猫は人間の想像以上に臆病な動物です。私たち人間から見れば些細な出来事でも、猫からすると大きな恐怖となり得ます。そのため飼い主は、愛猫が怖がっている時のサインと、それに対する適切な対応を知っておくことが非常に大切です。そこで今回は、猫が怖がっている時の様子6つと、怖がっている猫への対処法を紹介します。猫の飼い主さん必見の内容です。
猫が怖がっているときに見せる行動6選
1.低姿勢で歩く
猫が怖がっているときに見せるサインの一つは、ほふく前進のように腰を低くして歩くことです。
怯えている猫は、体を小さくして腰を落として慎重に歩きます。また用心深く歩いたり、速足で逃げることもあります。
猫が低姿勢で歩くのは、周囲に潜んでいる敵から身を隠すための本能的な行動。身を低くして歩くことで、周囲の物体や障害物の陰に身を隠しながら、安全な場所に逃げ込もうとしているのです。
2.身をひそめる
身を潜めることも、猫が怖がっているときに見せるサインです。
怖がる猫は家具の裏や物置など、見つかりにくい場所に身を隠し、恐怖の対象がいなくなるまで待ちます。
たとえば引っ越しのあとに猫がなかなか姿を見せないのは、新しい環境に慣れるまで、しばらく身を潜めているためです。
このように猫は怖がっているときは安全な場所を求めて身を隠し、自分自身を守ろうとします。
3.震える
猫は臆病な性格の動物なので突然の大きな音や動きなど、ささいなきっかけで恐怖心を抱きます。そしてその際、猫は体を小刻みに「震える」こともあるのです。
その原理は、脳がストレスを認識し交感神経が働くことで筋肉が硬直状態になるから。そしてその結果として、体が震えます。恐怖だけでなく興奮などでも体が震えることがあります。
人間も恐怖や緊張を感じると全身や手足がカタカタと震えますが、それと同じ現象ですね。ただし猫の場合はうれしいときにも震えることもあるようです。
4.威嚇する
猫が怖がるときの典型的な行動は、「威嚇する」ことです。
身体を大きく膨らませたり尾を立て毛を逆立てたりして、相手により大きく見えるような姿勢をとります。加えて「シャー」や「ヴ~」といった唸り声をだし、相手に警告や脅威を伝えるのです。
そして猫がこのような威嚇の仕草を見せた時は、決して無理に近付いたり撫でたりしてはいけません。接触を試みると、猫に噛まれたり引っかかれたりする可能性が高いです。
ちなみにわたしはこの状態の猫に思い切り噛まれ流血したことがりますが、傷跡は10年以上たっても消えません!
5.パニックを起こす
非常に強い恐怖を感じたり、もともと神経質な猫はパニックを起こすことがあります。
パニックを起こすと部屋を飛び跳ねたり、高い場所に飛び上がったり、呼吸が急速になったり、なかには脱糞したりする猫も…。
なおパニックを起こすきっかけは、さまざまです。突然の大きな音や動き、思わぬ刺激などから、極端な恐怖を感じ過ぎてしまうのがパニックの主な原因。
パニックを起こした猫は通常の行動パターンから大きく逸脱し、興奮状態に陥るため、落ち着くまでは手を出さないのが鉄則です。
追いかけまわしたりすると余計パニックがひどくなる場合もあるので、落ち着いて近づいてくるまではそっとしておいてあげましょう。
6.耳を倒し瞳孔を大きく開く
「耳を倒し瞳孔を大きく開く」仕草は、猫が危険を察知し、徹底的に警戒していることの現れです。全神経を脅威に向けている、緊迫した状況と言えるでしょう。
平常時は立っている耳を頭に沿わせ、明るいところにも関わらず瞳孔を大きく開いていれば「緊張状態」だと思ってください。
猫に「大丈夫」を伝える対処法は?
猫が緊張状態や恐怖心から不安げな様子を見せているときは、無理に抱きしめたりなでたりせず、まずは落ち着かせることが大切です。
そのうえで、次のような対処をしてみましょう。
安全な空間を確保する
猫が隠れられる箱やキャリーケース、ベッドなどの安心できる空間を用意します。落ち着いて休めるスペースがあれば、徐々に緊張がほぐれていくでしょう。
普段から愛猫が危険を感じた時に逃げ込めるような場所を用意しておくと、猫も安心して生活できる可能性が高いです。
離れた場所から気配を見せる
猫から離れた位置で、優しく話しかけるなどして、自分の存在を知らせます。無理に近寄らず、猫のペースに合わせて接しましょう。
おやつやおもちゃで気を紛らわせる
猫が好むおやつやおもちゃで、注意をそらせることも有効です。食事や遊びに集中することで、緊張がほぐれていきます。
リラックスした態度でいる
飼い主自身が落ち着いた態度でいることも大切です。あわてた様子を見せると、猫もさらに動揺してしまいます。
無理に近寄らず時間をかける
猫には個体差があり、なかなか緊張がほぐれない子もいます。そのため焦らず、じっくりと時間をかけて、猫なりのペースに合わせることが肝心です。
以上のように猫に優しく寄り添いながら、猫が落ち着くのを待つのが何より大切です。
無理強いはせずに、猫が安心できる環境づくりに努めましょう。飼い主の思いやりの心が、猫の緊張をほぐしていきます。しかし、人間の感覚と猫の感覚には差があります。あくまで猫の感覚に合わせて、考慮してあげましょう。
まとめ
猫は繊細な動物であり、外部刺激や環境の変化・他の動物や人間との関係など、些細なことでも恐怖を感じることがあります。
そのため飼い主は、猫の行動をよく観察し、猫が怖がっている時はどのように接したら良いのかを理解しておきましょう。
サインを見逃さず猫の気持ちを汲んで寄り添い、無理強いはせず、猫のペースに合わせて優しくフォローすれば、猫にストレスを与えることなく、安心感を与えられるでしょう。
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