チワワは小型犬ではまだまだ人気で多頭飼いされる方も多く、2~3頭を一気にトリミングしなければならない事が結構あります。この記事では、そんな時に作業時間を半減させる『外段取り』について解説します。
『外段取り』とは、2つ以上の仕事を同時に進行させる手法です。これは製造業などの現場用語ですからほとんど聞いたことはないと思いますが、実は日常生活では誰もが『外段取り』を活用しています。
例えば朝ごはんを作るとき、最初にお米を研いで炊飯器をセットしますよね?そしてご飯が炊けるまでの間に、おかずやお味噌汁作り配膳してと、2つ以上の仕事を同時に進めてませんか?調理に最も時間のかかる炊飯中に、その他の仕事を同時進行させる手法が、ズバリ『外段取り』です。
これは大事な考え方で、日本の製造業が今ほど高いレベルで「外段取り」を実践していなければ、世界に現在のような競争力は持てなかったほどです。
チワワと『外段取り』 関係あるの?
『外段取り』は考え方であり、一つの手法ですから、チワワだけに効果があるわけではありませんが、分かり易い事例として、多頭飼いのチワワを題材にお話ししようと思います。さて、想像してください。
今から、3頭のチワワを一気にシャンプー&ドライしなければなりません。最短時間で作業を完了するために、あなたなら 『外段取り』 をどう使いますか?
ポイントは2つ
- ポイント① : 1番時間のかかる作業をピックアップ
- ポイント② : 時間のかかる作業を同時進行化する
そう、1番時間がかかるのは何と言ってもドライング作業ですから、ドライング作業の時短に『外段取り』を使います。
『外段取り』の具体的な使い方
まず1頭目は普通にシャンプーした後ドライング。おなか周りにスタンドドライヤーの温風を定点で当てつつ、ブロアー系のドライヤーで並行してドライングをします。
この後、完全に乾く前にケージドライに切り替えるのですが、ケージの中にいる時の犬は、フセか、お座りの姿勢でいることがほとんどですから、温風の届かない腹・前後足の裏側・お尻・尾は完璧に乾かし、ケージドライで乾くであろう表の部分は生乾きのままで止めるのがポイント。
2頭目も1頭目と同じ要領でシャンプー&ドライを進めてケージドライに。この時、1頭目の乾き具合を確認して、必要なら風量や風向きなどを調整します。
3頭目のドライングは全身完璧に終わらせるのですが、3頭目のドライングが終わったと同時に、先の2頭のドライが完了している状態がベストですから、3頭目のドライング開始前に今一度先の2頭の乾き具合を確認して、必要ならドライヤーを調整しておきます。
この方法で作業する場合は、純植物性コロイドシャンプーのような高い洗浄力と安全性を伴ったペットシャンプーを使わなければ、5分/1回のシャンプーで時短ドライングはかなり難しいと思います。
因みに、このタイプのシャンプーを使う場合、5分のシャンプー中に同時進行で「漬け置きの耳洗浄」が可能ですから、併用すれば時短効果は更に高くなります。
以上を、『外段取り』で同時進行させれば3頭を1時間以内で次の工程に渡せますが、正直何度か失敗しながら練習しなければ容量がつかめませんから、すぐに実践できる『外段取り』の活用例をあと1つご紹介します。
指間がひどく汚れたA・コッカーやシーズーいませんか?汚れが落とし難く、敏感な状態になっているので無理に洗浄すると出血してしまうこともあり、なかなか時間がかかります。
こんな場合は、その子をシャンプーする前に純植物性コロイドシャンプーの希釈液を入れたドッグバスに足湯の状態で待たせておき、元の仕事に戻ります。
コロイドは汚れに浸透して汚れを浮かせる働きをするので、最優先の仕事をしている間に指間の汚れを落としやすい状態にすることができます。
このように、『外段取り』 とは一つ一つの仕事を完璧に終わらせながら作業を進めるのではなく、2つ以上の仕事を同時に進める手法ですから、様々な場面で応用できる可能性があります。
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