大谷翔平 ゲームでも規格外“50-50”仕様に「これぞ、大谷だよね」再現へ専用特殊能力も【ゲーム制作者に聞いた】

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2024-10-01 22:47
大谷翔平 ゲームでも規格外“50-50”仕様に「これぞ、大谷だよね」再現へ専用特殊能力も【ゲーム制作者に聞いた】

レギュラーシーズン終了も、日本、そして全米で空前の“オオタニサンフィーバー”が続く。その影響は、なんとゲームの世界にも!盗塁能力の大幅な向上に、打撃能力も上限を超えてしまうため新たな機能の導入まで…株式会社コナミデジタルエンタテインメント・選手データ統括の清水香介さんを直撃した。
 シーズン終盤に差し掛かり、想像を超えた50本塁打、50盗塁の【50-50】を超えるという活躍に、シーズン直後に大谷選手が登場するゲームをリリースする制作者はギリギリの最終調整に挑んでいた。ゲームの世界でも規格外の大谷選手はどのように再現されるのか? 

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規格外「本当に今までにいなかった野球選手」

Q:大谷選手の50-50を超える、とてつもない活躍をどう受け取っている?
清水香介さん:

正直、我々の想像の遥か上を常に歩き続けられているので、ゲームの中でも大谷選手に登場して頂いてはいるのですが、ゲームの中の成績が現実の大谷さんに追いつくというのに、常に切磋琢磨してるような感じの所がある。
 我々も「本当に今までにいなかった野球選手」だなっていうのは、ゲームで選手の能力を付けている面から見ても、もう規格外の選手だなっていうのは、“常々”感じている所ではあります。

Q:ゲーム上で大谷選手の能力を反映する際の苦労する部分とは
清水:

実際、日本のプロ野球を我々「プロ野球スピリッツA(エース)」だったり、「パワフルプロ野球」だったりという所で出させて頂いているが、大谷選手は今、MLBで活躍されていて単純に日本の野球とMLBの野球と単純比較というのは出来ない所はあると思う。
 それを一つのゲームの中で共存させるとなった時にどういったバランスを取るのかっていう所がまず一つ、難しい所だと思っています。

実際の成績を反映すると<ゲームの上限>に達してしまう

清水:
…後は、大谷選手が実際に残されている成績をそのまま能力に反映してしまうと、いわゆる、ゲームで言う所の、ゲームの能力の上限にまで達してしまう所があるのです。今、その上限を設定してしまうとですね、まだまだ、大谷選手がこれからも成績をドンドン伸ばして行く可能性が大いにあると思ってますので、まだまだこれが最後じゃないというか、まだまだ伸びしろがあるという所で我々も、どこまでの能力を設定したらいいのか…
 日々、かなり難しいなと、頭を悩ませていますが、如何に“大谷選手をゲームの中に表現できるか”を試行錯誤するのは、嬉しい悩みというか、ゲーム制作者として、やりがいをすごく感じている所ではありますね。
 まだ大谷選手30歳迎えられた所ではありますけれども、年々成績が上がっている所もあると思いますので、まだまだ【これから】我々をワクワクさせてくれるんじゃないかなという期待で日々、野球を見守らせて頂いてます。

大谷の功績 “二刀流”はゲームでも“当然”に

Q:野球ゲームの歴史で大谷選手が登場した当時、「二刀流」は衝撃的だったのか?
清水:

正直、(当時は衝撃は)なかった…やはり、当時から大谷選手は“メジャーリーグ”志向という所と“二刀流”志向という所をずっとおっしゃられていたので、まだ当時は、<ゲームの世界>みたいな形で我々も捉えていた。もちろん、チャレンジされるという所でゲームの中では、そういったどちらも出来るっていう所は対応はしていた。
 (それが)まさかここまでの活躍を見せて、ピッチャーとバッターをやる“二刀流”というのは、“もう当然”であるというような所まで世の中の認識を変えられたのは、すごく大きな大谷選手の功績になってるかなと、思います。
 逆に“二刀流”が、もうゲームの中では当然、出来るものだという認識を皆さん、ユーザーの皆さんが持たれている。そこはかなり(ゲーム制作側としても)大谷選手もゲームの中で再現出来るし、弊社だと、パワフルプロ野球のサクセスモード等で、選手を自由に作れるというので大谷選手のように“二刀流”で活躍出来る選手が作れなきゃいけないという所は意識して、日々、ゲームのバランス等々を取ってたりはします。

大谷選手のイメージ像に近づける調整とは

Q:大谷選手の影響は野球界だけではなく、ゲームの世界にも波及している?
清水:

まさにいわゆる大谷ルールと呼ばれるものも実際に野球を変えてしまった所もあるんですけども、それが実際の影響が変わった事に応じて、ゲームの側でも、それに対応出来るようにと。先ほどのサクセスモードの話ですけど、元々やはり、ピッチャーもバッターもトップの成績を残せるような選手を作るっていうのは、元々、想定になかった所ではあります。そういったバランスを取るのはこれまでになかった所だったのでそういった所の対応は行ってはいますね。

Q:今回、大谷選手をゲームに実装する中で気を付けた点は?
清水:

やはり大谷選手、実際にものすごい成績を収めいるが、それをゲームの中のキャラクター、ゲームの中で再現した時にどういう能力を設定すれば、ユーザーの皆さんがイメージしてる大谷選手の像に近づくかという所を、やはりかなり慎重に調整はさせて頂きました。
 もちろん、見た目の所もですね。特に“プロ野球スピリッツ”ですと、今作はかなりグラフィックにも力が入って、より今までよりも大谷選手に似せているという所は、かなり意識して作成しましたので、是非、そこは楽しみにして頂きたいです。

“一筋縄ではない” 盗塁能力の向上

Q:大谷選手の盗塁数、成功率も上がっての対応は苦労したのでは?
清水:

まさに今年、球団が変わったのもありますし、メジャーリーグのルールが変わってきた所も大きいとは思うんですけれども、今年、90%以上の成功率を誇られている。これまではずっと70%ちょっとぐらいの成功率だったという所で、本来、大谷選手は、【走力】もゲームの中ではB評価ぐらいの、かなり速い方の設定はさせて頂いたのですけど、その割に成功率としてあまり高くなかったいう所がずっとあった。そこを踏まえて、元々はC評価というような所をさせて頂いていた。
 今年、特に後半戦ぐらいからかなり実際の盗塁の数も急激に伸びてきて、世の中のユーザーの方が見る大谷選手のイメージが盗塁をドンドンする選手だ、という風に変わってきたと思うので、皆さんのイメージする大谷選手像を再現するに当たっては、やはりCよりはもっと上げていかなければいけないという所と、先ほどの成功率9割以上という所を加味しまして今回改めて、能力の再設定という所を行ってから、今回からA評価という所にさせていただいたという経緯はあります。

Q:足の速さと盗塁の上手さはゲーム上の表現としてはどういうような形に
清水:

盗塁の能力と走塁の能力とゲームの中では分けて設定させて頂いてはいるんですけど、盗塁能力にが高いという所だと盗塁の時のスタートのスピードが速いっていう所の能力になる。走力というのは、やはりベースランニングのスピードという所が能力に反映されているという所にはなります。
 まぁ、盗塁・走力が同じBだったとしても、盗塁能力によってスタート、盗塁の時のスタートのスピードを、初速のスピードがかなり変わってくる所にはなる。今回、【大谷選手も急に足が速くなった訳ではない】とは思ってますけども、なぜ盗塁が増えたのか、となると、やはりその判断、その盗塁のスタートを切る判断だったり、相手の癖を読んだりという所でそういった所が今回の今年の大谷選手の盗塁の数の増加に繋がっているという風に考えております。そういった所で盗塁の能力を上げる事で走力はそれほど変えてはないのですけど、盗塁の能力を上げる事で大谷選手のイメージに近づくようにという所で今回設定させていただきました。

大谷選手 専用能力【高速弾】とは?

Q:さらに大谷選手らしい能力はありますか?
清水:

ゲームの中では打球の飛び方という【弾道】と呼んでいるものが、能力としてパラメータとしてはある。それが大谷選手に関しても“アーチスト”と呼ばれる種類のものになっていって、かなり高い角度でいい角度のいわゆるホームランアーチストと呼ばれるような人達に付くような能力がついています。かなり、ホームランは打ちやすいんじゃないかなという所は、再現してる所もあります。
 あとは今回、ゲームに搭載してる所ではですね、選手の覚醒っていう機能が付いてはいるんですけれども、それで覚醒した大谷選手には【高速弾】という能力が付いていて、打球速度がすごく上がり、よく大谷選手、テレビ中継でも打球速度が今回、何キロでしたっていうようなお話でかなりメジャーでも、トップの打球速度が記録されているのでそういった所を反映した大谷選手専用の能力には、なっている。【高速弾】というものが、あの覚醒をすると付くっていうようなものも、ゲームの中にも入ってたりします。

日々、大谷選手の特殊能力を考える

Q:もう専用能力を作らないと収まらないような選手に…
清水:

もう単純にパワーとスピードだけではやはりもう表現仕切れなくてですね。これまでもずっと弊社の野球タイトルでは選手の個性を出すためにそういう特殊能力っていうものをずっと採用してきて、それをいろんな選手にその選手特有のものっていうのを付けてきてはいたのですけれども、やはり大谷選手も何かしらの特殊能力を付けて、専用のものを付けていかないと実際の現実で残されてる成績っていうのはゲーム中でも再現出来ないな…という所で、あの日々どういう能力がいいんだろうっていう所は考えております。

大谷選手の“伸びしろ”のため【あえて】能力は抑える

Q:開発者泣かせな点はまだあるのか?
清水:

本当にどこまで成績を伸ばすのかがわからない。まだまだ上が伸びしろがどこまであるのかわからないという所で、大体ゲームの中で選手の能力付ける時は大体この選手、この辺りが上限だろうっていう所を見定めて、調子の波はあれこそ、この辺りがこの選手の能力だよねっていうのを踏まえて、能力設定をするのですけれども、そこを大谷選手は軽々と越えられるので、今回、今作ではパワーSの【95】という所を付けさせては頂いている。
 だけど本当はおそらくもっと、今年残されてる成績だけを考えるともっと高い能力でもおかしくはないと思うんですけれども、今、仮に【99】みたいな能力を付けてしまうとそれ以上ゲームの中で伸びしろがなくなってしまいます。そういった所で、【あえて】ちょっと抑えているという所もあるんです。
 遊んでくださってるユーザーの皆さんからすると、少し、もっと高いんじゃないのって思われるかもしれないが、まだ、もちろん高いのは理解はしつつも、もっともっと大谷選手は成績を伸ばしてくれるだろうという期待で少し、【あえて】抑えているというような所があります。

「これぞ、大谷だよね」を再現する

Q:なかなか大変ですよね。
清水:

(思わず笑ってしまう)
大谷選手自体は弊社のパワプロシリーズだとプロスピシリーズに定期的に登場はされてはいるので常にあの能力っていうのは追いかけてはいるんですけども、今作の“プロ野球スピリッツ2024-2025”に搭載される事が決まった時点でもう既に追いかけ始めていまして、今作の大谷選手をどういう能力にしようという所を常に話し合っているような形です。
 あとは発売日に合わせて、最終的な調整を行ったりっていう所でまさに今回、盗塁が強くなったというのがそういった所の調整が入ったという感じ、です。

Q:やはりギリギリまで開発者泣かせだが、やりがいもある?
清水:

本当に世の中のいう皆さんが思っていらっしゃる大谷選手、「これぞ、大谷だよね」っていう思って頂けるようなものをゲームの中で再現するっていうのはやりがいをすごく感じます。 まだまだ大谷選手が伸びていかれると思うので、どんな形で今後ゲームに登場させる事が出来るのかというのはプレッシャーでもある反面、すごく楽しみな所だなと、思ってます。

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