2016年に妻を殺害したとして殺人の罪に問われている講談社元社員のやり直しの裁判で、東京高裁はさきほど、被告側の控訴を棄却し、元社員に懲役11年の判決を言い渡しました。
講談社の元社員・朴鐘顕被告(48)は2016年8月、都内の自宅で妻(当時38)を殺害した罪に問われていますが、「妻は産後うつで自殺した」として、一貫して無罪を主張していました。
1審と2審は懲役11年の判決でしたが、最高裁はおととし、裁判のやり直しを命じていました。
これまで、検察側は朴被告が寝室で妻の首を絞めて殺害し、転落死を装うために階段から突き落としたと主張。
一方、朴被告側は妻が包丁を持ち出したためもみ合いになり、朴被告が別の部屋に逃げたところ、その後、階段の下で妻は自殺していたと主張していました。
朴被告側の主張について、東京高裁はきょうの判決で「自宅における自殺の仕方として奇異というほかない」「被告人の供述は信用性に欠ける」と指摘。「差し戻し前の2審の判決は不合理ではない」として、朴被告側の控訴を棄却し、改めて懲役11年の判決を言い渡しました。
主文が言い渡された直後、朴被告は驚いた様子で「この国に裁判はないことになってしまいます」と大声を上げました。