去年7月からことし6月までの間に全国で、電動キックボードの交通違反による摘発が、およそ2万5000件に上ったことが、警察庁のまとめで分かりました。
電動キックボードをめぐっては、去年7月1日から自転車と同じくらいの大きさで最高速度が時速20キロ以下のものについては、16歳以上は免許が不要となりました。
警察庁によりますと、この新しいルールが始まってからことし6月末までの1年間に、全国で電動キックボードの交通違反による摘発が2万5156件に上りました。
このうち55%にあたる1万3842件が緑色の「最高速度表示灯」を点灯させずに車道を走行するなどの通行区分違反で、31%にあたる7725件が信号無視でした。
悪質・危険な運転を繰り返した人に対して義務づけられた講習を受講した人は255人でした。
また、同じ時期に電動キックボードによる事故は全国で219件起きていて、合わせて226人がけがをしています。
都道府県別で見ると、東京が最多で75%にあたる165件。次いで大阪が38件、愛知が6件となっていて、利用が都市部に集中していることが分かります。
年齢ではおよそ半数にあたる113人が20代でした。また、ことし1月から6月の上半期で、電動キックボードによる事故は134件でしたが、このうち17%にあたる23件で運転者が飲酒をしている状態だったということです。
ことし上半期で電動キックボードによる事故でケガをした運転者95人のうち、ヘルメットを着用していたのは4.2%にあたる4人だけでした。
警察庁はヘルメットの着用促進に向けた取り組みを強化する必要があるとして、シェアリングの事業者に対してヘルメットの貸し出しを進めるよう働きかけをおこなうことにしています。