教科書を解説した参考書のことを「あんちょこ」と言います。
これらはいわゆる設問に対する回答が書かれた書物を言います。
しかし、なぜそれを「あんちょこ」と呼ぶのでしょうか?
今回はそれら「あんちょこ」という言葉について解説します。
ここでは言葉の意味だけでなく成り立ちなども説明します。
「あんちょこ」とは
まずは「あんちょこ」がどのような言葉なのかを見てみましょう。
「あんちょこ」の意味
「あんちょこ」とは教科書を解説した参考書のことを言います。
わかりやすく表現するなら教科書ガイドと呼べるかもしれません。
これらは本来、予習や復習など自習のために作られたものです。
そのため、教科書の内容をより理解するための参考書という位置付けとなります。
しかし、近年は宿題として出された教科書の設問を手っ取り早く済ませるために使用されることも多くなっています。
それら自分で調べたり考えたりする必要のないものを「あんちょこ」と呼ぶのです。
なお「あんちょこ」という呼称は昭和初期から使われています。
参考書の俗な呼び方の中では最も広く用いられている言葉と言えるかもしれません。
あんちょこの類義語は「虎の巻」
「あんちょこ」の類義語は「虎の巻」となります。
「虎の巻」とは教科書に出ている設問の回答が掲載されている参考書のことを言います。
もともと「虎の巻」は兵法や芸事などの秘伝が記されている書物だったそうです。
それが現代に入り、広く参考書のことを意味するようになったとされています。
「あんちょこ」の由来
では「あんちょこ」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここではそれら「あんちょこ」の成り立ちについてまとめます。
「安直」が変化してあんちょこに
「あんちょこ」は漢字の「安直」が変化した言葉です。
「安直」とは気楽に行える物事やお金がかからず手軽な様子のことを言った言葉です。
転じて「安直」から「あんちょこ」という表現に変化したと考えられます。
事実「あんちょこ」には教科書の内容が詳細に転写されています。
それでいて語句や公式など要点の解説が追加されているわけです。
これらは教科書にある設問を解説したものが多いです。
それら自分で勉強できる参考書を「あんちょこ」と呼びます。
そういった背景から「あんちょこ」は自習参考書とも呼ばれます。
「カンニングペーパー」との違い
「あんちょこ」と似た表現に「カンニングペーパー」があります。
しかし、これらは似ているようで微妙に違う言葉となります。
その違いについても知っておきましょう。
「カンニングペーパー」とは
「カンニングペーパー」とは「カンペ」とも略される言葉です。
これら「カンニングペーパー」はテストなど試験の際にカンニングするための紙のことを言います。
近年は番組の構成や台本の進行をチェックするためにADが持つスケッチブックの表現としても使用されています。
なお「カンニングペーパー」は和製英語の一種です。
英語表記では「cripsheet」となるので注意しておきましょう。
「あんちょこ」と「カンニングペーパー」の違い
「あんちょこ」は勉強をわかりやすくするための書物です。
対して「カンニングペーパー」は試験の答えをこっそりと見る紙のことを言います。
そこには不正行為の有無で大きな違いがあります。
「あんちょこ」には不正行為のニュアンスはありません。
その一方で「カンニングペーパー」は不正行為のニュアンスを含みます。
そのため、両者をきちんと使い分けないと勘違いされてしまうこともあります。
そこは「あんちょこ」は勉強に使うもので「カンニングペーパー」は不正に用いるものと覚えておきましょう。
まとめ
「あんちょこ」は教科書をより深く理解するための参考書です。
実際に勉強に使用する書物を「あんちょこ」と呼びます。
ただ、これらは設問に対する回答が記載された書物を表すこともあります。
そこは用途によって違いもあるので注意しましょう。
特に「カンニングペーパー」との違いには気をつけておきたいところです。