「これからAIでものすごく進化する国は日本」エヌビディア日本代表に聞く AI時代に求められる半導体とは!?【Bizスクエア】シリーズ半導体Vol.1

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2024-05-16 06:30
「これからAIでものすごく進化する国は日本」エヌビディア日本代表に聞く AI時代に求められる半導体とは!?【Bizスクエア】シリーズ半導体Vol.1

今、AI向けの半導体で圧倒的なシェアを獲得し、時価総額で世界3位に急成長しているのがアメリカの半導体大手エヌビディア。エヌビディアの半導体の強みは一体どこにあるのか、エヌビディア日本代表の大崎氏に話を聞いた。

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大崎真孝日本代表に聞く エヌビディアの強さの理由

エヌビディアのアメリカ本社の副社長で、2014年から日本代表を務める大崎真孝氏。

エヌビディアは2024年に入り、時価総額でGoogleやアマゾンを抜いて、Microsoft、Appleに次ぐ世界3位となった。急成長の原動力となっているのが、AI開発に欠かせない半導体のGPUだ。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
これが、GPUのトレイ。GPUが8つ並んでいる。これ全部で1秒間に1000兆回ぐらいの計算をする。

――CPUといわれる中央の演算装置があるが、それとは全く構造が違うのか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
構造が全く違う。GPUはどちらかというと本当に計算をするためのもの。CPUはシステムのマネージメントをするというのが大きく分けて2つの役割分担で、司令塔と計算機みたいな感じだ。

GPUは「グラフィックス・プロセッシング・ユニット」の頭文字で、画像処理を行うための半導体として生まれた。

光の反射などを滑らかに再現するためには、1つ1つ画像の元となる点の色を指定するために、大量の計算を同時に行う並列処理が必要になるが、GPUはそうした並列処理に長けているという。

――最初からAIラーニングのための半導体を開発しようと思ったのではないのか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
例えば構造シミュレーションや、気象のシミュレーションや、流体シミュレーションという世界があるが、そこで、まず計算機として使われ始めた。そしてそれを使ってる人たちがAIディープラーニングを加速させようとして試しに使ってみたとき、ものすごく性能があがった。

――コンピューターの司令塔であるCPUの計算指令をより加速度的に早めるための装置、仕組みだということか。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
その通りだ。

世界中で争奪戦!? エヌビディアが誇る技術とは?

GPUのシェアで世界一位を誇るエヌビディア。需要に供給が追いつかない状態で、世界中で争奪戦の様相を呈している。

東京工業大学が手がけるスーパーコンピューターの「TSUBAME4.0」。1000基ほどのGPUを搭載し、国内のスパコンでは「富岳」に次ぐ2位の演算能力を誇る。エヌビディアのGPUが不可欠な理由を次のように話す。

東京工業大学 学術国際情報センター副センター長 青木尊之教授:
演算性能が高いのとメモリ帯域が十分あるのと、もう一つはソフトウェアが非常に優れている。いくらハードウェアの性能が良くても、ソフトウェアがそれを引き出せないといけない。非常に大切だと言える。

本来、画像処理向けの半導体であるGPUに、自動運転のための映像学習などを目的とした計算処理を行わせるには、ソフトウェアの存在が欠かせない。エヌビディアは単にGPUを販売するだけでなく、目的に合わせて開発を支援するソフトウェアを提供している。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
実際のところは、ものすごく私たちはソフトウェアに投資している。そのソフトウェア群を使って世界中の開発者たち、大学の学生も含めて、私達の並列処理のコンピューティングの支援開発の支援をしている。彼らが私達のツール群、ソフトウェアを使えるということを武器として、例えば企業の(AI開発を)リードをしたり、大学の教鞭をとることが起きていて、サーバーとかGPUを売るというより、そういった世界を作るということに注力している。

――製造は実際にはファウンドリ(半導体デバイスの製造を受託する企業・サービス)に委託している。例えばTSMCとか。他の会社も作れるのではと思うが。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
ハードウェアの進化にプラスアルファでソフトウェアを加えていくこと。最高性能のハードウェアを作るのは当たり前。それ以上に、(ハードウェアを)使いこなすためのソフトウェアを、あらゆる産業に対して提供するのがエヌビディアの強み。

エヌビディアは1993年、ジェンスン・フアンCEOが、ゲームなどの3Dグラフィックを手がける企業として創業。カリフォルニア州サンタクララに本社を置く。

一方、2024年の売上高は609億ドル余りで、2023年に比べて2倍以上に急成長している。時価総額は2兆ドルを超え、アメリカの株式市場を牽引する「マグニフィセント・セブン」に選ばれている。

――IT企業ならではの自由な雰囲気の会社か。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
カリスマのCEOがいて、そしてその下で、みんなチームになって一体となってやっている。エヌビディアのカルチャーを話すときにいくつか例を挙げるが、一つの例が、組織図があまりない。組織がその人の仕事を定義するのではなく、タスクが定義するような感じ。

――この1年でとにかく株価がものすごく上がったので、世界でも最も注目される企業になったが、社内的に湧いた雰囲気はあるか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
もちろんポジティブ感はあるが、そんなに前と変わらない。エヌビディアがやっていることは、しっかりとインフラを作ること、そして次のフェーズでサービスや製品をつくるところがやってくる。今そこをやっているというところなので、現時点でエヌビディアの社員が、安心をして今の状況を楽しんでいるのではなく、次のチャレンジに向けて忙しく働いている。

――エヌビディアのミッションとしては、「AIをつくる」ことではなく、「AIが使われる社会」をつくることか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
両方だと思う。

エヌビディア日本代表に聞く AI時代に求められる半導体とは!?

AI時代に世界で必要とされるエヌビディアのGPU。今後、社会にどんな変化をもたらすのだろうか。

NECは2023年12月、エヌビディアのGPUを活用して開発した独自の生成AI「cotomi」を使った世界初の技術を公開。ドライブレコーダーが撮影した事故の映像に「事故の原因を教えてください」と音声入力してからおよそ10秒後に文章が…

「横から来たトラックが赤信号で直進した信号無視の疑いがあると(AIが分析)。この事故の説明文を生成している」。

これまで静止画の分析しかできなかったものが、生成AIを活用することで、動画でも、時系列で状況を把握して文章化できるようになったという。今後、工事現場の安全管理や高齢者の見守りサービスにも活用していきたいとしている。

――今後GPUはもっと高度化していくのか。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
2年ごとに新たなGPUを出して、その都度、こんな大きな計算能力は本当に必要なのかと驚かれる。しかし大体それから1か月ぐらいしたら「これじゃ足りない」と言われる。どこがゴールなのかわからないくらい、加速度的に今、世界中で進化している。

――そうすると、どんどん電気の使用量が増えるという感じでは?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
性能は何倍も上げながら、消費電力は何倍も落としているが、データセンターの消費電力というのは今後の課題になってくるかと思う。

――実際にAIが使われる社会が実現するのは、いつぐらい?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
実際、私達知らないところでたくさん使われ始めているが、日本はやはり遅れている。

――日本は今後、AI開発の遅れを取り戻せるのか?

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
これからAIでものすごく進化する国は日本。日本がその一つだと考えているので、私たちの本社も日本のプライオリティは高い。日本でAIの恩恵を受けるべきだと思うのは2つ。1つはやはり「もの作り」。もの作りの部分は、私はまだ世界一だと思っている。その技術というのは簡単には伝承できない。そこにデジタルの技術を加えることによって伝承していく、また精度を上げていくということが日本特有の強みになってくる。もう1つは、サービス。日本人のきめ細かいところが、サービスに直結していると思うが、そこにもやはりデジタルを加えていくべきだと思っている。それをしっかりと日本のAIとして入れていくことが、もう一つの日本ユニークなAIをつくるヒントだと思っている。

――日本の半導体産業全体の課題は何だと思うか。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
独自のもの(日本独自のAI)を作るところと、グローバルのプラットフォームをつくるところはしっかり線引きした方がいいと思う。やはり「ガラパゴス」にならないことだと思う。

――AIの時代になると、世界が変わると言われて、期待で株価もたくさん上がっている企業があるが、AIが世界を変えるというのは本当か。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
変わると思う。変えると思う。AIというのは、インプットしたデータをインテリジェンスに変えている。要は知性に変えている、頭脳に変えている。今まで私たちがやってきたことは何かというのを再定義する段階に来ている。そこから生まれる多くのサービスであったり、利便性というのをAIが担って、社会や世界を変えていくと思っている。

――AI時代の中で、エヌビディアはどういう役割を果たしていくのか。

エヌビディア 大崎真孝日本代表:
プラットフォームをつくる。開発の競争がものすごく激しいところで先頭に立つことがものすごく重要。それに開発者の人々を巻き込んでいく、そういったエコシステムをつくれた企業というのが強くなっていく。(その「エコシステム」が、今のエヌビディアにはあると)そういうふうに考えている。

――2年前には100ドル台だった株価が、時価総額世界3位まであがっている。

慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
競争もすごいが、色々な人材や、お金、ベンチャーキャピタルも集まっている。それからアメリカのIRA、インフレ抑制法にも恩恵を受けているといわれている。いろいろなことが相乗効果になって、これだけ株価を押し上げている。

――「エコシステム」という自分の会社だけでなく、パートナー、競合、他業界、大学などが集まって、半導体というハードを使って、何に使えるかと開発していくネットワーク型の社会実装がすごいと思った。

慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏:
激しい競争を受け入れて、その先頭に立とうという意欲がある人がシリコンバレーに多い。そういう人たちが集まっているから、世界最高のいいものが出来ていくと思う。

(BS-TBS『Bizスクエア』 5月11日放送より)

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<プロフィール>
白井さゆり
慶応義塾大学 総合政策学部教授
2011~16年まで日銀審議委員
専門分野は国際金融や日本経済など

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