【台風10号】熱帯低気圧に変わっても油断禁物 東京では週末も大雨に注意を 関東に発達した雨雲停滞で災害の危険高まる【雨はいつまで?雨・風予想シミュレーション】

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2024-08-30 15:16
【台風10号】熱帯低気圧に変わっても油断禁物 東京では週末も大雨に注意を 関東に発達した雨雲停滞で災害の危険高まる【雨はいつまで?雨・風予想シミュレーション】

台風10号は30日午前には大分県にあり、ゆっくりと北東へ進んでいます。9月1日には熱帯低気圧に変わる見込みですが、雨雲の動きには引き続き警戒が必要です。

【画像で見る】週末の東京の天気は?雨・風予想シミュレーション

「熱帯低気圧=安心ではない」 名前が変わるだけ、雨雲は残り続ける

台風10号は西日本に上陸した後、九州を横断しました。この後ゆっくりとした速度で四国へ進んでいく見込みです。

今後の大雨への警戒について、TBSウェザーセンター 片山由紀子気象予報士の解説です。

台風の中心付近の風は弱まってきていますが、風速15メートル以上の強風域が広いため、近畿地方まで風の影響が及んでいます。

この後、勢力を弱めながら東へ進み、9月1日(日)には大阪付近までやってきて、その時点で熱帯低気圧に変わる見込みです。

熱帯低気圧になっても安心はできません。というのも、台風は中心付近の最大風速が17メートル未満になると、熱帯低気圧に「名前」が変わります。つまり、中心付近の風が少し弱くなるだけで、台風が持っていた雨雲はかかり続けるため、大雨になりやすい状況には変わりありません

台風の「右側」から吹く南よりの風がもたらす危険

九州からかなり離れた関東でもすでに大雨になっていますが、台風が少しずつ関東に近づいてきます。反時計回りに強い風を呼ぶ台風によって、関東地方には「南よりの風」が海から吹いてきます。そのため、湿った空気の影響で関東地方では週末も大雨となる可能性が高まる見込みです。

台風(熱帯低気圧)が通り過ぎるまでは関東に雨が降り続きそうで、最新の予報では9月3日(火)まで雨の予報です。

熱帯低気圧に変わると台風の予報円が表示されなくなるため、台風も熱帯低気圧も消えたように感じるかもしれませんが、雨を降らせる力は弱まらないので、警戒することをやめないでください。

すでに“ほぼ線状降水帯”が各地に 週末も大雨に警戒を

また、台風の動きが遅いため29日から30日にかけて活発な雨雲がかかる場所がほとんど変化しておらず、四国、東海地方、関東地方では線状降水帯になりやすい状況が続いています。

同じ場所に雨が降り続いていて、ほぼ「線状降水帯レベルの雨雲」が発生しているような状況です。土砂災害の危険が高まっています。

気象庁によると、この先、関東地方では30日12時~9月2日12時の間に500ミリの雨が予想されています。

東京では1か月に150ミリ以上の雨が降ると災害の危険度が高まるといわれていますが、すでに東京の8月の雨量は300ミリを超えて、平年の2倍になっています(平年は154.7ミリ)。その状況に、さらに雨が降り続くことになりますので、いつ災害が起こってもおかしくない状況です。

台風による雨は、短時間にザーッと降ります。通常、黒い雲がみえるなど、「雨が降ってきそう」と感じてから、雨が降ってくるまでに少し時間がかかると思いますが、台風による雨はいきなり強く降りますので、あっという間にびしょ濡れになるような雨となりそうです。これだけ雨が続いているので、がけ崩れや土砂災害が起こりやすい状況です。

川の水もかなり増水して、茶色く濁った水が流れています。氾濫する可能性もあります。今いる場所で雨が降ってなくても、川の上流部で雨が降って急に水かさが増してくることも考えられます。

週末は色々な場所で過ごすと思いますが、崖や川、川に近い公園には決して近づかないでください。自分の住んでる家の周りが何かいつもと違うなと思ったら早めに避難するようにしてください。家の前の道が川のようになってから、暗くなってからでは避難は難しくなります。明るいうち、早めに避難を検討してください。

【風・波・雨の予想】(30日・午前11時35分)

【雨の予想】
西日本や東日本では31日にかけて、大気の状態が非常に不安定となるため、雷を伴った非常に激しい雨や猛烈な雨が降り、大雨となる所がある見込みです。また、その後も台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、9月2日頃にかけて総雨量が多くなる所があるでしょう。

30日12時から31日12時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  関東甲信地方 150ミリ
  東海地方   300ミリ
  近畿地方   300ミリ
  中国地方   150ミリ
  四国地方   300ミリ
  九州北部地方 100ミリ
  九州南部   100ミリ

その後、31日12時から9月1日12時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  北陸地方   150ミリ
  関東甲信地方 150ミリ
  東海地方   400ミリ
  近畿地方   200ミリ
  中国地方   120ミリ
  四国地方   150ミリ

その後、9月1日12時から9月2日12時までに予想される24時間降水量は多い所で、
  北陸地方   200ミリ
  関東甲信地方 150ミリ
  東海地方   200ミリ
  近畿地方   150ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。

線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、
▼四国地方
徳島県、香川県、愛媛県、高知県 31日午前中にかけて
▼近畿地方
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 30日夜から31日午前中にかけて
▼東海地方
岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 30日夜から31日午前中にかけて
です。

【風の予想】
西日本では30日は非常に強い風が吹き、31日にかけて強い風が吹く所がある見込みです。

30日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
  近畿地方   18メートル(25メートル)
  中国地方   18メートル(25メートル)
  四国地方   20メートル(30メートル)
  九州北部地方 20メートル(30メートル)
  九州南部   18メートル(30メートル)

31日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
  近畿地方   18メートル(25メートル)
  中国地方   15メートル(25メートル)
  四国地方   18メートル(25メートル)
  九州北部地方 15メートル(25メートル)
  九州南部   15メートル(25メートル)

【波の予想】
西日本では31日にかけて、うねりを伴って大しけとなる所があるでしょう。東日本でも31日にかけてしける所がある見込みです。

30日に予想される波の高さ
  東海地方    4メートル うねりを伴う  
  近畿地方    5メートル うねりを伴う  
  四国地方    6メートル うねりを伴う
  九州北部地方  5メートル うねりを伴う 
  九州南部    5メートル うねりを伴う

31日に予想される波の高さ
  東海地方    5メートル うねりを伴う
  近畿地方    5メートル うねりを伴う
  四国地方    6メートル うねりを伴う
  九州北部地方  4メートル うねりを伴う

雨の備えは早めに 非常用グッズや家の周囲をチェック

大雨の備えは「早めに」が重要です。雨が降る前に非常用グッズや家の周囲を確認しましょう。

▼非常用グッズの確認
電池が切れていたり、不足している場合があるかもしれません。早めに確認してください。

▼浸水に備えて土のうなどを用意
雨で浸水する可能性も考えられますので、土のうなどを用意しておくとよさそうです。土のうを用意できない場合もありますので、「水のう」の作り方を検索してみても良いかもしれません。

▼側溝や雨どいを掃除
側溝や雨どいに土砂やゴミが溜まっていると水が流れにくくなってしまいます。早めに掃除もお願いします。

1時間に50ミリの雨ってどのくらい?

気象予報士の「1時間に〇〇ミリの雨が降るおそれ」といった解説を目にすることも多いかと思いますが、「1時間に50ミリの雨」というのは一体どのような降り方なのでしょうか。

1時間に50ミリの雨 どのくらい?(気象庁提供)
・バケツをひっくり返したような雨
・寝ている人の半数が雨に気が付く
・道路が川のようになる

車を運転していても視界が悪くなり、見通しが悪くなるため非常に危険です。大雨が予想される場合は車の運転を控えることも検討してみてください。

自治体からの情報を確認し「レベル4」のうちに避難を

雨が降っている場合、自治体から出される避難情報も必ず確認しましょう。

レベル4「避難指示」は、対象となった住民全員が避難しなければいけません。レベル4のうちに避難することが重要で、絶対にレベル5「緊急安全確保」を待たずに、早めの避難をお願いします。

「天気急変」を示す3つの予兆 暑く湿度が高い日は積乱雲が発生しやすい

天気予報でよく見聞きする「大気の状態が不安定」とは、上空に「冷たい空気(寒気)」が流れ込み、かつ地上は「暖かい湿った空気」がある状態のことを指します。

暖かい空気は冷たい空気よりも軽いので上へ上がっていき、逆に冷たい空気は重いので地上に下がります。すると、この暖かい空気と冷たい空気がぶつかり、暖かい空気が冷やされて積乱雲が発生しやすくなります。これがゲリラ雷雨が発生するメカニズムです。

特に梅雨時のように暑く、湿度が高い日は上昇気流が発生しやすくなり、ゲリラ雷雨をもたらしやすい状況になります。

この状況によって天気がどのように急変するのか、その予兆を表すのは以下の3点です。

【天気 急変の予兆】
・真っ黒な雲が近づく
・雷の音が聞こえる
・急に冷たい風が吹く

こういった現象を感じたら、激しい雨や雷がやってくるサインなので注意が必要です。

急に雷が発生した場合は「電線の下」への避難も有効

雷が発生した場合、どのように身を守ればいいのでしょうか。(※1)

▼屋内の場合
壁から離れてください。
例えば、雷が屋根に落ちた後、雷は壁伝いに地面に向かっていくので、なるべく壁の近くにはいない方が望ましいです。

▼屋外の場合
建物や自動車などに避難してください。屋根があると、雷を防ぐことができます。

実は、木よりも人の方が電気を通しやすく、木に落ちた雷はより電気を通しやすい人へ雷が飛び移るので、木の近くは危険です。離れるようにしてください。

電線の下も比較的安全です。電線自体が雷を引きつける避雷針の役割をしてくれます。
ただし、電柱が近くにある場合は2m程度離れてください。電柱は雷を通しますが、落雷によって破損した場合、近くにいるのは危険です。電線の下に避難するのは比較的安全ですが、電柱からは少し離れるようにしてください。

雷が発生した場合、このように屋外でも雷を防ぐ方法はありますが、できれば屋内に避難するようにしてください。

※1 フランクリン・ジャパンより

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