「音楽は誰かの心を動かせる」指にけがをした元吹奏楽部員 担当楽器を失っても続けた音楽の力 能登半島地震から1年

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-12-27 12:20
「音楽は誰かの心を動かせる」指にけがをした元吹奏楽部員 担当楽器を失っても続けた音楽の力 能登半島地震から1年

「シリーズ現場から、」。間もなく1年となる能登半島地震についてです。指に重い傷を負った吹奏楽部員が大好きな楽器を吹けなくなっても前向きに将来に向かう様子を取材しました。

片山彩菜さん、18歳。左指には白いガーゼが巻かれています。今年1月の地震で、輪島市の祖父母の家に帰省していた片山さんは道路と電柱の間に左手の指を挟まれました。

片山彩菜さん
「最初は動かないなんて思っていなかったので、早く治してまた(楽器が)吹けるようになりたいとか思っていたんですけど、治療していくうちに『これ動かないんだな』と思って、ちょっとずつ受け入れていくしかなかった」

今、片山さんは人差し指の関節を動かすことができません。吹奏楽部で担当していたホルンを吹くことはできなくなりました。

今でも高校時代の写真を見返すことがあるという片山さん。後輩の練習を見に行った後などに、また吹きたくなるといいます。

片山彩菜さん
「ホルンを吹いているときの自分が一番生き生きとしていると思うので、すごく好き。この時はホルンができなくなるなんて思っていなかったので…。またみんなと音楽を続けていたのかなと思って。こうやってじっくり見ると、『吹きたいなぁ』と思ってきちゃって、ちょっと辛いです」

大好きなホルンを失った片山さん。辛いとき、支えてくれたのは両親でした。

父親 栄一さん
「『自分の手を移植できないのか』とか、いろいろ言った覚えはありますけど。吹奏楽は中学・高校と続けているので、社会人になってもやりたいという意志があった。それをさせてあげられないのかなという思いはありました」

ホルンができなくても大好きな音楽は続けていきたい。片山さんが手に取ったのは、けがをした左手の指をあまり使わない金管楽器の「メロフォン」です。

片山彩菜さん
「(Q.表情が明るい気が)自分でも音楽をやっている時が一番楽しい」

片山さんは将来、災害医療に携わりながら「自分のような経験をした人を音楽でも支えていきたい」と考えています。

片山彩菜さん
「音楽で心を動かすとか、誰かの支えになることがあると自分は思う。そういう面で支えていきたいなと」

震災からおよそ1年、メロフォンを手にする片山さんには笑顔があふれていました。

  1. 25歳の男性 下半身傷つけられ死亡 殺人事件と断定し捜査本部設置 逃げた犯人の行方追う 埼玉・所沢市
  2. 自動車メーカー「スズキ」の鈴木修相談役(94)死去 40年以上にわたり社長や会長を務める
  3. ユン大統領の権限代行する韓首相の弾劾訴追案を可決 与党は反発 議案の効力停止求め仮処分を申し立て
  4. 川重の“裏金”6年間で17億円 海自隊員への「物品提供」や「接待」も確認 川重社長「心からお詫び」
  5. アゼルバイジャン機墜落 「謝罪すべき」ロシアの責任問う声 強まる誤射の見方
  6. 台湾有事を想定か 中国最新型の強襲揚陸艦「四川」が進水式 電磁式カタパルト搭載
  7. 千葉市若葉区の木造2階建て住宅で火事 50代男性と80代女性の2人が意識不明で見つかり病院に搬送されるも男性が死亡
  8. 中国・蘇州 日本人学校の送迎バスを待っていた親子が負傷 中国外務省 「11月29日に男を起訴」と発表
  9. 「インドの自動車市場に革命」モディ首相も鈴木修氏の功績称える
  10. また“スピード判決” 中国・広東省珠海市で先月発生した35人死亡の暴走事件 男に死刑判決
  11. 赤ちゃんが『大型犬の獲物』を奪ってしまった結果→ブチギレるかと思いきや…想定外だった『驚きの光景』が9万再生「優しすぎ」「育児してる」
  12. 【速報】立体駐車場で車落下 作業員2人が下敷き1人が意識不明の重体 約8メートルの高さから乗用車が落下
×