猫に嫌われる『間違った機嫌のとり方』5選 信頼を失うリスクから正しい接し方まで

2025-10-07 20:00

愛猫がなんとなく機嫌が悪いとき、早く仲直りしたくて、つい声をかけたり、追いかけて抱っこをしたくなることはありませんか。しかし、間違った対応は、逆に猫のストレスになり、信頼関係まで損ねてしまうかもしれません。やってしまいがちな間違った猫の機嫌のとり方を知って、機嫌の悪い愛猫とも上手に接しましょう。

猫の信頼を失う「間違った機嫌のとり方」5選

怒っているような猫

ツンデレな猫ほど、ただの「ツン」なのか、「不機嫌」なのか微妙にわからないときがあります。特に怒っていないときでも、対応を間違えてしまうと猫の機嫌を損ねることがあります。次の行動には注意しましょう。

1.いきなり触る

猫は自分の領域を大切にするので、基本的には、いきなり触られることは好きではありません。ふだん嫌がらないのも、単に「いきなり」に慣れているだけで、機嫌の悪いときは不快に思っているかもしれません。

背中や頭をなでるだけではなく、無理やり抱き上げようとするものなら、猫は不快なことをされたと感じてさらに警戒心を強めてしまうでしょう。

もし、しっぽをぶんぶん振っていたり、耳を伏せてイカ耳になっていたら、すでに不快感が高まっています。触ることで仲直りできるどころか、猫パンチが飛んでくる事態に発展することもあります。

2.大きな声で呼びかける

愛猫があからさまに無視してくると、つい大きな声で名前を呼んで反応させたくなりますが、これはかなりの逆効果です。

猫は大きな声自体を威圧的に感じやすく、威嚇や叱責と勘違いすれば、さらに警戒心を強めることがあります。人間のように謝罪する言葉の意味は理解できないため、声の音量・トーン、態度だけが猫に伝わり、ネガティブな記憶として残る可能性があります。

結果として心の距離が広がってしまえば、信頼関係が崩れてしまうこともあるため注意が必要です。

3.食べ物で機嫌をとろうとする

猫の機嫌が悪い?それなら、おやつ作戦だ!と考えるのは早計です。

猫の機嫌が悪いときにおやつなどの食べ物を与えると、一時的に機嫌が直ったように見えます。しかし、実際は猫の認識では「怒ったり騒いだりするとおやつがもらえる」と学習してしまい、同じ行動を繰り返すようになる可能性があるのです。

また、何度か続けて与えれば本来の食事リズムが崩れて健康に影響が出る可能性もあります。確かに一番簡単な方法ではあるのですが、総合的に判断すれば、機嫌直しに食べ物を使うのは避けたい対応です。どうしても必要な場合は、問題行動の最中や直後は避けるといったように、おやつをタイミングに気をつけましょう。

4.寝床まで付きまとう

猫が休息しようとお気に入りの寝床に向かっているのに、機嫌をとろうとしつこく追いかけたり、部屋中で付きまとったりするのは控えましょう。

もともと単独行動で生活する猫は自分のペースで行動することで、機嫌を直したり気持ちを切り替えようとします。そんなときに、うしろから追い回されれば、ストレスは一層強くなってしまうでしょう。

場合によっては、恐怖や不信感につながるかもしれません。それらが積み重なると、飼い主の存在自体を避けるようになり、関係の修復がますます難しくなります。

5.ほかの同居猫と比較する

多頭飼いの家庭では、無意識に猫同士を比較してしまうことがあります。それ自体は仕方のないことです。しかし「〇〇ちゃんの方がいいコ」とか「あの子はこんなに怒らない」と、猫の個性や状態を否定するような発言はNGです。

たとえ猫が人の言葉を理解しなくても、飼い主の雰囲気や態度は敏感に感じています。猫が自分だけが責められる、表情や声のトーンなどで言動が違うと感じれば、信頼関係までこじれるおそれがあります。

ストレスはさらなる問題行動に繋がりますので、非難するような言葉は発しないようにしましょう。

猫からの信頼を失うリスクと正しい接し方

キスを拒否する猫

もし間違った機嫌のとり方をした結果、猫との信頼関係を損なってしまうと、飼い主だけでなく、猫自身にもリスクを伴うことになります。

たとえば、ストレスから攻撃的になったり食欲不振になることもあります。長期化すれば、トイレの失敗や過剰な鳴き声などの問題行動がはじまるでしょう。もちろん、健康問題にも繋がります。

そんな愛猫を見ていれば、飼い主さんも罪悪感を持つなど猫との暮らしにストレスを感じるリスクがあります。

そのような事態にならないために、機嫌の悪そうな猫には正しい接し方を心掛けましょう。

具体的な対処法には、次のようなものがあります。

  • 環境を整える
  • 距離を置いて見守る
  • 猫からの接触を待つ
  • 一貫した優しい態度

これまで通り、隠れ場所や高い場所など猫が安心できる環境は変えずにそのまま使わせましょう。ひとりになりたくて隠れてしまうかもしれませんが、猫が自発的に寄ってくるまで、食事やトイレのお世話だけして、辛抱強く待ちましょう。

もちろん、食事の時間や外出するときには、これまで同様声のトーンや動作を穏やかに保つようにしてください。飼い主さんがいつも通りであれば安心して元の愛猫に戻るはずです。

まとめ

差し出された手をジト見する猫

猫の機嫌が悪そうに感じたとき、つい慌ててなでようと触ったり、しつこく声をかけたりしてしまいがちです。しかし、飼い主の一方的な機嫌のとり方は、逆に猫の信頼まで損ねてしまう危険があるのです。

猫と暮らしていると、お互いに思い通りにならない日があるのは自然なことです。機嫌がいいときも悪いときも、猫のペースを尊重することが、家庭内を平和に過ごす秘訣といえます。

末永く一緒に暮らすためにも、そんなときこそ猫のちょっとした気持ちの変化を観察しましょう。小さな信頼を積み重ねていくことで、以前よりも心地よく意思の疎通ができるようになりますよ。

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