東京・赤坂の個室サウナで夫婦が死亡した火災 夫の両手に皮下出血 ドアを叩き助け求めたか… 別の部屋のドアノブ過去に不具合で修理したことも【news23】
東京・赤坂の個室サウナ店で夫婦が亡くなった火事。夫の両手には皮下出血があったことが新たにわかりました。サウナ室のドアには叩いたような跡があり、懸命に助けを求めたと見られています。
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夫婦はまだ30代、数年前に子どもが生まれたばかりです。今週月曜日、東京・赤坂にある個室サウナ店で美容室を経営する松田政也さん(36)と、妻の陽子さん(37)が死亡した火事。18日、都内で通夜が営まれました。
サウナ室のドアノブが外れ、2人は閉じ込められたとみられていますが、18日夜、news23の取材で、別の部屋のドアノブにも不具合があり、修理が行われていたことが新たにわかりました。
店の関係者
「修理は従業員ではなく、外部の業者が行った」
火事があった部屋で何が起こったか、詳しいことはまだわかっていません。ただ、現場の状況から政也さんが妻を守ろうとしたとみられることが明らかになりました。
捜査関係者によりますと、2人を発見したとき、政也さんが陽子さんの上に覆いかぶさる状態だったのです。
政也さんの友人
「めちゃくちゃ愛妻家だったと思うので、少ない休みの時間に奥様と一緒にいる時間っていうのが本当に励みになって。ご家族を非常に大切にしながら、仕事も一生懸命」
「年末まで最後頑張ろうという気持ちでいた中での、本当に休日の楽しみだったのかな。本当に気の毒でならない」
これは番組が入手した店内の映像。入るとすぐ休憩室で、棚には、くしなどがあります。その下の冷蔵庫には水も。シャワー室には浴槽が、水風呂でしょうか。その隣にあるのがサウナ室です。
そして、非常ボタンでしょうか? 壁には、赤く四角いものが設置されています。
非常ボタンには押された形跡があったといいますが、事務室に置かれた受信盤の電源はオフに。店のオーナーは…
サウナ店のオーナー
「2年前ごろから電源を入れたことがない」
サウナ室に閉じ込められ、SOSも届かなかったのでしょうか。
必死に脱出を試みた形跡も見えてきました。捜査関係者への取材で、夫の政也さんの両手に皮下出血があったことがわかりました。外に懸命に助けを求めたとみられますが、ドアのガラスは熱や衝撃に強かったため割れることはなく、表面には“叩いたような跡”が残っていたということです。
夫婦の死因は不詳ですが、「焼死」または「高体温症」の可能性が高いとみられています。
一般的にサウナの室温は70度から90度が推奨されていますが、サウナで高体温症になった患者を診たことのある救命医は…
済生会横浜市東部病院 救急科 松本松圭 医師
「90度の温度で高湿度の環境だと、30分あったら体には相当なダメージがくると思う」
体の内部の体温があがり、「高体温症」のリスクが高まるといいます。
済生会横浜市東部病院 救急科 松本松圭 医師
「深部体温が40度を超えたら意識障害がまずきて、42度を超えると体の臓器障害が発生すると思います。もう元に戻らない脳の変化が起きて、死に至る」
「いつでも脱出できるっていう安全があるからこそサウナは楽しめるんですけど、今回、取っ手が取れて脱出できないっていうのは、非常に辛い話」
警視庁は業務上過失致死の疑いも視野に詳しく調べています。