いわゆる「103万円の壁」をめぐり、先ほど、自民党と国民民主党の協議が行われ、税制に関する実務者協議を公明党とあわせた3党で来週行うことを決めました。一方、大幅な減収となる地方自治体からは反発の声もあがっています。
きょう、自民党と公明党はそれぞれ、国民民主党との協議に臨み、3党での税制に関する実務者協議を来週にもスタートさせる方針で一致しました。
国民民主党 古川元久 税調会長
「次回の3党でやるときに、我が党としてさきの総選挙のときに訴えた税制に関するそうした項目についての要望の申し入れを行いたい」
今後の協議の最大の焦点は、年収「103万円の壁」をどこまで引き上げるのか?
国民民主党 玉木雄一郎 代表(おととい)
「〔Q.178(万円)というものは譲るつもりはないというスタンスで臨むことに変わりはない?〕変わりません。29年間の最低賃金の上昇率を1.73倍。これにあわせた高さにすることで、同じ1.73(178万円)をやるべきだということを要求していきたいと思います」
玉木代表は、「178万円」という引き上げ幅にこだわる姿勢を崩しません。ただ、国民民主党が主張する「178万円」まで引き上げた場合、政府は国・地方あわせて7兆円から8兆円の減収と試算、そのうち約5兆円強が地方の減収分だと言います。
宮城県 村井嘉浩 知事(きのう)
「たちどころに財政破綻するだろうというふうに思います」
全国知事会長を務める宮城県の村井知事は、「103万円の壁」引き上げによる大幅な減収は、結果として、住民サービスの低下や地方自治体の財政破綻に繋がると厳しく指摘しました。
宮城県 村井嘉浩 知事(きのう)
「何を削って、どこから財源を生み出すのかと。空言を言うのではなくて、現実に地に足がついた具体的な対策、方策というものを示した上で、与党と話し合いをしていただきたい」
“手取りを増やす”ことの引き替えに、重くのしかかる“財源”の問題。
自民党の小野寺政調会長は「地方に迷惑がかからないように野党側とも協議したい」としていますが、国民民主党との協議の先行きはいまだ不透明です。