猫にも『喜怒哀楽』の感情はあるの?それぞれの感情別サインや接し方のコツ

2026-01-29 11:00

私たちは、毎日のように喜んだり悲しんだりと、さまざまな感情を湧き出しながら暮らしています。また私たちの喜びや悲しみに、愛猫たちも寄り添うような様子を見せてくれることが多いです。猫たちも、私たちと同じように「喜怒哀楽」といった感情を持っているのでしょうか。動物行動学によりわかってきている知見を基に、猫の感情別サインや接し方のコツをまとめました。

猫の感情と人の感情の違い

愛おしそうに見つめ合う猫と少女

人と猫の脳は基本的に同じような構造をしていますが、発達している脳の部位が異なります。そのため、猫は将来を思って心を痛めたり、複雑な思考から生まれるような感情はなく、本能的な感情(情動)しか持たないと考えられています。

人と猫の感情の違いとしてよく知られているのが、「猫には”喜怒哀楽”の”哀”に相当する感情はない」という説です。人の哀しみ(悲しみ)は記憶や予測と結びついた意識的な感情にあたるためとか、厳しい野生の中で悲しんでいたら生きていけないからなどというのが主な理由のようです。

それでは、猫にはどのような感情があり、それをどのようなサインとして私たちに示しているのか、またそれを察した私たちは、猫にどのように接すれば良いのかを見ていきましょう。

猫の感情別サインと接し方のコツ

何かを興味津々に見つめる子猫

喜び

猫にとって、最も大切なのは「今この瞬間」だと考えられています。将来ではなく、今この瞬間に「本能的欲求」が満たされていることが、猫にとっての喜びなのだと考えられているのです。

中でも特に食欲は、狩りにつながる感情です。興奮で力が入り、ヒゲがピンと張りマズルをふくらませて笑顔のような表情を作ります。大きく見開いた目には多くの光が入り、キラキラ輝いて見えます。耳もピンと立ち、程よい緊張感が溢れているように見えます。

猫が喜んでいる時は、その喜びをできるだけ継続させてあげるようにしましょう。ただし、興奮のさせ過ぎは禁物です。パニックになったり、血圧や心拍数の上昇などで身体への負荷も高まるからです。必要に応じて、適宜クールダウンさせましょう。

警戒・不安・不快・怒り

猫は、とても警戒心の強い動物です。基本的には単独で暮らし、自分の縄張りの中で狩りをして生きていた野生の頃の習性が残っているためです。また、猫は体を拘束されることが苦手です。体を抑えられて歯磨きやブラッシングをされたり、動物病院で注射をされたりすることで、強い不快な感情も起きることでしょう。

基本的に、猫の”怒り”の出発点は、警戒や不安や不快感だと考えられています。警戒・不安・不快な感情を鎮められない状況が続くことで、猫は怒りの感情を露わにします。「猫は怖い」という方は、おそらく以前猫から威嚇された経験があるのでしょう。

鼻筋には深いシワを作り、警戒している時は低くて長い「ウーッ」という唸り声を、怒りを表す威嚇行動では「シャーッ」という高くて声にならないような声を出します。耳は後ろに反らせたり頭に沿うように倒し、大きく見開いた目は瞳孔を細長くして相手を凝視します。力んで毛を逆立てながら背を山並みにして体を大きく見せ、ピンとヒゲを持ち上げます。

猫の感情が怒りに達する前に、警戒や不安の原因を取り除きましょう。無闇に手を出すと攻撃されますので、刺激要因を取り除いたら、できるだけ静かに見守ってください。決して「うるさい」とか「静かにしなさい」などと叱りつけてはいけません。怒りの感情をエスカレートさせるだけです。

安心・愛おしい

不安要素がなく、静かで落ち着ける居心地の良い環境から引き出される、穏やかでポジティブな感情が、安心です。飼い猫の場合、安心できる環境にいることで気持ちが子猫気分に戻り、子猫が母猫に甘えるように、飼い主さんに対して愛おしい気持ちが湧き出して甘えてくることも多いです。

全身の力を抜き、目を細めたり喉をゴロゴロ鳴らしたり、毛布や飼い主さんの体の柔らかい部位などを前足でフミフミしたりします。少し高めの小声で短くニャッと鳴いたり、私たちには聞こえない非常に高い声で鳴いたりすることもあります。ヒゲや口元をダランとさせることも多く、フミフミをしながらヨダレを垂らしてしまう子も多いです。

安心している状態を続けられるようにしましょう。積極的に甘えてくる場合は、猫が喜ぶ部位を優しく撫でてあげると良いです。ただし様子を見て、猫の気持ちが切り替わる前に止めるタイミングを見つけることが、愛猫との仲をより深くするためのコツです。

楽しい

猫は好奇心も旺盛です。飼い主さんが買ってきたものを出しっぱなしにすると、「これ、何?」と期待で胸を躍らせながら、ニオイを嗅いだり前足で突いたりして確かめます。こういう時の猫はワクワクしていて、まさに楽しそうな様子に見えます。

ヒゲを興味の対象に向けてピンと張り、目は大きく見開きます。最初は細長かった瞳孔が、次第に開いて大きくてまんまるな黒目に変化します。また耳も対象物の方に向け、小刻みに動かします。ワクワク感が高まると心拍数も上がるため、ピンク色の鼻先が赤くなることもあります。

できるだけ、そのワクワク感が持続できるように配慮してあげましょう。抱きしめるなど、猫の行動を抑制するようなことは避け、危険要因がない限り猫の自由に行動させてあげましょう。

まとめ

飼い主に寄り添う猫

現在の動物行動学では、猫の感情は情動と呼ばれる本能的な感情がメインであり、物事を論理的に考えて未来を憂えたり心を痛めたりするような感情は持っていないと考えられています。

「私が泣いているとそばに来て慰めてくれる。猫も悲しい気持ちがあるに違いない」と感じている方もいるかもしれません。しかしその猫の行動は、いつもと違う飼い主さんの様子を不安に思い、確かめに来ているのだと考えられています。

ちょっとがっかりする説かもしれませんが、飼い主さんの異変に気付き、不安で様子を見にきてくれたということは、それだけ愛されているという証だとも考えられます。猫を擬人化し過ぎるのはよくありませんが、それでも愛猫からの愛情をしっかりと受け取り、コミュニケーションを深めていきたいですね。

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