19日、与党の賛成多数で可決・成立した政治資金規正法。国会で党首討論に臨んだ岸田総理が追求されたのは「政治とカネ」「改正法成立」についてでした。さらに、相次いだのは解散や辞職を求める声。
【写真を見る】岸田総理は国会で野党と党首討論、一方、都知事選に立候補予定の4人が共同会見 2つの“直接対決”でどんな意見が?【news23】
一方、日本記者クラブでは、20日に告示を迎える東京都知事選挙の立候補予定者4人による共同会見が行われました。2つの注目の“直接対決”、どんな意見がかわされたのでしょうか。(6月19日「news23」午後11時すぎの放送より)
党首討論 野党の「解散要求」に… “政治とカネ”改正法成立も追求
19日午後、岸田政権では初めてとなる党首討論が行われました。
立憲民主党 泉健太代表
「企業・団体献金もやめない、(政治資金)パーティーもほぼそのまま。何万円の公開かなんて小さな話になっている。そんなんじゃ国民全く納得しない」
岸田総理
「政策活動費をはじめとする、政治資金全体についても議論を行った。各党の議論も意見も聞きながら法律をまとめた」
厳しい追及を受けたのは、今国会最大の焦点だった政治資金規正法の改正についてです。
尾辻秀久参院議長
「本案は可決されました」
“抜け穴だらけのざる法”だと批判が集まっていましたが、党首討論に先立って行われた参院本会議で与党の賛成多数で可決・成立していました。
立憲民主党 泉代表
「自民党だけですよ、そんなことで抵抗しているのは。あなたたちが抵抗勢力ですよ」
岸田総理
「御党が禁止と言いながら、実際、政治資金パーティーを開いているとか、労働組合等から団体資金を受けているとか、禁止・禁止・禁止というのは、大変気持ちがいいかもしれない。しかし、現実的な政治の中で、政治資金は民主主義を支える重要なこの要素。政治にはコストがかかる」
泉代表
「金集めで凄い人たちばっかり集まってやっているから、普通の国民は(政治の世界に)入れないんですよ。総理2億円集めてんですよ。広島1区で誰が戦えますか」
野党からは解散や辞職を求める声が相次ぎました。
国民民主党 玉木雄一郎代表
「(必要なのは)総理が潔く職を辞して、リーダーとしての責任をしっかり果たすことではないか」
日本維新の会 馬場伸幸代表
「岸田内閣、もう万策が尽きていると思います。内閣総辞職して、総理をかえてください」
岸田総理
「退陣のご要望でありますが、今先送りできない課題に専念する、私としてはそれに全力を注いでまいります」
立憲民主党は20日に内閣不信任決議案を提出する方針です。
20日告示 東京都知事選 立候補予定の4人が初の“直接対決”
一方、20日に告示を迎える東京都知事選挙を巡っても、立候補予定の4人による初の直接対決が行われました。
東京都 小池百合子知事(71)
「私は『首都防衛』、命、暮らし、防災、経済に力を込めました」
蓮舫 参院議員(56)
「若者の手取りを徹底して増やす。そして都をガラス張りにする」
石丸伸二 前安芸高田市長(41)
「政治屋の一掃。恥を知れ、恥を」
田母神俊雄 元航空幕僚長(75)
「結果を出す政治。都政は都民の安全と豊かな暮らしを実現しなければならないと思います」
それぞれを指名する形での質疑応答では…
小池百合子知事
「皆さんの声も伺いたいと思いますので、質問は特にございません」
小池氏は他の候補者への質問はスルー。一方、蓮舫氏は小池氏に対し…
蓮舫 参院議員
「これからもこうした討論会、テレビ番組が企画した討論会に、ぜひ一緒に出ていただけないでしょうか」
小池百合子知事
「今回は50人以上も出られるということで、公平性の担保をどうするのかは非常に大きなテーマでもあろうかと思う。いくつかご要望もいただいているので、それらの討論の機会を活かしていきたい」
「少子化対策」「神宮外苑」で火花
その後、記者から小池都政の少子化対策について問われると…
──(東京都の)出生率が0.99と全国最低。政策の目標が間違っているのではないか?
小池百合子知事
「間違いとは思いません。全国の出生率の低下は、東京都1つの自治体の低下よりも上回っている。若いママさん、パパさんたち、これから結婚しようかなと思っている方々にも、大きな希望を与えてきたと思う」
──少子化対策について
蓮舫 参院議員
「どうして少子化が進んでいるかというと、非婚化が進んでるからだと思うんです。今の子どもたちが社会に巣立つときに不安と負担のない東京都をつくることが、長い目で見た少子化対策だと思っている」
田母神俊雄 元航空幕僚長
「若者については都民税を半額にするとか、そういう政策をとって、とにかく所得を増やしてあげるということが大事だと思う」
石丸伸二 前安芸高田市長
「未婚者をどう婚姻に結びつけていくか。都市部でだけでは解決ができないと考えています。都市への集中・過密が大きな背景になっているので、そこへの取り組み・視点というものが欠かせない」
そして、神宮外苑の再開発については…
蓮舫 参院議員
「神宮外苑の再開発は一旦立ち止まる。そのことを私は都知事選の争点にしている。やはり国民・都民の声をしっかり聞いていきたい」
小池百合子知事
「今これが争点になるとおっしゃいましたが、なりません。なぜなら今、立ち止まっているからです。事業者の皆様方に樹木の保全ということで投げかけて、立ち止まっているところでございます」
田母神俊雄 元航空幕僚長
「外苑って都民にとっても神聖な場所だと思うんですよね。できるだけ残して、元の形を守っていった方がいいんじゃないかなと思っています」
都知事選には、これまでに50人以上が立候補の意向を示していて、過去最多となった前回の22人を大幅に上回る可能性が高くなっています。