熊本地震「車中泊」は避難者数に含まれず…見えない現実と被災自治体の負担減らす「代理寄付」の広がり【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-10 20:52

最大震度7を観測した熊本地震が発生してから、11日で2週間です。
八代市でもボランティアの受付が始まりましたが、生活再建に向けてはまだまだ多くの課題が山積みです。

【写真で見る】「これが震度7の威力なのかなと」熊本地震 農業やメダカ養殖への打撃も

避難人数は減少傾向も…“車中泊”での避難は数字に表れず

井上貴博キャスター:
気象庁が10日、新たにデータを発表しました。

10日午前10時現在、震度1以上を観測した地震は590回ありました。余震活動は回数としては減ってきていますが、揺れが強かった地域の皆さんに対しては今後1か月程度、最大震度5弱程度以上の地震に注意してくださいという旨が発表されています。

【午後2時現在】
▼人的被害:211人(死者39人)
▼住宅被害:2万1815棟
▼断水戸数:3万4040戸(1週間前は約4万4000戸)
▼避難:6108人(1週間前のデータは約8500人)

断水は、徐々にではありますが解消しつつあります。

避難人数も減りつつありますが、発表されている人数は指定されている避難所に身を寄せている方のみの人数になります。そのため、「車中泊」などは避難者数に含まれていません。

【10年前の熊本地震】(熊本県の調査より 避難した人2297人が回答)
▼“車中泊での避難経験”:68.3%
▼避難生活が1か月以上続いた人の中で、最も長く避難した場所が「車中泊」と答えた人:31.7%

今回の地震でも、プライバシーなどの観点から車中泊を余儀なくされている方もいらっしゃいます。

これからまだ先も見えないなかで、避難されている方や被災された方はメンタルとどう向き合えばいいのか、何かヒントはありますか?

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
先が見えないというのは、私たち人間にとってとてもストレスなことです。「これがストレスだ」と目の前にわかりやすい事実があるだけでも、実はまったく違います。

今日何をするのがよいのかわからない状態は、心身の健康が前提にあっても、私たちにとって大きなストレス(不快なもの)となります。

大変な状況ではありますが、たとえば「今日はここの周りだけを掃除する」「今日はこの人とお話をする」など、その日のチェックリストを作ることで、意識を違うところに向けることができます。

夜になって「できなかったこと」を数えるのではなく、「その日できた小さいこと」をチェックする行動は、意識を違うところに向けるという意味で心の健康にとって大切になります。

被災自治体への「代理寄付」広がる 職員の業務負担の軽減に

井上キャスター:
私たちができる支援として、次のような動きが広がっています。

【災害緊急支援寄付】(ふるさと納税サイト「さとふる」)
返礼品を受け取らず、災害支援金として寄付するもので、全額が被災した自治体へと送られます。

▼寄付総額(10日午後4時半時点)
熊本県内の18自治体
3億4633万4595円

また、被災自治体の負担軽減のため、全国75自治体が代理寄付を受け付けています。

たとえば宮城県石巻市は、八代市の代理寄付を受け付けています。2011年の東日本大震災で八代市が石巻市をバックアップしたことを機に、2012年、お互い何かあったときは手を携えてやっていこうという「災害時相互応援協定」を締結したそうです。

石巻市の担当者は、「猛暑の中での被災は石巻には経験がなく、理解できる部分は少ないかもしれないが、代行することで八代市職員の業務負担が軽くなり、その分復興に注力してもらえるのでは」と話していました。

冬場の予約もキャンセル…被害少ない観光地にも影響が

井上キャスター:
今回は熊本で起きた「熊本地震」と括られますが、地域によって被害の濃淡は比較的大きいです。地震による被害が少ない観光地にも、大きな影響が及んでいます。

【阿蘇市】(阿蘇市観光協会によると)
▼宿泊キャンセル:約2万5000人分
▼損害:約3億5000万円
(8月6日まで)

【天草市】
天草市観光振興課 担当者
「肌感覚では8~9割のキャンセル。新規予約もないため支援を検討していく」

先々の冬場のキャンセルも出てきているということです。被災地への直接的な支援と、観光を通じた経済支援の両輪が大切なのだろうと感じます。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
「ここは大丈夫です」「ここは被災地からこれだけ離れています」という事実を知ることができるのは、SNSやインターネットのいいところです。その事実をもとに行ける人たちが観光に行くことは、一つの大きな支援になると思います。

================
<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 心理コンサルティング
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰

記事全文を読む
  1. 西ヨーロッパ 6月と7月「2か月間の平均気温」が観測史上最高 パリで40℃超 各地で山火事や川の水位低下が深刻化
  2. 高市総理がオマーン国王と電話会談 ホルムズ海峡の通航について「自由で安全な航行が一刻も早く回復されることが重要」
  3. 「違和感があった」琵琶湖三市花火大会が突如中止に 許可申請すら未提出…返金対応も不透明な実態【Nスタ解説】
  4. ロシア中部の産業施設などに大規模攻撃 子ども含む13人死亡70人以上けが ウクライナ軍のドローン攻撃
  5. 「新たな現金給付制度」国と地方が初会合 自治体の事務負担軽減の仕組みや財政負担など協議
  6. 熊本地震「車中泊」は避難者数に含まれず…見えない現実と被災自治体の負担減らす「代理寄付」の広がり【Nスタ解説】
  7. バスケ男子日本代表がモンゴルに逆転勝ち!第4クォーターで27-3と圧倒、ハーパージュニアが攻守で魅せた【国際試合】
  8. 飼い主を驚かせたい子猫→階段の下からぴょこっと顔を出すと…『尊い光景』に10万いいね「可愛すぎてやばいw」「頑張ってて涙が出る」
  9. 猫を見ていて『野生を忘れている』と確信する瞬間5選 信頼してくれている証?行動の心理もご紹介
  10. 犬の幸福度を高める『撫で方』4選 愛犬を幸せにする接し方のコツや触られると嬉しい場所まで
  1. 「違和感があった」琵琶湖三市花火大会が突如中止に 許可申請すら未提出…返金対応も不透明な実態【Nスタ解説】
  2. 高校の部活動送迎中の観光バス運転手がワゴン車に追突してそのまま逃走 ワゴン車の家族男性2人が軽傷 乗客28人にはけがなし 群馬・関越道
  3. 一体、誰が、何のために?自動ドアのガラスが割られ破片が散乱 強引にこじ開けられた金庫が5つ 実は先月にも窃盗被害が…
  4. 【台風15号】11日夕方~夜にかけて福島県から千葉県沿岸に上陸のおそれ 東北地方では土砂災害に厳重警戒を 気象庁が呼びかけ
  5. 1万発の打ち上げ予定が突然の中止発表 「琵琶湖三市同時花火大会」で不自然な経緯・やりとり 行政への許可申請なし「大会に関与していない」と3市は注意喚起
  6. 天皇皇后両陛下 被災した熊本県に金一封 深く心痛め
  7. 「意識がない人がいる」サーフィン中の69歳男性がおぼれ搬送後に死亡確認 神奈川・湯河原町の海水浴場 友人が発見
  8. 【倒産情報】創業47年の学習塾運営会社が特別清算開始決定 “地域の老舗学習塾”ピーク時は5億円を超える売上高を計上も…少子化やコロナ禍の影響で赤字に 青森・八戸市【東京商工リサーチ】
  9. 最大9連休のお盆を直撃…台風15号は異例の“東から西へ逆走”で東北~関東へ 福島や茨城に上陸すれば史上初
  10. 【 花田虎上 】 父の墓参りを報告「渋滞が嫌なのでバイクで」 自らタワシで墓石を磨く姿も「お盆の前に綺麗になって良かった」
  11. 20万件以上を闇サイトに公開か 盗まれたニチレイの従業員や取引先の電話番号などのデータ ロシア系ハッカー集団
  12. 【台風情報】15号あす11日午後に関東~東北南部に上陸か 関東の雨ピークは夜にかけて 台風通過後もぐずついた天気続く