【新NISA】日本株に“伸びしろ”か 外国人投資家の“日本買い”再び?鍵は“賃上げ” 新NISAで注意すべき“落とし穴”とは?

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2023-12-28 07:38
【新NISA】日本株に“伸びしろ”か 外国人投資家の“日本買い”再び?鍵は“賃上げ” 新NISAで注意すべき“落とし穴”とは?

2024年からスタートする「新NISA」。一体、何がどう変わるのか? 「日本株」が注目されるワケと注意すべき“落とし穴”について 専門家に解説してもらいました。

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どう変わる「新NISA」 非課税の投資枠は“最大1800万円”に

そもそもNISAとは、専用口座で買い付けた投資信託や株式の売却・配当などで出た利益が“非課税”になる制度です。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資した場合、値上がり後に売却して得た利益に対して約20%の税金がかかります。

しかし、現行のNISA口座なら、これらの利益に対する税金は一定の期間かかりません。

現行のNISAの制度は、2つの制度の選択制となっていて「つみたてNISA」は年間投資枠は40万円まで。投資の上限額は800万円。非課税期間は20年間。

一方、「一般NISA」は、年間投資枠は120万円まで。投資の上限額は600万円。非課税期間が5年間というもの。

どちらかの制度を一年ごとに選択して利用するものでしたが…

2024年1月からはじまる“新NISA”では、どちらかを選択するというものがなくなり、「つみたて投資枠」で年間120万円、「成長投資枠」で年間240万円となり、最大360万円まで年間投資枠が拡大します。

生涯で使える投資枠は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)までで、非課税期間も無期限となりました。

投資枠が大幅に拡充された新NISAですが、その投資先の一つとして注目されているのが“日本株”です。

日本株に“伸びしろ”か 外国人投資家の“日本買い”再び?鍵は“賃上げ”

2023年、日経平均株価が、バブル崩壊後の最高値を一時更新するなど上昇傾向にあった日本株。果たして今後の見通しは?専門家の解説です。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾さん:
日本株は、まだまだこの先、“伸びしろ”はあります。

最近、日本の企業が、これまで溜め込んできたキャッシュを前向きに使うようになってきた。

加えて、東京証券取引所が2023年の春、上場企業に対し、経営改善をして下さいという要請をしました。

2023年の3月に要請をして、7月時点で何かしらの取り組みを開示した企業は全体の20%、具体的な内容は検討中ですと開示した企業が11%。あわせて全体の約3割。

ということは残り7割の会社は、まだこれから出てくる。

何か前向きな取り組みをするんだと。成功するかはともかくチェンジするというのが、外国人投資家に響くんですよね。

2023年の春、外国人投資家が日本株を買いに来たんですよ。3か月間で6.2兆円も買い越した。

あれほど大規模ではないと思いますけど、年明けぐらいから第2弾が来るんじゃないかと思っていて。

その鍵となるのが“賃上げ”です。2023年の春、外国人が一斉に日本株を買いに来たのはやっぱり“賃上げ”なんですって。

外国人投資家はこの春の数十年ぶりの賃上げ水準を見て「日本はいよいよインフレの時代に入ったぞ。これは日本株“買い”だ」と。これが一番大きかったらしいです。

「信託報酬」の落とし穴 運用期間が長い程、“差”が出てくる

新NISAでは「投資信託」への注目が高まっていますが、いざ購入する際の“落とし穴”となるのが「信託報酬」です。

「信託報酬」とは、投資信託を管理・運用してもらうための費用で、投資信託を保有している間、投資家が信託財産の中から、運用会社や信託銀行などに支払い続けるものです。

実は同じような内容の商品でも、この「信託報酬」のコストに差があると言います。

ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾さん:
リターンが年率4%として、毎月1万円を、30年間、つみたて投資をした場合の試算です。

▼信託報酬1.0%で、影響額はマイナス110万円
▼信託報酬0.5%で、影響額はマイナス58万円
▼信託報酬0.2%で、影響額はマイナス24万円
▼信託報酬0.1%で、影響額はマイナス12万円

手数料だけでこのぐらい差が出ます。

年間にしたら「ほんの0.数%の違いぐらいか」と思いたくなるんですが、運用期間が長くなればなるほど累積的に効いてくる。

投資信託って色んなものがあって、中身はもうほとんど同じなのに、手数料だけ違うというのも、世の中にいっぱいあるんですよ。

投資信託の場合は、安かろう悪かろうってことはないです。高いから良い商品だっていうこともない。

なので資産形成する上で、手数料が安いものに越したことはないです。

(TBS NEWS DIGオリジナルコンテンツ「経済の話で困った時にみるやつ」より一部抜粋・編纂)