愛猫がご飯を食べたがらない、口が臭い、よだれが増えたといった症状が見られる場合、もしかすると口内炎かもしれません。今回は猫の口内炎について、その症状と対処法、そして“不治の病”と呼ばれる理由について解説します。
猫の口内炎の主な症状3つ
ここでは、猫が口内炎になった場合の主な症状を3つご紹介します。
1.食欲不振
口内炎を患っている猫は、食欲が減ってしまうことが多いです。食べ物を口に入れると痛みを感じるため、ご飯を避けるようになります。
その結果、体重が減ってしまったり、栄養不足になることもあります。もし愛猫の食欲が急に落ちたと感じたら、まずは口の中をチェックしてみてください。
2.口臭
口内炎を持つ猫は、口臭が強くなることがあります。これは、口の中の炎症が原因で細菌が増えやすくなり、悪臭を放つようになるためです。
口臭が気になる場合は、単純な口内炎だけでなく、歯周病や内臓の病気の可能性もありますので、一度獣医さんに診てもらうのが安心です。
3.よだれが増える
猫が普段よりも多くのよだれを流している場合も、口内炎のサインかもしれません。痛みや不快感から口を頻繁(ひんぱん)に開け閉めしたり、口の内の炎症による刺激でよだれが増えてしまうのです。
よだれが多くなると、口周りが汚れやすくなり、さらに感染のリスクも高まります。そんな時も、早めに獣医さんに相談するのが良いでしょう。
口内炎の対処法
ここでは、猫の口内炎の対処法について詳しく解説します。具体的な対策を知ることで、猫ちゃんの健康を守り、快適な生活をサポートすることができるでしょう。
獣医の診察
まずは、何よりも獣医さんに診てもらうことが一番大切です。口内炎の診断が確定したら、抗生物質や痛み止めなどのお薬を処方されることが一般的です。
また、定期的な歯のケアも大切で、歯垢や歯石の除去を行うことで症状の悪化を防ぐことが期待できます。
フード選びの工夫
猫の口内炎の対策には、食事の選択も重要です。歯垢や歯石が口内炎の原因や悪化因子となることも多いため、これらがたまりにくいフードを選ぶことが大切です。
一般的に、ドライフードはウェットフードに比べて歯石がつきにくいとされています。特に、デンタルケアを目的としたフードを選ぶことで、歯垢の蓄積を防ぎ、口内環境を良好に保つことができます。
もちろん、持病がある猫や水をあまり飲まない猫にとってはウェットフードにもメリットがあるので、歯の状態と全身の状態を踏まえた上で食事内容を選択しましょう。
マウスケア用品の活用
猫の口内炎の対策には、口内環境を清潔に保つことが非常に効果的です。猫自身の性格にもよりますが、小さい頃から少しずつ口の中を触ることに慣れさせることで、歯磨きがしやすくなるなります。
シート状の歯磨き用品や指サック式の歯ブラシなど、さまざまなタイプのマウスケア用品を試して、猫に合ったものを見つけましょう。
猫の歯は鋭く口腔内細菌も多いため、噛むほど嫌がる場合は無理をしないようにしましょう。
口内炎が“不治の病”と呼ばれる理由は?
猫の口内炎が「不治の病」と言われる理由は、その根本的な治療が難しく、完全に治すことが困難だからです。
口内炎は口腔内に炎症を引き起こすもので、猫種や年齢を問わず、全ての猫に口内炎ができる可能性があります。
猫の難治性の口内炎の多くは原因不明ですが、原因と考えられるものも多岐にわたります。感染症や腎不全、糖尿病、歯周病などの疾患が原因でできることもあれば、口腔内に傷を負ったことや口腔内の衛生状態が悪いことが原因で引き起こされることもあります。
具体的な治療法は症状や原因によりますが、感染に対する抗生剤やインターフェロン、炎症や痛みを抑えるためのステロイド剤、消炎鎮痛剤、免疫抑制剤などを投与することが多いです。
しかし、これらの治療は症状を緩和し、生活の質を改善することを目指すもので、病気そのものを根本から治すものではありません。
重症な場合や歯周病を伴う場合は、抜歯をするなど麻酔をかけての治療も考慮されます。ただしこれらの治療効果も絶対ではなく、たとえ全臼歯抜歯をしたとしても完治しないケースも多く存在します。
まとめ
猫の口内炎は一度かかってしまうと完治が難しくなります。食欲不振、口臭、よだれの増加といった症状が見られたら、すぐに獣医さんに相談してください。
原因不明な口内炎も多く、絶対的な予防法が存在するわけではありませんが、日常的なケアを怠らないことが、愛猫の健康を守るために重要です。
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