もっともらしくても実際にはまったく役に立たないようなことを「絵に描いた餅」と表現します。
これらは平たく言えば、役立たずであることの意味です。
しかし、なぜ「絵に描いた餅」なのでしょうか?
今回はそれら「絵に描いた餅」について解説します。
特にここではその意味や由来、語源について説明します。
「絵に描いた餅」とは
まずは「絵に描いた餅」の意味について見ていきましょう。
「絵に描いた餅」の意味
「絵に描いた餅」とはもっともらしくとも実際には役にも立たないことの例えです。
要はどんな綺麗でも、絵空事であることの例えとなります。
近年では手にできる見込みのない表現としても使用されます。
特にシンプルに不可能であることを示す表現としても使用されるなど、その用途は幅広いです。
現代ではしばしば粗が目立つ計画などに対し、批判や皮肉を込めて「それは絵に描いた餅だ」のように言われることが多いです。
「画餅」と表現することも
「絵に描いた餅」はシンプルに「画餅」と表現されることもあります。
「画餅」も実際の役に立たないことの例えとして使用されます。
特に計画だけ立派でも実行するのが不可能である状況などを言う表現です。
転じて、本物でなければ何の値打ちもないことを言ったりもします。
これらと似たような表現には「絵に描いたような」という言葉もあるが、これはまた別物となります。
事実「絵に描いた餅のような家族」と「絵に描いたような夫婦」では意味もまったく違うので注意しましょう。
前者は飾りだけの家族というような意味となるが、後者は理想の夫婦という意味となります。
これらは似ているようで違うので、表現する際には気をつけたいところです。
「絵に描いた餅」の成り立ち
では「絵に描いた餅」はどこから来た言葉なのでしょうか。
ここからは「絵に描いた餅」の由来や語源についてまとめます。
絵の餅は食べられないことから
「絵に描いた餅」は絵の餅が食べられないことから来ています。
実際にどれほど綺麗な餅の絵を描いたところで、食べることなどできません。
それがどれほど巧みに描かれたものだとしても、結局ただの絵であれば腹の足しにはならないわけです。
転じて、現実には実現し得ない目論見などの例えとして「絵に描いた餅」が使用されるようになったと考えられています。
「絵に描いた餅」の類義語
最後に「絵に描いた餅」の類義語も見ておきましょう。
「絵に描いた餅」の類義語には「畳の上の水練」「机上の空論」「捕らぬ狸の皮算用」などがあります。
畳の上の水練
「畳の上の水練」とは方法だけはいくら立派でも、実地の練習を経ていないために実戦で役に立たないことの例えです。
いくら畳の上で泳ぐ練習をしても泳げるようにはなりません。
そこは水中で練習しなければまったく意味がないのと同義です。
それら理屈ばかりで役に立たないという点が「絵に描いた餅」に似ていると言えるでしょう。
机上の空論
「机上の空論」とは机の上で考えただけの実際には役に立たない理論の例えです。
実際に机の上で立派な発想が生まれたとしても、実地に適用できなければ無駄となってしまいます。
どんなに優れた理論であっても結果に繁栄されなくては意味がありません。
それら想像でしかないという点が「絵に描いた餅」と同じです。
取らぬ狸の皮算用
「捕らぬ狸の皮算用」とは手に入れていないものを当てにして計画を立てることの例えです。
まだ狸を捕獲してもいないのに、その狸の皮で利益を割り出したとしても意味がありません。
捕ってもいない狸を売ったと考えて儲けの計算をしても何も手に入らないわけです。
それら無意味であるという点が「絵に描いた餅」に通じます。
まとめ
「絵に描いた餅」は何の役にも立たないことの例えです。
実際に絵として描かれただけの餅は食べられません。
それではどんなに綺麗な絵でも腹の足しになりません。
それらの意味から生まれたのが「絵に描いた餅」です。
他にもこの言葉には「畳の上の水練」「机上の空論」「捕らぬ狸の皮算用」など、似たような言葉がたくさんあります。