長年続く“悪しき慣例”見直しへ…問題相次ぎ揺れる福岡県議会 高額費用の「海外視察」も第三者委員会で調査へ【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-07 21:49

様々な問題で揺れる福岡県議会。
新たな焦点とされるのが、高額な費用を使った「海外視察」のあり方についてです。相次ぐ問題を受け、長年続いてきた“悪しき慣例”に見直しの動きも広がっています。

【海外視察の様子】3年で総額約2億6500万円 宿泊費のほとんどが基準額超え

1泊16万9000円 基準額の6倍超 高額費用の「海外視察」実態が明らかに

南波雅俊キャスター:
8月6日、福岡県議会の「海外の活動報告書」が公開されました。

2023年度~2025年度で合計23件の費用総額が約2億6496万円。そのうち8割以上の宿泊費が県の基準額を超えていたということです。

最も高かったものが、2024年のフランスで議長が宿泊した16万9000円で、基準額の6倍超でした。

こういった事態に福岡県の服部誠太郎知事は「第三者委員会を設置し調査していく」ということです。

山内あゆキャスター:
福岡県議会では金銭授受の疑惑もあります。ここまでの一連の流れをどう見ていますか。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
福岡県議会が公表した「海外の活動報告書」をみると「こんなに行かなければいけないのか?」と思うくらいたくさん行っています。しかも1泊で16万ということで、野党も含め福岡県議会全体で客観的に見ることができていないと思いました。

県職員が私費でパーティー出席・政党機関紙を購入 なぜ“悪しき慣例”が?

南波キャスター:
長年続けられた慣例の見直しが始まっています。福岡県議会は、“悪しき慣例”を見直すため、議会改革プロジェクトチームを立ち上げました。

【福岡県議会 悪しき慣例】
・議員が入室する際は起立して挨拶。議員が着座するまで座らない
・議長・副議長の就任パーティーに幹部職員が自腹を切って出席
・視察時の見送り・出迎え(駅や空港など)
・議員へ新年の挨拶回り
・初盆を迎える議員の自宅など訪問
・政党機関紙を幹部職員が私費で購入
・議員連盟の活動で会場設営や昼食の手配・配膳を行う

日比麻音子キャスター:
このような慣例を見ると、いかに風通しが悪かったかというのが分かりますね。

国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
福岡県に限らないかもしれませんが、地方の議会・政治家の間でこのようなことが慣例になっていて、それをみんなが認めていたということですよね。

特に悪質なのは、県職員が私費でパーティーに出たり、政党機関紙を購入したりしていたことだと思います。

一般社会でもなくはないですよね。政治献金を会社幹部が自分のポケットマネーで出してやっていることも、実は一般企業にもあることだったりします。

このようなことは日本の政治全体の悪しき慣例で、それが凝縮して現れたのが福岡県議会だったということです。こういった“悪しき慣例”に対して、みんなが「おかしい」と言わなければいけないと思います。

「先生」呼び廃止の自治体も “悪しき慣例” 見直しの効果は?

南波キャスター:
こうした“悪しき慣例”に知事から指摘もありました。

福岡県の服部知事は、“幹部職員が県議の政治資金パーティーに組織的に参加”などという慣例に、「職員の意識の中に議会との関係を損ねてはいけないという漠然とした不安があったのでは」と話しました。

長年にわたる議会と執行部のいびつな関係の中で、形成された“悪しき慣例”は、職員の心理的・時間的な負担になったのではともみられています。

なぜ、いびつな関係になったのでしょうか。

元大津市長で弁護士の越直美さんは「執行部提出の議案審査・議決を行う議会の役割が行き過ぎて、議会が圧力をかける構図になってしまっている」と指摘しています。

さらに、福岡県の服部知事は7月14日、「議員たちに対する呼称は、先生はやめよう」とも話しています。

これについて、千葉県の熊谷俊人知事は7月30日、「一般の県民からすれば違和感があると思う。強制するつもりはないが、基本的には議員や県議と呼ぶべき」と話しています。

大阪府議会では2022年、議員の「先生」呼びを廃止しました。府議会事務局によると、現在は「〇〇議員」呼びが定着しているということです。

府議会事務局の担当者は「『先生』と呼ぶことで“議員が特別”というイメージを助長しかねない。廃止したことで心理的な上下関係は薄れた印象」と話しています。

弁護士の越直美さんは「条例などのルール作りをすることで、過度な忖度・配慮がなくなり議会に一定の歯止めがかかるのでは」と指摘しています。

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<プロフィール>
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 熊本出身
BS-TBS「報道1930」ニュース解説

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