食卓に欠かせない「卵」。いま、価格がじわりと上がってきています。この秋は食品だけでなく、他にもさまざまな値上げが見込まれています。
【写真を見る】食品約3000品目、はがきは1枚85円…秋の“値上げラッシュ” 一方狙い目は輸入品?【Nスタ解説】
10月は食品 約3000品目 秋も“値上げラッシュ”
南波雅俊キャスター:
帝国データバンクによりますと、10月に値上げされる食品の数は約3000品目になるといわれています。
【10月食品値上げ 約3000品目】
・コカ・コーラボトラーズジャパン:コカ・コーラ500ml 160円→180円(税抜き)
・亀田製菓:ハッピーターンなど 9~22%UP
・明治:きのこの山、たけのこの里など 約6~31%UP
・日清オイリオ:日清キャノーラ油1000gポリ 7%UP
30年ぶりに郵便料金が値上げ はがき1枚85円に
さらに、郵便料金が“30年ぶり”に値上げをします。背景にはSNSやメールの普及に加え、運営コストの上昇もあるようです。日本郵便では2022年度に郵政民営化以来、初めて211億円の営業赤字になりました。さらに2023年度は896億円の大幅な赤字となり、損失が拡大しています。
【10月1日から郵便料金値上げ】
・定型郵便物:25gまで84円と50gまで94円の料金を統一し、110円に
・通常はがき:63円→85円
さらに旧料金で投函し、料金が不足した場合は差し戻されるか、受け取り側が不足料金の支払いをすることになります。
井上貴博キャスター:
郵便局員の方は郵便ポストに何も入っていなくても、毎日回収をしなければなりません。人件費は膨大ですし非効率ですよね。年賀状離れなども加速するのではないでしょうか。
ホラン千秋キャスター:
しかし過疎地などでは地域住民の見守りなど、郵便局の果たす福祉的役割は大きいと思います。
井上キャスター:
利益追求以外にも大きな役割がありますよね。
ジェネリック拒否で負担額UP 変わる医薬品制度
また10月から医薬品の制度も変わります。医師から処方される薬には▼新規で開発した先発医薬品と ▼同じ有効成分の後発品のジェネリック医薬品の2つに分けられます。
東京都福祉保健局のアンケートによると「効き目に不安がある」「作用が心配…」ということで先発医薬品を選ぶ人もいるそうです。
そこで厚生労働省は国の医療費を抑えることや、ジェネリック医薬品普及のため、先発医薬品を選んだ場合は自己負担額を引き上げることにしました。
例えば先発医薬品1錠100円、ジェネリック医薬品1錠60円で40円の差があった場合、差額の4分の1プラス消費税を上乗せして請求されるということです。
円高じわり“還元セール”も 狙い目は輸入品?
一方で値下げの動きもあります。
大手スーパーの西友では『円高還元セール』でアメリカ産牛肉カルビ(100g)219円が199円(税抜き)に。また輸入食品41品目が最大13.8%割引きになるそうです。(生鮮食品25日まで / 加工食品10月2日まで)
経済アナリストの森永康平さんは「年末に向けじわじわと円高に進んでいきそうです」といいます。そのため牛肉・鮭・アボカド・バナナなど高騰する輸入食品の価格が安定するのではないかと見ています。
井上キャスター:
厚労省はジェネリックを推奨しようとしていますが、ジェネリックを作るメーカーは中小企業が多く、想定外の事態が起きたときの生産能力は乏しく、撤退する企業も出てきています。
そのようなことを考えると、医療費の窓口負担をもう少し引き上げるなど小手先ではなく、抜本的なところに踏み込む政治の力が必要なのではないでしょうか。
ホランキャスター:
一方で企業は為替レートに翻弄されて大変だと思います。
井上キャスター:
西友の『円高還元セール』は消費者にとってはとても嬉しいことですが、企業としては人件費の捻出などで相当身を削っているのではないでしょうか。長い目で見ると本当に大変だと思います。