雨に濡れた姿も美しい「紫陽花」。
全国的にこの花を見ることはできますが、地域によっては境内に多くの紫陽花を植えているなどのことから「アジサイ寺」なんて呼ばれている寺院があることもあります。
ではこの「紫陽花」、その見頃とされるのはいつ頃なのでしょうか。
ここでは、この「紫陽花」の開花時期や見頃について解説します。
「紫陽花」の見頃はいつ?
関東や西日本などでは、紫陽花は梅雨時の花といえます。
名所として知られる鎌倉や関東・西日本の開花時期と見頃
鎌倉や関東地方、西日本では、一般的に6月から7月にかけてが紫陽花の開花時期となります。
特に鎌倉は日本の紫陽花の名所とされています。
特に紫陽花寺として知られているのが報国寺で、境内には数千本の紫陽花が植えられています。
この報国寺では、6月中旬から7月上旬にかけて美しい紫陽花が見ごろとなります。
他にも鎌倉にある建長寺や長谷寺、円覚寺などでも紫陽花を鑑賞できます。
また、西日本にある京都の嵐山や奈良の春日大社周辺でも、6月から7月にかけて見頃を迎えます。
東北・北海道での開花時期
東北地方や北海道では、気候の影響により開花時期が遅くなり、7月から8月にかけて見頃を迎えます。
例えば、岩手県の花巻市では、7月中旬から8月上旬にかけて美しい紫陽花が楽しめます。
東北地方の紫陽花寺のひとつとしては、仙台市内にある北山五山に数えられる「資福寺」などがあります。
北海道では7月下旬から8月上旬にかけて紫陽花が見頃を迎えます。
伊達市にある有珠善光寺や小樽市にある小樽貴賓館などが紫陽花の名所として知られています。
最新情報をチェックしてから訪ねましょう。
これらの期間は一般的な目安であり、気候や気候変動の影響によって開花時期が前後することもあります。
開花情報や観光地のウェブサイト、地元の観光案内所などをチェックして最新の情報を得てから出かけるのがオススメです。
色とりどりの花が咲いているのではない?
紫陽花は、花束のようにも見える花が特徴ですが、実はそれは厳密には花ではないのです!!
紫陽花の花のように見えるのは・・・
「紫陽花」の花のように見える部分は「ガク」と呼ばれる部分です。
ガクが発達した植物となる紫陽花は、ガクがまるで花弁のように見えます。
青や紫、ピンクといった色とりどりのその姿は、アジサイの花や花弁ではなくガクという別の部分だったのです。
花のようにしか見えないということで、装飾花と呼ばれることもあります。
本当の花はどこにある?
紫陽花の本当の花が咲くのは、ガクの中心部分です。
雄しべや雌しべのように見えるポチッとあるその部分が花となります。
土壌によって変化するその色合い
紫陽花の花、厳密にはガクはピンクや紫、青に白など色とりどりです。
この色は、品種によるものということもありますが、もうひとつ色が変わる要因があります。
それが土壌の成分です。
本来の紫陽花は何色?
紫陽花の色の変化には、「アントシアニン」という成分が関わっています。
アントシアニンというのは、通常赤色をしていますが、土壌から溶け出してきたアルミニウムと反応することで青色へと変化します。
アルミニウムが土壌に溶け出す量は、水の酸性度によって決まります。
酸性度が強いほどよく溶けるのに対して、アルカリ性が強いと溶けにくくなります。
土壌の酸性度が強いとアルミニウムが溶けやすく、その土壌で育った紫陽花は青くなるということになります。
赤味のつよい紫陽花は、アルカリ性の土壌で生長したということになります。
どちらでもない紫色の紫陽花は酸性とアルカリ性の間、つまり中性ということになります。
白い紫陽花だけは色の変化がない
白い紫陽花は、もともとアントシアニンを有していません。
ですから、色の変化をする要素がありませんからアルカリ性と酸性どちらの土壌で育っても白いままです。
まとめ
梅雨時に咲く美しい紫陽花。
しかし、その開花時期は地域によって差異があります。
関東地方や西日本などでは、例年6月から7月にかけて咲きますが、北海道東北は1ヶ月ほど後の開花時期となります。
各地域に「アジサイ寺」と呼ばれる寺院もあるほど多くの場所に植えられているアジサイ。
満開の時期は訪れたい場所の情報を事前に調べてから足を伸ばす方がきっといいようです。