「線状降水帯直前予測」の運用が28日から開始 そもそも“呼びかけ”の精度はどのくらい?【Nスタ解説】
暑さと大雨に注意が必要な時期になってきました。線状降水帯発生の呼びかけの精度について詳しく見ていきます。
全国の週間予報 「足立の花火」は風も味方につけ今年こそ開催か?
井上貴博キャスター:
5月30日(土)に行われる「足立の花火」。過去2回とも中止になっていて、足立区役所には、てるてる坊主が大量に送られてきているそうです。
大会ポスターにも「何とか今年こそやってもらいたい」という願いが込められ、「立」の文字の下にてるてる坊主がいます。
坂口愛美 気象予報士:
5月26日(火)からの全国の週間予報をみると、低気圧や前線の影響で27日(水)から29日(金)ぐらいまでは広く雨となりますが、週末は広く晴れ間がありそうです。
東京もしっかり晴れマークとなっており、今のところ上空に寒気が流れ込む予想でもないため、晴れて気温が上がっても急な雷雨ということはおそらくないでしょう。
ただ、足立区をピンポイントでみてみると、少し南寄りの風が強まる可能性はあります。とはいえ、2025年に花火大会が中止になったときほどの風ではなさそうです。ちょっと風が吹いているぐらいのほうが煙が流れていくため、花火が見やすいともいわれています。
沖縄で今年全国初の線状降水帯…道路陥没の被害も
井上キャスター:
これから夏が早くやってきそうだということは、大雨の季節もやってきそうです。
実際、沖縄の23日(土)20時ごろの解析データをみてみると、帯状に強く雨が降っていることがわかります。これこそまさに「線状降水帯」ですが、沖縄で線状降水帯が発生するのは、例年このくらいの時期でしょうか?
坂口愛美 気象予報士:
梅雨時期や台風の季節が多いため、7月から9月、6月ぐらいから増え始めます。23日の線状降水帯は、まさに梅雨末期の大雨といってよく、今起きてもまったくおかしくはない状況でした。
井上キャスター:
解析データでは危険度の高い線状降水帯の実況値と予測値が表されており、この二つがほぼ合っていることから、日本の気象技術の高さが見て取れます。
実際に沖縄がどういう状況だったのか取材しました。23日午後7時58分、沖縄本島中南部で発生した線状降水帯は、2026年で全国初でした。1時間の最大雨量は沖縄市胡屋で73.0ミリ。北谷町では10mにわたり、のり面が崩れ、道路が陥没してしまうという被害も出ました。
線状降水帯発生の呼びかけ精度は? 情報が出た時点で大雨に警戒
ここからは、線状降水帯に絞ってお伝えしていきます。2022年度から2025年度まで、線状降水帯が何回発生したかという気象庁のデータをみてみましょう。
【線状降水帯 発生実績】(気象庁)
●2022年度:11回
●2023年度:23回
●2024年度:21回
●2025年度:17回
だいたい、単年度で20回前後発生していることがわかります。
このうち、線状降水帯発生予測情報が呼びかけられたのは▼2022年度が3回、▼2023年度が9回、▼2024年度が8回、▼2025年度が12回でした。2025年度の捕捉率は約71%と、精度が上がってきています。
一方、単年度で何回予測情報が出されたのかというと、80回以上出されています。2025年度の適中率は約14%となり、これだけ見ると低いと思われるかもしれませんが、その見方を変えていただきたいデータがあります。
2025年の線状降水帯の呼びかけ実績のデータでは、場所(都道府県)と、線状降水帯が実際に発生したかと、どのくらいの量の雨が降ったかが示されています。たとえば、約200ミリ降って線状降水帯が発生したときもあれば、発生しなかったときもあります。
実際に線状降水帯が発生したかどうかが問題というより、むしろ線状降水帯予測情報を出すことで、その段階でいかに危険か呼びかけていたのだといえるでしょう。この部分はすごく大事だと思います。
坂口愛美 気象予報士:
線状降水帯には、雲の形や3時間雨量などの定義があります。それも大事なのですが、「とにかく大雨になる」という予測でもあるため、予測情報が出た時点で十分に注意していただきたいと思います。
線状降水帯が発生しやすいのは夜? 寝る前に情報収集を
井上キャスター:
線状降水帯は、いつ出るイメージがあるでしょうか。2025年までの115回分のデータをみてみます。
【線状降水帯 時間帯にも注意】
●未明(午前0時~3時):17回
●明け方(午前3時~6時):23回
●朝(午前6時~9時):20回
●昼前(午前9時~午後0時):10回
●昼過ぎ(午後0時~3時):11回
●夕方(午後3時~6時):9回
●夜のはじめ(午後6時~9時):13回
●夜遅く(午後9時~午前0時):12回
※2025年までの115回分
※ウェザーマップ調べ(気象庁全般情報を基に作成)
圧倒的に明け方(23回)、朝(20回)、未明(17回)が多いことについて、坂口気象予報士は「夜になり気温が下がると水蒸気が増し、雨雲が発達しやすい」と解説しています。寝る前に判断しないといけないという難しさがあるようです。
坂口愛美 気象予報士:
暗い中での避難になってしまうと、また危険性が伴うため、早め早めの避難が大切です。
井上キャスター:
寝る前に判断するには、キキクルやレーダーなどの情報を見ることが大変重要です。
線状降水帯“直前予測”の運用開始へ 的中率は5割程度とも
井上キャスター:
判断するための情報を、気象庁は細分化して増やそうとしています。
坂口愛美 気象予報士:
28日(木)の午後から「線状降水帯直前予測」(避難検討)の運用が始まります。これは線状降水帯が発生する可能性が高まった際、発生の2~3時間前に通知するものです。的中率は5割程度といわれており、半日前予測よりも確度が高くなっています。
もし線状降水帯にならなくても、大雨になることは確実だと思って行動するようにしていただきたいと思います。
井上キャスター:
これまでにあった「半日前予測」(備え確認)は、基本的には都道府県単位で出されます。一方で今回運用が始まる直前予測は、たとえば神奈川県の北部など、もう少し絞った形で出されます。直前予測が出された段階で、大雨になるという危機感を高めていただければと思います。