日本銀行の植田総裁は、物価目標の達成が見通せる状況にはまだ至っていないとして、賃金と物価の好循環の確認作業を続ける考えを示しました。そのうえで、今月中旬に集中回答日を迎える春闘が「大きなポイントとなる」と述べました。
日銀 植田和男総裁
「物価目標の持続的安定的な達成が見通せる状況になっているかどうかというご質問ですが、私の考えでは今のところまだそこまでには至っていないということかと思います」
日銀の植田総裁は日本時間のけさ、ブラジル・サンパウロで開かれたG20財務大臣・中央銀行総裁会議後の会見でこのように述べたうえで、「賃金と物価の好循環を確認する作業を続ける」との考えを示しました。
日銀の金融政策をめぐっては、3月か4月の決定会合でマイナス金利政策の解除に踏み切るのではないかという観測が広がっていますが、植田総裁は、今月中旬に集中回答日を迎える春闘について「一つの大きなポイントとなる」と発言。春闘の集計結果やヒアリングなどの情報を加味して、各回の会合で議論すると話しました。