■2024全日本大学女子選抜駅伝競走(30日、富士山本宮浅間大社前発~富士総合運動公園陸上競技場着、7区間、43.4㎞)
2024全日本大学女子選抜駅伝競走、「富士山女子駅伝」の名称で知られる大学女子駅伝が30日に行われ、立命館大学が7年ぶり6度目の優勝を果たし、学生女子駅伝二冠を達成した。
コースの高低差は174m、実業団を含め女子駅伝界では最長の43.4kmと富士山麓を生かした厳しいコースとなった富士山女子駅伝、全24チームが出場した。気温は6.4℃、風速1m/hとやや寒いコンディションとなった。
10月の全日本大学女子駅伝を制し、“学生女子駅伝二冠”を狙う立命館大は1区(4.1㎞)に全日本と同じく太田咲雪(2年)を起用。一方、全日本大学女子駅伝ではまさかの4位、7連覇で止まった名城大。富士山女子駅伝史上初の7連覇を目指して1区に3年連続で柳樂あずみ(3年)を投入、昨年と同じ対決となった。
レース序盤はこの日、20歳の誕生日を迎えた立命館の太田が先頭で引っ張り、名城大の柳樂、大東文化大の相場茉奈(2年)拓殖大の岩崎麻知子(2年)が付いていく形。2㎞付近で全日本選抜の小川陽香(立教大2年)がロングラストスパートをかけて、2位集団を引き離していった。全日本ではスタートで出遅れ敗れた名城大は柳樂の調子が上がらず、順位を落としていった。
全日本選抜の小川がトップでタスキリレー、立命館は15秒差で3位、そして、名城大はトップから33秒差の15位と出遅れた。
2区(6.8㎞)、立命館大のキャプテン・村松灯(4年)がトップの全日本選抜の丸毛萌愛(駿河台大2年)を追っていった。しかし、3.8㎞付近で21秒差の9位でタスキを受けた日本体育大の齋藤みう(4年)がスピードに乗った走りでトップに立つと、初出場となった兵庫大の長岡あず(4年)、大東文化大の野田真理那(2年)、立命館の村松は2位集団で日体大を追っていく展開となった。
日体大の齋藤は伸びのある走りで残り600mでさらにスパートをかけて8人抜きでトップでタスキリレー、2位には大東文化、3位には立命館。そして、名城大は米澤奈々香(3年)もなかなかスピードに乗れず、2人抜いて13位、トップとは1分16秒差とさらに開いてしまった。
最も短くスピード勝負となる3区(3.3㎞)、3位でタスキを受けた立命館は森安桃風(1年)が下り坂を生かして2位に上がるとトップの日体大・齋藤一乃(1年)に迫っていった。1年生同士の戦いは日体大の齋藤が逃げ切りトップを守った。立命館は森安が区間賞を獲得する走りで追い上げて3秒差の2位。
4区(4.4㎞)、スタート直後、2位の立命館・山本釉未(1年)、5秒差の3位・大東文化の蔦野萌々香(2年)が一気に日体大の山﨑りさ(4年)に追いつき、3チームで先頭集団をなった。
そして、2.7㎞付近で立命館の山本はスパート、日体大の山﨑は付いて行ったがここで大東文化の蔦野が遅れた。残り1㎞で今度は日体大の山﨑がスパート、ここでは立命館の山本が付いていきお互い一歩も譲らない戦いとなった。残り400mで立命館の山本が再スパート、日体大の山﨑を突き放し、区間新記録となる13分54秒をマーク、立命館がついにトップに立ってタスキリレーとなった。2位には7秒差で日体大、3位は36秒差で大東文化となった。
最長となる5区(10.5㎞)、拓大の不破聖衣来(4年)が3年ぶりに富士山駅伝に出場、ここまで1区は岩崎、そして2区から4区までは1年生ルーキー3人がタスキを繋いできた。4区の位田明優(1年)が10位で不破にタスキを渡すと少し笑顔を見せながらスタートを切った。
三井住友海上に加入することが決まっている不破は学生駅伝ラストレース、1.5㎞付近で1人を抜くとグングンとスピードをあげて、2.2㎞付近で一気に2人を抜くと順位をどんどん上げていった。さらに2人を抜き、この時点で5人抜きを達成、順位を5位まであげた。
不破の勢いは止まらず、5㎞付近で大阪学院大をとらえて6人抜きを達成、順位も4位。最後までスピードは落ちずに同じ4年生、キャプテンの門脇奈穂に笑顔でタスキを渡した。タイムは33秒51、区間賞には6秒及ばなかったが、最高の走りを沿道のファンに見せてくれた。
トップ争いは3位でタスキを受けた大東文化のサラ ワンジル(2年)が3.6㎞付近で2位の日体大の尾方唯莉(4年)を抜くと、トップの立命館・土屋舞琴(3年)も一気に抜き去り、36秒差を逆転した。大東文化のワンジルは安定した走りで徐々に2位との差を広げていった。目まぐるしく変わるトップ争い、この4区で大東文化が初のトップ、2位日体大との差は26秒差、3位立命館とは31秒差となった。
5区(6㎞)、トップでタスキを受けた大東文化のキャプテン・四元桃奈(4年)、しかし、スピードが上がらず、立命館の福永楓花(4年)と日体大の嶋田桃子(4年)が並走して追い上げてきた。そして、3.5㎞付近で大東文化をとらえて立命館がトップ、2位に日体大となった。
残り450mで立命館の福永がスパート、増渕祐香(名城大)19分27秒の区間記録を上回る19分12秒の区間新記録をマーク、トップでタスキを渡した。2位には6秒差で日体大となった。
7区(8.3㎞)、アンカー勝負となった富士山駅伝、トップの立命館は中地こころ(4年)、追う2位の日体大は飯田和代(1年)、登坂が多いアンカー区間、立命館の中地は焦らず確実な走り、4.5㎞付近で2位・日体大の差を50秒と大きく広げた。
10月の全日本大学女子駅伝と同じようにアンカー勝負となったが立命館は粘り強いチーム力を見せた。3区、4区でルーキーが好走、5区で福永が区間新記録の走りと見事なチームワークで大会新記録となる2時間21分9秒をマーク、7年ぶり6度目の優勝を果たし、学生女子駅伝二冠を達成した。
※写真は10月全日本大学女子駅伝優勝時
【全日本大学女子選抜駅伝 上位10チーム】
優勝:立命館大学
2位:大東文化大学
3位:日本体育大学
4位:拓殖大学
5位:順天堂大学
6位:城西大学
7位:大阪学院大
8位:名城大
9位:東北福祉大
10位:亜細亜大学