シリーズでお伝えしているアメリカ大統領選挙の「激戦州の現場から」。ハリケーンによる被害が投票行動に影響を及ぼすのでしょうか。先月末の巨大ハリケーンで最も被害を受けた州を取材しました。
【動画】ハリケーンによる被害が投票行動に影響を及ぼすのか 被災地に広がる懸念は アメリカ大統領選【激戦州の現場から】
ノースカロライナ州アッシュビル。先月、アメリカ南部を襲い、230人以上の死者を出したハリケーン「ヘリーン」で最も大きな被害を受けた町です。山あいの町を濁流が襲い、一帯で40人が亡くなりました。
この町で28年間、アーティストとして生計を立ててきたウエストさん。
被災したアーティスト スーザン・ウエストさん
「屋根に少しかかるところまで水に浸かっていたわ」
1階の店舗部分はすべて浸水。店の再開には2年はかかると考えています。
被災したアーティスト スーザン・ウエストさん
「こんな災害は初めてです。気候変動の影響だと思います。気候変動は科学的に正しいと認識することが(投票の際に)大切だと思います」
被災地の人々は大統領選挙に強い関心を寄せています。
住民
「民衆のために尽くしてくれる人に投票します。気候問題に取り組んでくれることも大切です」
「中産階級を少しでも助けようとしてくれる人がいいです」
ただ、投票をめぐって大きな懸念が。
記者
「投票所として使用される予定だったところが支援物資を配る場所となっています」
14の投票所のうち、4か所が使えなくなる見込みです。
被災した人の中には、身分証をなくした人も多く、投票に向け再発行を急ピッチで進めています。
選挙事務所担当者
「急いで投票の計画を変更しました。全ての人が投票に来て欲しいです」
ノースカロライナ州の1割以上の郡が投票で特別な対応を実施。投票率の低下を防ごうとしていますが、最新の調査で、両候補の支持率の差はわずか0.6ポイントで、被災した町での投票率が選挙結果に影響するのではないかとの懸念が出ています。
こうした中、ハリス氏、トランプ氏は被災地に入り、支援のメッセージを出していますが、ある問題をめぐり応酬が…
トランプ氏
「バイデン政権は民主党が強い地域にばかり災害資金を投入している」
トランプ氏は災害対策の資金が正しく使われていないと批判。
これに対してハリス氏は…
ハリス副大統領
「トランプ氏から多くの誤った情報が発信されていて無責任極まりないです」
こうしたやり取りに被災したウエストさんは。
被災したアーティスト スーザン・ウエストさん
「ここへ駆けつけてくれた人は初めて会う人を救うために命をかけています。誤った情報を流して被災地に首を突っ込む政治家は許せません」
被災した人々に両候補はどのようなメッセージを届けられるのでしょうか?