保護具の軽量化で作業者の疲労を科学的に抑制、谷沢製作所と東海大学が実証

2026-05-27 17:45

株式会社谷沢製作所は、東海大学との共同研究により、安全衛生保護具の軽量化が作業者の疲労を科学的に抑制する効果がある可能性を実証しました。

概要

株式会社谷沢製作所と東海大学は、共同研究により、安全衛生保護具の軽量化が作業者の疲労を科学的に抑制する効果がある可能性を実証しました。本研究は、2026年4月に努力義務化される「エイジフレンドリーガイドライン」への対応策として、企業の安全対策に重要な示唆を与えるものです。
研究概要:保護具の軽量化による疲労軽減効果の科学的検証
背景:高齢化による労働災害リスク増加と2026年4月からのエイジフレンドリーガイドライン努力義務化
検証方法:皮膚ガス「アンモニア」の放散量増加率を比較
結果:軽量保護具着用により疲労物質の増加が明確に抑制
詳細URL:https://www.tanizawa.co.jp/columns/safety/20260218-2/

高齢化が進む現場と2026年制度対応

日本では少子高齢化が進み、60歳以上の労働者が労働災害全体の約26%(2018年)を占めるなど、現場のリスク構造が変化しています。このような状況を受け、厚生労働省は「エイジフレンドリーガイドライン(AFG)」を策定し、2026年4月からは労働安全衛生法改正により、すべての事業者に対してAFGに基づく措置を講じることが努力義務となります。特に、設備や装備によって身体負荷を軽減する「職場環境の改善(ハード面対策)」が重要視されており、その具体策として保護具の軽量化が注目されています。

疲労軽減を皮膚ガス「アンモニア」で科学的に検証

これまで、より「軽い」保護具を使えば身体が楽になることは、多くの作業者が経験的・感覚的に理解していました。しかし、「保護具の軽量化が実際にどれほど労働負荷を軽減し、疲労を抑制するのか」という点については、科学的なエビデンスが不足していました。本研究では、作業時の疲労を客観的に評価する指標として、皮膚から放出されるアンモニア(疲労臭)に着目しました。アンモニアは体内エネルギー代謝に伴って発生し、身体的負荷の増加に応じて放散量が増える性質を持ちます。そこで、軽量保護具と従来品を装着した状態で、工場や建設業務を想定した作業(歩行・昇降・荷運び)を実施し、それぞれのアンモニア放散量の増加率を比較検証しました。

軽量化により疲労を大幅に抑制

検証の結果、軽量保護具の着用により疲労物質の増加が明確に抑制されることが確認されました。
・頸部負荷の軽減:ヘルメット(約30%軽量化)
22.0% → 13.2%(▲8.8ポイント)
・全身疲労の抑制:フルハーネス(約40%軽量化)
37.0% → 20.0%(▲17ポイント)
・相乗効果:ヘルメット+ハーネス併用
62.0% → 40.0%(▲22ポイント)
この結果により、「保護具の軽量化」は作業員の疲労蓄積を抑えるための科学的に有効な解決策であることが裏付けられました。

軽量化がもたらす安全性向上の意義

疲労の蓄積は、集中力の低下や判断ミスを招き、転倒・墜落などの重大事故リスクを高める要因となります。今回の研究成果は、保護具の軽量化が作業者の集中力維持、労働災害リスクの低減、高年齢労働者の就労継続支援に寄与する可能性が高いことを示唆しています。企業にとっては、安全配慮義務の履行に加え、生産性向上や人材不足対策にも寄与する取り組みといえます。株式会社谷沢製作所は今後も、科学的エビデンスに基づいた製品開発を推進し、年齢に関係なく安全に働ける環境づくりを支援してまいります。2026年の制度対応を見据え、企業における保護具選定の重要性は一層高まると考えられます。

まとめ

株式会社谷沢製作所と東海大学の共同研究により、保護具の軽量化が作業者の疲労を科学的に抑制し、エイジフレンドリーガイドラインへの対応や労働災害リスク低減に有効であることが実証されました。

関連リンク

https://www.tanizawa.co.jp/columns/safety/20260218-2/
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