ。ヤクルトの石川投手は投げていますけど、ボクサーは、45歳は考えられませんね。すごいボクサーでしたね。まあ諦めないでいこうという気持ちにはなりましたよね、これを見て。
「WTO違反」「うちだけ勘弁は、トランプ政権の思うつぼ」
――「トランプ関税」大混乱ですが、どう考えますか。
立憲民主党 野田佳彦代表:
お互いに決めてあった関税を勝手に変えてしまうというのは、これは「WTO違反」だと私は思うんですよ、どう見ても。相手の了承もなしに勝手に変えていくということは。最初はアルミと鉄鋼の追加関税でしょ。それから車でしょ25%、そして相互関税と称する勝手な追加関税でしょ、これ全部一方的なんですよ。一方的にやっちゃいけないというのがWTOルールなので。
その「WTO違反」を堂々とこれだけやってしまってることに対して、やっぱり世界はルール守るということをもっと言っていかなきゃいけないんじゃないのかなと。今はお願いしますから、うちだけちょっと勘弁してくださいと例外扱いしてくださいっていう交渉なんですけど、ある意味「トランプ政権の思うつぼ」じゃないでしょうか。
トランプ関税、日本の行く末。「セーフティーネット」
――これから日本に何が起きると、ご覧になっていますか。
立憲民主党 野田佳彦代表:
資金繰りとかで、特に追加関税分を大手のメーカーが中小企業にしわ寄せをさせるというようなことも起こりかねないんでね、その対策を講じることが大事だと思うんで、そのためには資金繰り支援だと思います。これは万全を期さなきゃいけないと思いますね。
――かつて資金繰りに関しては、民主党政権のときに金融機関に中小企業の借金返済を猶予させる「金融モラトリアム法」、コロナのときにあったのが実質無利子無担保の「ゼロゼロ融資」。それに対しては、具体的にどうお考えになりますか。
立憲民主党 野田佳彦代表:
やっぱりそれぐらいの「セーフティーネット」をしっかり張るということをやらないと安心できないと思いますね。非常に不安が増幅しているというふうに思いますので、民主党時代の頃は、あれは亀井静香金融担当大臣の「平成の徳政令」とおっしゃった2009年からリーマン・ショックの後からの資金繰りの厳しいところに対して、「時限立法」で4年間やりましたけども、そういうようなこと。あるいは、コロナ禍のゼロゼロ融資のような、思い切った資金繰り対策をやっとかないと、不安が本当に増幅されると思いますので、そこをまずおさえることが大事だと思います。