■パリオリンピック™ サッカー女子 準々決勝 日本ーアメリカ(日本時間3日、パルク・デ・プランス競技場)
なでしこジャパン(世界ランク7位)は、準々決勝でアメリカ(同5位)と対戦し、0-1で敗れた。90分で決着がつかず試合は延長戦に突入。一進一退の攻防が続いたが、延長前半アディショナルタイムにアメリカに先制を許し、そのまま逃げ切られた。日本は2012年ロンドン大会以来3大会ぶりとなる準決勝進出はならなかった。
日本の先発は、GKに山下杏也加(28)、DFは南萌華(25)、熊谷紗希(33)、古賀塔子(18)の3人。MFに守屋都弥(27)、北川ひかる(27)、長谷川唯(27)、長野風花(25)の4人。FWは、清家貴子(27)、藤野あおば(20)、田中美南(30)の3人が務める。
日本は前半、五輪史上最多4度の優勝を誇るアメリカにボールを保持され、守備の時間が続く。6分には左サイドからのロングボールにヘディングシュートを打たれるが、GK山下がキャッチ。高い位置からのプレスやワンタッチでボールを繋ぎゴールに迫るアメリカに、日本は主将・熊谷が最終ラインを統率し、ピンチの芽を摘む。
アメリカのカウンターやロングボールを使った攻撃を凌いだ日本は35分、左サイドで仕掛けた清家が中へ折り返し、ゴール前で田中が右足を振り抜く。強烈なシュートもGKにセーブされる。その2分後には、再び左サイドの清家がゴール前に浮き球のパス。相手DFのクリアボールが守屋の前にいき、守屋がシュートを打つが、浮かしてしまい、前半を0-0のスコアレスで折り返した。
後半、最初にチャンスを掴んだのは日本。右サイドでボールを繋ぎ、浜野がスルーパス。守屋が走り込みペナルティエリア内でクロスを入れるが、DFにクリアされる。序盤は日本が主導権を握り、攻撃を仕掛けていく。
さらに20歳の藤野が無尽蔵のスタミナで走り回り、スルーパスやミドルシュートで相手ゴールを脅かす。39分には、司令塔の長谷川がミドルシュートを放つが、クロスバーの上。アメリカの必死の攻撃にもDF陣が素早く体を寄せて、決定的な場面を作らせず、スコアレスのまま試合は延長戦に突入した。
延長前半5分、敵陣ペナルティエリア内で、途中出場の宮澤ひなた(24)がボールを奪い、シュートを放つがサイドネット。その直後にはアメリカにバックパスを奪われ、強烈なシュートを許すが、GK山下がスーパーセーブ。目まぐるしく攻守が入れ替わる死闘が続く。
アディショナルタイム、日本は一瞬の隙を突かれる。ハーフウェイライン付近から左サイドにロングパスを通され、受けたT.ロドマン(22)にDFが振り切られ、さらに中へ切り返されてからシュートを打たれる。ボールはゴール左上に突き刺さり、1点を先制されて後半に突入した。
後半、前がかりで攻める日本。サイド攻撃やカウンターでアメリカ陣内に攻め込むが、DF陣にはね返される。逆に速攻からのカウンターを許しヒヤリとする場面も、GK山下を中心にゴールを死守。しかし、日本は得点を奪えずタイムアップを迎え、0-1でアメリカに敗れた。
2大会連続6回目の五輪出場となるなでしこジャパン。過去最高成績は2012年ロンドン五輪の銀メダル。前回の東京五輪はベスト8で涙を飲んだ。パリ五輪ではグループCに入り、7月26日、スペイン(同1位)に1-2で敗れ、29日のブラジル(同9位)戦は2-1で逆転勝ち。8月1日にナイジェリア(同36位)と戦い3-1で勝利し、通算成績2勝1敗の2位で準々決勝進出を決めた。
アメリカと日本の対戦成績は1勝8分け30敗。五輪では04年アテネ大会の準々決勝で1-2、08年北京大会の予選リーグで0-1、同準決勝で2-4、12年ロンドン大会の決勝で1-2と4戦して全敗している。今大会、予選リーグで最多9ゴールをあげ3戦全勝で準々決勝に進出した。
【試合日程】※日本時間
■予選リーグ
7月26日 日本 1-2 スペイン
7月29日 日本 2-1 ブラジル
8月1日 日本 3-1 ナイジェリア
■ノックアウトステージ
8月3日 準々決勝 日本 0-1 アメリカ