スキークロスのエース・須貝龍が出国、前回わずか“第1関節差”の敗退から雪辱へ「1ミリでも先に」大ケガ乗り越え悲願のメダル狙う

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-02-01 17:46
スキークロスのエース・須貝龍が出国、前回わずか“第1関節差”の敗退から雪辱へ「1ミリでも先に」大ケガ乗り越え悲願のメダル狙う

2月6日に開幕するミラノ・コルティナオリンピック™。悲願のメダル獲得へ、フリースタイルスキー・男子スキークロス、五輪2大会連続出場となる須貝龍(34・チームクレブ)が1日、羽田空港からイタリアへ出発した。「前回の北京五輪で悔しい思いをして、それを晴らすための4年間だと思って競技に取り組んできました。見ていただいている皆さんに伝わるような滑りがしたい」と意気込んだ。

【競技日程一覧】ミラノ・コルティナ冬季五輪 開会式は2月6日にミラノで開催、前回大会は金メダル3個

空港では現地で観戦予定の家族も駆けつけ、4歳の次男・心琥(こはく)君からは「ダディー頑張ってね、大好き」と見送られた。

そんな日本代表のエース・須貝は静かに闘志を燃やしている。「オリンピックに向けて、ずっと目標にしてきた“メダル獲得”を実現したい。それが最大の目標です」と長年の想いを語る声には、揺るぎない決意がにじむ。2度目の夢舞台は2月21日に本番を迎える。

好調で迎えた五輪直前の大怪我

シーズン開幕前、昨年11月下旬〜12月上旬にかけて、須貝はスイスで武者修行。毎日2時間近くに及ぶ雪上練習でトレーニングを続け「レースを勝ち上がると疲労してくるので、その時に精度が落ちないでしっかり滑れるように、そういう練習をしています」とレース本番を想定した。

だが、12月19日に悲劇が襲った。イタリアで行われたW杯のレース中に転倒し「左足股関節脱臼」と「大腿骨頭骨折」、全治6か月の大ケガを負ってしまった。絶望と思われた五輪。転倒から1週間後、帰国して国内の病院を訪れると医師から「強度としてしっかり戻るのは3か月かかる」と診断された。それでも須貝は「どうしても五輪に復帰したい、その方向でやらせてもらいたい」と2カ月後に五輪が迫る中、須貝が下した決断は”手術をせずに保存療法で復帰”だった。

時速100キロ超、わずか“指一本分の差”で勝負が決まる世界

須貝が挑むスキークロスは、4人の選手が同時に約1㎞のコースを滑り抜け、コース内にはジャンプ、ウェーブ、バンクなどが設置されており、起伏が激しく、スピードそしてコース取りも勝敗を左右する。時には選手同士の接触による転倒、ジャンプでの着地失敗などで棄権する選手も多数。その迫力から“雪上の格闘技”と呼ばれることもある。

勝負は驚くほど繊細で、ゴールの順位が“指一本分”ほどの差で決まることも珍しくない。そのスリルとドラマこそがスキークロスの魅力で、2010年のバンクーバー五輪から正式競技となって以降、特にヨーロッパで高い人気を誇っている。

アルペンからの転向…きっかけは1本の電話

須貝はもともと高速系のアルペンスキーで五輪出場を目指していた。しかし、日本にはなかなか高速系のチームは存在せず、2018年平昌五輪の代表入りを逃した。高速系の種目を続けていた須貝に当時の全日本スキー連盟の競技本部長・皆川賢太郎さんから提案されて、2019年にスキークロスへ転向する。「当時、電話で転向を勧められたんですが、そもそもスキークロスという競技を知らなくて…(笑)」と振り返る。

初めて挑んだときは、ほかの選手と同時に滑り出すことに恐怖もあったという。それでも未知の競技へ一歩踏み出し「やってみたらすごく楽しくて。人と競う特性も、コース自体を滑るのも好きになって、今も続けています」と、新たな情熱を呼び起こした。

北京五輪で味わった“第1関節の差”

転向後に迎えた初の五輪は、2022年の北京大会。しかし、ゴール直前での接戦の末、写真判定で“第1関節ほどの差”に泣き、まさかの1回戦敗退。「手1個分くらいの差ならよくあるんですが、第1関節ほどの差は本当に少ない」と振り返る須貝。

「次こそは1ミリでも早くゴールへ飛び込みたい。勝ち上がる側になりたい」と悔しさを原動力に、再び世界の舞台へ。昨年3月の世界選手権では、この種目、日本勢としては初の表彰台入りとなる銅メダルを獲得。世界で戦う実力を確実に示している。2度目の五輪で悲願のメダルへ、雪面を切り裂くように走り抜ける。

  1. 【独自】2年ぶりの円安水準に 片山財務大臣と米ベッセント財務長官が緊急でオンライン会談 為替介入の可能性含めて対応を協議か
  2. 日本で逮捕…アジア最大級の国際犯罪組織「プリンス・グループ」最高幹部か フー・シー容疑者(44)ら3人 特殊詐欺・人身売買など関与疑いの組織
  3. 愛子さま「父からフルートの独奏を聞き逃さないように…」“日本フィル創立70周年記念演奏会”鑑賞
  4. 【独自】行方不明の5歳男児 父親が当時の状況語る「3分ほど目を離したら…」 温泉施設の窓から外に出て川に流された可能性も【news23】
  5. トランプ大統領肝いりの計画で大誤算!?「藻」が大量発生し塗装も剥がれる…リンカーン記念堂の「反射池」の改修工事でトラブル相次ぐ
  6. 戦後81年 沖縄「慰霊の日」 沖縄全戦没者追悼式「沖縄戦終焉の地」摩文仁の平和祈念公園で6月23日に開催
  7. 39年半ぶりの円安水準で輸入牛が高騰!“もう打つ手がない…”ステーキ店が「国産牛」に商機か
  8. イギリス・スターマー首相が辞意表明 与党労働党が“大敗”した先月の地方選挙以降求心力失う 後任候補の国政復帰で辞任圧力高まったか
  9. 北海道・旭川女子高校生転落死 内田梨瑚被告に「懲役27年」判決 法廷内に男が侵入し暴れ「報われねえぞ」「死刑だろ」一時休廷も
  10. バンス副大統領“イランはIAEAの査察受け入れに同意”スイスで記者会見
  11. イギリス・スターマー首相が辞意表明 与党・労働党の統一地方選での大敗、“エプスタイン氏と交友”前駐米大使の任命責任など問われる
  12. 日本ハム「シャウエッセン」や「彩りキッチン ロースハム」など220品目を値上げ 8月から順次