【バレーボール】佐藤淑乃&和田由紀子「ヨシノ」「ユッコ」と呼び合う仲良し23歳コンビの武器『サーブ』に迫る

バレーボールの真の世界一決定戦『世界バレー』で15年ぶりのメダル獲得を狙う女子日本代表。チームの中心選手である佐藤淑乃選手(23)と和田由紀子選手(23)にシドニーオリンピック™マラソン金メダリストの高橋尚子さんが迫った。
【写真で見る】佐藤淑乃選手 ✖ 和田由紀子選手 ✖ 高橋尚子さんスペシャル対談
ネーションズリーグで女子日本をベスト4進出に導いた23歳の同学年コンビ。和田はチーム最多の223得点をマーク、佐藤もチーム3番目となる214得点をマークした。決勝トーナメント進出を決めた世界バレーでも期待される。
高橋尚子さん:
同い年23歳の2人に来ていただきました。2人はお互いに、どうやって呼んでらっしゃるんですか。
佐藤選手:自分はユッコ。
和田選手:ヨシノです。
SVリーグでは同じNEC川崎に所属し、オフの日には2人で出かけるほど仲良し。
高橋さん:いまだから話せるお互いの印象は?
和田選手:
いつも明るくて純粋な感じというか。バレーボールに対しても日常生活もすごい純粋なところが見てて癒されるなと思います。
佐藤選手:恥ずかしいです。
高橋さん:どうですか逆に、由紀子さんの方は。
佐藤選手:
仲良くなると関西人なので、関西人の面白さとか。意外と甘えてきたりとか笑。(和田選手が恥ずかしがって佐藤選手の腕を叩く)そんな一面がありますけど、みんなには見せてない。
高橋さん:2人だから見せられる姿なんですね。
仲良し2人で初めて臨んだネーションズリーグは2大会連続のメダルまであと一歩届かなかった。
佐藤選手:
最後メダルがかかった試合で勝ちきれないっていう自分たちの海外にちょっと劣るものとかそういう部分もちゃんと感じられて、やっぱりメダルを取りたかったなっていう思いが強いので、その悔しさをバネに世界バレーに向けて頑張りたい。
和田選手:
決勝ラウンドに行って上手くいかないのを経験したのも良かったと思いますし、本当に4位という結果だったからもっと世界バレーでも上を目指せると思いましたし、もっともっと強くなれると思いました。
ポイントゲッターの2人のポジション
高橋さん:
日本バレーの強さを見せるためのカギになるのは日本チームのどんなところだと思いますか?
和田選手:
それぞれがネーションズリーグでつけてきたオフェンス力の自信ってところを見てもらいたい。
佐藤選手:
今年、重視しているオフェンス力で決めきることかなと思います。
同じポイントゲッターの2人でも、佐藤のポジションは“アウトサイドヒッター”。オールラウンダーなアタッカーで攻撃も守備もこなす役割だ。
佐藤選手:
全部のプレーをこなさないといけないポジションかなと思います。自分がディフェンスしてもバックアタックに入っていくとか、ハードワークな部分は海外の選手に比べても強みなのかなと思ってます。
攻守をこなす“アウトサイドヒッター”に対し、和田のポジションは、攻撃に特化した“オポジット”。相手サーブの時は守備に参加せず、いち早く攻撃態勢に入って、バシッと決め切るのが仕事。
和田選手:
オポジットとは攻撃でチームを変えられるポジションだと思うので、よく言えば流れを変えられるし、悪く言えば一気に流れを悪くしてしまうので、そういう意味でも爆弾かなって。
高橋さん:
責任重大ですね。
世界バレーでメダルの鍵を握る佐藤と和田の共通の武器『サーブ』に迫る
そして2人には共通の武器がある。それが、それぞれ持ち味が違う『サーブ』。和田のサーブは平均速度95キロ(日本チームトップ)と威力抜群のジャンプサーブ。
高橋さん:
あれだけ威力のあるジャンプサーブのポイントはどこにあるんでしょう
和田選手:
一番は高い打点から振り下ろせるところ。あとはスピードが出るところが特徴かなと思います。
佐藤選手:
日本人で一番スピードがあるかなって。
一方、佐藤のサーブは一見、力強いジャンプサーブに見えるが注目すべきは、その球筋。無回転サーブのように、ボールが揺れている。スピードと予測不能な変化を併せ持つ、その名も『ハイブリッドサーブ』。
佐藤選手:
相手の胸元に伸びてくる、でも回転がかかっているのでエンドラインに最後、落ちるサーブ。
高橋さん:
伸びてくるからアウトかなって思わせて“ストン”って落ちちゃう。
佐藤選手:
はい。っていう感じかなと思います。
高橋さん:
惑わせるサーブですね
和田選手:
一番とりにくいんじゃないかなと思います。
高橋さん:
この世界バレーで目指すところはどんなところでしょうか?
佐藤選手:
簡単には勝てない大会だなと思うので、自分たちもその意地を出していきたいですし、チームとしてメダルを取りたいなと。
和田選手:
日本のバレーボールの強さを証明できる。どれだけ今まで良いバレーボールをしていても最後は結果だと思うので、やっぱり勝つことでメダルをとることで日本の世界でのバレーボールの強さっていうのを証明できることかなと思います。
23歳コンビが異なる魅力と武器で、15年ぶりのメダルへ導く。