研究者がまとめた猫の調査によると、もっとも長生きする猫種は「バーミーズ」「バーマン」、逆に短命なのはスフィンクスだったということです。猫種による寿命の違いを包括的に研究した成果として注目されています。
最長寿猫種は「バーミーズ・バーマン」
最近発表された研究によると、猫種の中でもっとも長生きをするのは「バーミーズ」と「バーマン」、逆に平均寿命が短いのは無毛で知られる「スフィンクス」だということがわかりました。
バーマン種の平均寿命は14.43歳なのに対し、スフィンクスは6.8歳です。飼い猫全体の平均寿命は11.74歳で、オスはメスに比べて16ヵ月短くなっています。
今回の調査は、英国にある王立獣医大学の科学者たちが、英国内の獣医師診療所から8千匹の飼い猫のデータを取集して調べたものです。品種によって猫の寿命がどう変わるかを初めて包括的に研究したもので、結果は「Journal of Feline Medicine and Surgery」誌に掲載されました。
研究では、避妊・去勢手術や異種交配によっても寿命が延びることがわかっています。また、肥満の猫は、適正体重の猫より早く亡くなる傾向があります。
遺伝子が寿命に影響か
研究の共著者であり、同大学のペット動物疫学准教授であるDr Dan O’Neill博士は、スフィンクス猫の「毛をなくすための遺伝子」が寿命の短さに関係している可能性があると話しています。
もともとスフィンクスは人工的に作り出された猫種です。不自然な変異によって不健康な遺伝子が残ってしまい、そのために寿命が縮まっている可能性があります。スフィンクスは「先天的な心臓の欠陥や筋力低下、目の病気が発生しやすい」と研究者たちは結論づけています。
「スフィンクスは世界でも人気の猫種です。でも寿命が短い現状を考えると、この種の猫の死亡率や健康状態・福祉向上に関して、さらなる研究・調査を深めることが必要です」と論文に記されています。
今回の研究では、初めて猫種による寿命の違いを一覧表にまとめています。これまで犬については、すでに同様の平均寿命ランキング表が発表されており、ジャック・ラッセル・テリアが全犬種の中で一番長生きをすることがわかっています。
将来に備えるための貴重な情報
無理な繁殖を繰り返して人間好みのペットを作り出すことで、さらに寿命を縮めてしまう例もあります。短頭種のフレンチ・ブルドッグは極端に短い鼻をもっていますが、繰り返される繁殖によって、さまざまな健康上の問題を抱えてしまいました。
O’Neill博士は次のように話しています。
「未来を予測することは、ずっと人類の夢でした。今回、新しい科学的な手法により膨大なデータを解析し、猫の寿命一覧表を作り上げることができました。これによって、飼い主のみなさんが将来を予測することができるようになったのです」
Kendy Teng博士は台湾の国立中興大学の動物福祉疫学の助教授で、この研究のリーダーでもあります。彼は次のように話してくれました。
「猫の寿命を知ることは、単に人々の猫に対する意識を高めるだけではありません。飼い主が愛猫の幸せのために前向きな決断を下すための大きな助けにもなるのです」
出典:The Burmese lives longest of any popular cat breed
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