衆院選“12日間の選挙戦”スタート 各党が訴えたことは? 町中華店主・子育て世代・学生・地方…それぞれの争点は? 注目の「3つの数字」【news23】

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2024-10-16 13:47

衆議院選挙が公示され、27日の投開票に向けた短期決戦がスタート。皆さんが考える争点は何でしょうか?子育て世代や大学生、町中華の店主など各地で聞きました。

【写真を見る】各党が訴えたことは?

値上げに来店客も理解 店主が政治に求めること

創業1912年、東京・御茶ノ水の町中華「味の萬楽」で、店を切り盛りしている4代目店主の古室真由実さんは、仕入れ値の高騰で頭を悩ませているといいます。

「メンマ」や「干し貝柱」など、輸入食材の価格がこれまでの2倍近くになっているそうです。

味の萬楽 女将 古室真由実さん(44)
「これがないとうちの味は決まらない。だから我慢して」

2024年7月には、ラーメンを750円から850円(100円値上げ)に、チャーシューメンを1100円から1250円(150円値上げ)に、値上げしました。

味の萬楽 女将 古室真由実さん
「(今後も)50円ずつ上げていかないと難しくなるかなと。どこまで踏ん張れるか、頑張りどころかなと思う」

来店客も値上げに理解を示します。

来店客(40代)
「お客さんも厳しいでしょうし、お店側も厳しいんじゃないですかね。両方が満足するような環境じゃないのは確かだなと」

コロナ禍を乗り越えた先の物価高。古室さんが政治に求めることは…

味の萬楽 女将 古室真由実さん
「ちゃんとしたお金の使い方、税金なので。(税金を)払っている人たちが損をしない、“バカを見ない”使い方をしてもらいたい」

選挙戦スタート 有権者にとっての争点は?

10月15日、12日間にわたる選挙戦がスタートしました。

Q.あなたにとっての争点は?

1歳の子を持つ 会社員(育休中・20代)
「子育て対策。子育て世帯のママさんも無理なく、子どもにも無理なく働ける制度があったら」

1歳の子を持つ 医療系(育休中・30代)
「産む前に働いてきたのとまったく同じにはどうしても働けないので、(キャリアを)諦めなきゃいけないところはある」

大学生(20代)
「時給が低い。もっと上がってくれないかなと、ずっと思ってます」

大学生(20代)
「時給を上げるなら103万円の壁もなくなってほしい」

年金受給者(70代)
「年金をもうちょっと増やしてほしい。今まで働いて貯めたお金を、少しずつ崩して生活している」

自営業(60代)
「地方が疲弊しているので、なんとか地方にも力を入れて、日本全国平等に繫栄するようになれば」

男性
「被災した能登をちゃんと考えてくれる人に、国会に行ってもらって、能登の復興のために尽力してほしい」

選挙戦初日 各党の訴えは

有権者の声にどう答えるか。各党が全国で訴えました。

自民党 石破茂 総裁
「私たちは必ずもう一度新しい日本を作っていく。今まで日本の経済は、コストカット型。いかにして働く人の給料を抑えるか。私たちはそのような経済を根本的に改めていく」

公明党 石井啓一 代表
「今までと同じ従業員の数でも、モノを多く生産できたり、あるいは多くのサービスを提供できたり、国がしっかり支援をして、持続的な給料の引き上げを必ず実現させる」

立憲民主党 野田佳彦 代表
「大きな企業のためにはすぐ動く。でも献金払えないような人たち、能登の被災地のみなさん、人権の問題にかかわっているようなこと、格差で困っている人たち、そのための政治はまったく何もやろうとしない。一人一人と向き合う政治を実現しないといけない」

日本維新の会 馬場伸幸 代表
「政府、自民党がやっている、どんどん国民に負担を押し付けてくる政治を選ぶか、維新の会がやってきた身を切る改革、徹底的にやりましょう」

共産党 田村智子 委員長
「株価が上がれば賃金に回る。暮らし・経済が良くなると言われ続け約12年。みなさんそうなりましたか。まったくなっていない。自民党政治の大元を変えて、人間を大切にする経済に変えていきましょう」

国民民主党 玉木雄一郎 代表
「『103万円の壁』を崩したい。103万円を178万円まで上げます。税金の支払いを気にすることなく、もっと稼げる。もっと働ける。もっと所得が増える」

れいわ新選組 櫛渕万里 共同代表
「先進国で30年も不況が続いているのは日本だけ。間違った経済政策を、この30年実行してきたから。少なくとも消費税の減税、季節ごとの現金給付、社会保険料の引き下げ、この3つをしっかり求め、国民生活を救っていく」

社民党 福島みずほ 党首
「苦しいという声を聞かない。少数者の声に耳を傾けない。そんな自民党政治よ、さようなら。社民党が作りたいのは安心して働き続け、望めば子どもを産み育て、安心して年を取ることができる社会」

参政党 神谷宗幣 代表
「国の礎は国民。国民が飢えて国家が守れることはない。無税国家にしろとは言っていない。ただ、何年間かぐらい国債を多めに発行して、減税していけばいい。それで国内経済回るようにしましょう」

「過半数の目標、今回はシビアな数字」衆議院選挙の注目ポイント

藤森祥平キャスター:
15日、衆議院選挙が公示されました。「56議席」が注目されています。自民・公明の与党にとって、解散したときの勢力に比べて56議席以上を失うと、「過半数の233」を割る数字です。つまり、与党の勝敗ラインになっています。

【衆議院 解散時勢力】
・自民党 256議席
・公明党 32議席
・立憲民主党 98議席
・日本維新の会 40議席
・共産党 10議席
・国民民主党 7議席
・れいわ新選組 3議席
・教育無償化を実現する会 4議席
・社民党 1議席
・無所属 14議席
※過半数:233議席

TBS岩田政治部長は「与党で過半数の目標は、これまでも自民が掲げてきたが、今回はシビアな数字になっている」としています。

続いては「52の選挙区」についてです。共同通信によると、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の4つの野党と与党候補が、今回、一騎打ちの形でぶつかる選挙区の数です。野党側にしてみれば、候補が一本化されれば票がばらけずに与党と戦うことができる数字になっています。

2021年の衆議院選挙では、野党が一本化した選挙区は217でした。これほどまで数字が届かない理由について、TBS岩田政治部長は「各野党も生き残りに懸命。他党に譲る余裕はない」とみています。

また、直近4回の衆院選の投票率は60%以下でした。2009年、自民党から民主党(当時)に政権交代したときの投票率は69.28%でした。その後、2012年は59.32%、2014年は52.66%、2017年は53.68%、2021年は55.93%と、近年は50%台前半が続いています。(総務省ホームページより)

TBS岩田政治部長によると、「6割を超えるのは、無党派層の票が増えることを表す。結果がどうなるか全く読めない」ということです。

「抽象的なことではなく、具体的なことを」小説家 真山仁さんが気になる政策は

小説家 真山仁さん:
演説を聞いていると、抽象的で勇ましいのですが、批判ばかりしてますよね。約4年間、これから未来のことを誰に託すかを有権者は考えます。抽象的なことではなく、具体的なことを、未来として予想を描いてほしいわけです。

最近の選挙の争点は、みんなが潰し合っていて、一体どこがいいのか全然わからなくなってしまっているところもあると思います。

さらに、国会議員の役割は、時代に合わせて法律を作ったり、予算の配分を変えたりすることだと思います。時代とともに国会議員が変わっている印象は全然出てこないと感じます。ずっと誰かの悪口を言って、ずっと抽象的な「任せてください。我々が引っ張ります」と。

例えば、新たに何かを増やすと言っても「財源どうするのか」と言った瞬間に、誰も答えてくれない。こんなことで大丈夫なのか、今回は特に心配です。

小川彩佳キャスター:
具体的で現実的な未来がなかなか見えてこないというところがあるんでしょうか。

小説家 真山仁さん:
投票している意味をみんなが考えているかですよね。もともと、日本の国会議員は誰がなっても同じというイメージがあると思います。

今回、際立って「この候補者・政党でないといけない」というのは全く感じません。投票率が60%を超えるのは幻想ではないかという気がします。

小川キャスター:
今回、真山さんが気になる政策はありますか。

小説家 真山仁さん:
最近、中国が台湾周辺で軍事演習をやっていますよね。さらに、いま、世界中で紛争があります。少し前まで、日本も防衛費を何とかしないといけない、自分の国は自分たちで守らなければいけないと言っていました。

それは考えないといけないことですが、そこも財源どうするのかと。国債発行すればいいと言いますが、初めて「増税」が大きなテーマになったと思います。ただ、選挙で増税の話をする人は誰もいません。無責任じゃないかなと思います。

そういうところまで踏み込んで、国のことを考えましょうという政党が1つぐらいあってもいいと思います。

藤森キャスター:
財源をどこから持ってくるか、いつまでにやるのか、具体的な数字をもう少しリアルに伝えてもらわないと、いい話ばかりですよね。

小川キャスター:
私たちにとって、政治家自身にとって、耳当たりの悪い不都合な事実をどれだけ語るのか、ここも1つの注目のポイントかもしれないですね。

小説家 真山仁さん:
選挙が終わると、みんなが忘れてしまうのはやめてほしいですよね。

総選挙について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『総選挙』について「みんなの声」を募集しました。

Q.今月27日に投開票 衆院選どれほど関心がある?

「大いにある」…60.9%
「ある」…25.9%
「あまりない」…7.9%
「ない」…4.8%
「その他・わからない」…0.4%

※10月15日午後11時09時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは16日午前8時で終了しました。

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