スルメイカが…サクランボも…旬の味覚が続々ピンチ 各地で異変、カメムシ大量発生のおそれ【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-06-06 19:33

この時季に旬を迎える食材に異変が起きています。スルメイカに、梅、現場からは悲鳴が上がっています。

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極端にとれないイカ、とれすぎるマダイ 旬の味覚に各地で異変

井上貴博キャスター:
異常気象によって、普段とれていたものがとれない、旬の味覚や産地という概念が変わっていくかもしれません。

北海道ではイカが不漁だということです。1月~5月はヤリイカ、6月~12月はスルメイカ、マイカのシーズンですが、スルメイカが極端にとれない現象が起きているといいます。

「函館朝市」の名物、元祖活イカ釣り堀では、活イカが品切れになると「エビ釣り」になる日もあるということです。担当者は「きのうときょうで活スルメイカ150匹ずつ入荷したが、この先いつまで続くか心配」としています。

黒潮が蛇行していることで、なかなかイカがとれないということですが、イカは寿命が短いため、急に増えたり減ったりということがあり、これからどうなるか専門家にも分からないということです。

三陸でも異変が起きています。マダイなどが記録的な豊漁で、5月上旬のタイ類の水揚げ量が過去5年平均の約53倍になっているそうです。とれないところがある一方で、これだけとれてしまうところもあるという状況です。

例年この時期に三陸でとれる、サクラマスやマイワシが前年比の30%しかとれていないということです。水産関係者によると、「スルメイカやシラスが少しずつ減って、今年に限っては姿が見えない魚種もある」ということで、今まではサクラマス漁をしていたが、今後はマダイ漁に切り替えるなど、関係者は対応が難しくなっているようです。

海の幸だけではなく、青森県ではさくらんぼに異変が起きています。1つの花に実が2つ付く「双子果」という現象が多発していて、出荷できる量が減るなどの影響が出ているということです。2023年に記録的な猛暑となったことが影響を及ぼしているとみられています。

カメムシが越冬した可能性 農水省は「注意報」も

井上貴博キャスター:
カメムシが大量発生するおそれもあり、5日時点で農林水産省は30都府県に「果樹カメムシ類」注意報を出しています。

愛知県では、2023年にカメムシが大量発生しました。愛知県の担当者は「暖冬の影響でカメムシが越冬した可能性がある」としていて、寒くなる冬にある程度は死ぬと考えられていますが、暖冬で越冬したのではないかということです。

2024年4月16日~5月8日の間、愛知県幸田町の調査地点では71匹が確認されていて、同時期と比較して過去10年で最多だということです。2024年もカメムシの大量発生が続く見通しです。

“温暖化”でビーチの砂浜が消える? 専門家「低気圧の発達による高波で浸食か」

井上貴博キャスター:
シンボルの「人魚像」があり、リゾートビーチとして人気の新潟県上越市「鵜の浜海水浴場」では、砂浜の下のコンクリートが見えてしまっています。長岡技術科学大学の犬飼直之准教授は、「温暖化で低気圧が発達し、波が高くなっている傾向。侵食を引き起こしている可能性がある」としていて、砂浜の砂が流されてしまっているということです。

ホラン千秋キャスター:
毎年のように色々な場所で、「異常である」「今年は特異な年である」と言われています。それが普通になりつつありますが、状況が大きく変わるので、それに関わるなりわいの方はかなり大変ですよね。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
私のように“食べるだけ”の人は、「残念だね、旬の食材が変わるね。我慢しないといけないね」というだけで済みますが、それをなりわいにしていたら、「じゃあ、どうするか」というように前もって変化していかなければいけない難しさもあります。

この状況を、温暖化や環境問題という「みんなの問題」として考える必要があるのではないでしょうか。私は50代ですが、やはり50年前を振り返ってみても、温暖化の変化を顕著に感じます。いかに変化の量を少なくしていくかという点に目を向けなければいけませんし、頭で理解するだけではなく、行動も必要だと思います。

ホランキャスター:
数十年後に今の子ども世代は、誰も経験したことがないような状況になっている可能性もありますからね。

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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト
慶應義塾大学特任准教授
アスリートの学び場「iMiA(イミア)」主宰

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