怪談Barで熱帯夜を背筋から涼しく!怪談師直伝“怪談話3つのテクニック”【ひるおび】

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2024-08-17 19:00
怪談Barで熱帯夜を背筋から涼しく!怪談師直伝“怪談話3つのテクニック”【ひるおび】

連日の猛暑で厳しい熱帯夜が続く日本の夏。そんな寝苦しい夜にやってきたのはプロによる怪談話で背筋から涼むことのできる「怪談ライブBarスリラーナイト 歌舞伎町店」
一体どんなお店なのか、店名通りの戦慄の一夜を体験してきました…

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怪談話で暑い夏の夜を涼ませてくれる”怪談ライブBar”が東京・歌舞伎町に…

お店があるのは東京の歌舞伎町の雑居ビルの3階。外観は隠れ家的なバーのような雰囲気。それほど人々を恐怖させるような印象はありませんが、扉を開いてみると...
店内はお化け屋敷顔負け!骸骨や今にも動き出しそうな血みどろの人形がいたるところに..

一息つこうと入ったトイレにまで、リアルすぎる女の幽霊がつり下がっています。

約15分の怪談ライブがセットになった60分の飲み放題(4480円)が基本のサービス。
ビールからカクテル、ソフトドリンクまでメニューも豊富です。
ライブが終われば、なんと怪談師とお酒を飲むことも!

隅々まで恐怖が散りばめられた店内を、飲み物を片手に時折おののきながらも楽しんでいると…
「ブーー」
突然不気味なブザーが店内に鳴り響きました。照明が一層暗くなり、不穏なBGMが流れ始め、緊張感の漂う雰囲気に一変。いよいよ怪談ライブの時間です。

戦慄の怪談ライブがいよいよスタート

怪談師
「お待たせいたしました。怪談ライブのお時間です。どうか最後まで、お付き合いください。」

学生服を身にまとった怪談師がミステリアスなライトの照らすステージに現れました。
すっかり雰囲気に呑まれ"最後まで"という言葉一つに意図を深読みしてしまいます。

怪談師
「青森のコールセンターに勤める女性から聞いた話なんですが、彼女の職場に田中さんという年上の男性がいたんですね。真面目でお仕事を一生懸命頑張る方なんですが、ある日、いつになっても田中さんが出勤してこない。
そのまま数日が経ち警察から連絡があって、青森の海沿いで田中さんの車が見つかったと。ただ車内に彼の姿はなかったんです。
さらに数日後、田中さんは遺体となって沿岸で発見されました。
その日から彼女は毎日仕事が終わると、土砂降りの日だろうが大雪の日だろうが、1日も欠かさず海に行って、線香1本とタバコ1本供える。これを毎日続けたんです。
その日も仕事が終わって海に行きまして、線香供えようと思って線香の箱をパカッと開けたとき…残り1本しかない。今日が最後の1本だって思ったとき、突然背後から肩をトントンと叩かれる。
振り返ると、全く見知らぬ中年男性が立っていて、『お姉さん…大丈夫?』と声をかけられ何のことかと尋ねると、
『いやお姉さんね…自分で気づいてるかわかんないけどもう2時間ここにこうして立ってるんだよ』」

その後も女性の周囲で起こる不可解な出来事の数々。恐怖の連続の先にはあまりに救いのない結末が…
ここで書くことはできませんが、実際にライブに行けば、背筋から凍るように涼むことが出来るのは間違いありません。

怪談師
「ご清聴ありがとうございました。『線香』というお話でした。」

人生初の“生”怪談に最後まで鳥肌立ちっぱなし。ライブが終わり照明が元に戻ると、恐怖心が退いていく感覚と同時に得も言われぬ開放的な爽快感が。
これが怪談の魅力なのか...?

怪談師にとって怪談バーはどんな場所?

今回、恐怖の怪談ライブを披露してくれたのは”恐怖のスペシャリスト"の異名を持つ怪談師・村上ロックさん。ライブ中とは別人のように打って変わり明るく穏やかに取材にお付き合い頂きました。ロックさんにとって怪談バーとはどんな場所なのでしょうか。

▶︎幅広い客層を相手に"修行の日々"

季節モノの怪談イベントと異なり、常にそこにあるバーという性質上、訪れるお客さんの三者三様ぶりに苦労もあるようです。

村上ロックさん
「怪談師が100本話を持っていても、全部聞いちゃってるご常連様もいて、どう飽きさせないかとなってくるとやっぱりお話自体のクオリティを上げていくというか、ライブが終わった後に今回は良かった!と言われるところまで練り上げていく。一番過酷な環境なんですけど、ゆえに怪談の品質を保てている、修行の場でもありますね。」

一方で、なかにはこんなお客さんも。

村上ロックさん
「外部の怪談イベントに来る方は当然怪談を求めて来るけれど、このお店に初めてこられた方の中にはここがどういう場所なのかわからない、友達に連れてこられたけど一体これなんですかっていう方もいらっしゃる。
普段全然怪談も聞かない、興味ない、むしろ苦手ですっていう方にどう飽きさせずに最後まで聞かせるか、どう興味持ってもらうかというのも難しいところです。」

ロックさんはその日のお客さんの顔ぶれを見て怪談のレベルを調節するそう。"恐怖のスペシャリスト"の名に違わぬプロフェッショナルっぷりです。

▶︎怪談好きが集えば自ずと怪談も集う"怪談収集"の場

バーでお客さんから聞いた怪談の多くがロックさんのレパートリーとなっているそうで、お客さんらと築いたその関係は財産だと言います。

村上ロックさん
「怪談師は日本全国に取材に行ったりするんですけど、僕はここに来てくださったお客様にライブ後にお席伺ってご自身で不思議な体験ありますかと聞かせてもらうことが多いんですね。
不思議なもので怖い話ありますかって聞くと大抵の方は怖いのはないですって言うんすけど、不思議なお話ありますかって聞くと大抵皆さん一つや二つはそういえばって話してくださることが多いんです。
正直怖いかどうかわからないんですけどねって話し出しの方からギョッとするようなお話が聞けたりすることも多いです。もう本当に、ありがたいことです。」

怪談が怪談を呼ぶ酒場、文字面ではなかなか仰々しいですが、なんとも素敵なお話な気も。

あなたも夏の人気者に?怪談師直伝3つの怪談テクニック

怪談師と話すことのできる滅多にない機会に、友人らに怪談を披露したところ全く怖がってもらえなかった自身の苦い経験から、人をうまく怖がらせるための3つのテクニックを教えてもらいました。

・怪談テクニックその1【テンポに変化を】

村上ロックさん
「校長先生のスピーチでどうしても生徒たちが眠くなってあくびをする。要は話のテンポ、トーンが一定だったりすると人間ってどうしても飽きてしまう。
えー、あのー、とかが多いとそこでブツブツっと途切れてしまうので、意図的にそれを無くす。
その中で特に有効なのが、あえて数秒黙って間を作ったりしてテンポをバラバラにすること。人間ってあれなんだろうって集中してくれるんです。」

・怪談テクニックその2【深刻な表情】

村上ロックさん
「あとは表情も大切です。深刻ぶった表情。たとえば病院のお医者さんが重病の患者さんに病名を告げるときの深刻な感じ、非常に言いにくいことを相手に伝えるような雰囲気を意識して話してみて下さい。」

・怪談テクニックその3【生活の中にあるような"口語調"で】

村上ロックさん
「井戸端会議してるおばちゃんたちのひそひそ話というか『ほらあそこの小林さんの奥さん、不倫してるんだって…』、こういう日常的な口語調が怪談に活きるんです。
皆さんの普段の生活の会話に近い話し方で怪談のリアルさ、身近にある恐怖を演出することができます。」

怪談を楽しむなら"満腹"で聞くのがおすすめ?

では怪談ライブを最大限に怖く楽しむために、聞く側に出来ることはあるのでしょうか。

村上ロックさん
「満たされたときに人間って初めて恐怖を感じるのかなと思うんですよ。
すごく悩み事があるとか、何かもう本当に切羽詰まった状態では他でいっぱいいっぱいで幽霊見ても怖くないと思うんですよね。
極端な話、戦争やってる最中に怪談聞くかって言ったら、みんなそれどころじゃない。やっぱりどこかお腹も満たされて明日も生きていけるという見通しが立った人、心に余裕があって初めて人間って恐怖を感じるんじゃないか。
なので空腹時よりかは満腹時の方がいいかもしれないですね。」

なるほど理にかなっている…是非皆さんも怪談はお腹を満たした状態で聞いてみてください。

数多くの怪談が集まる場所では怪奇現象も...

最後にお店でのとある出来事について、もう一つ怪談をサービスしてくれました。

村上ロックさん
「ここにも何度か"本物"が出てきちゃったことがあって...
去年の3月ごろに若い男性のお客さんが1人で来店されて、ライブが終わった後にみんなで話してたんです。ふとその青年が『幽霊ってどんな感じで見えるんですか』って聞いてきて、煙みたいなものからハッキリ見えるものまでありますよ、なんて話してたんです。
そしたら『チェックで』ってお会計の準備をされだしたから、お見送りしようと思って店の外に出て待ってたんです。でもいつまで経っても出てこない。次のライブも始まるし、まずいなと思って店内探してもいないんですよ。ホールスタッフと隣の席のお客様に聞いても、誰一人出口に向かっていくのを見てない。
気さくな方でライブもとても怖がっていたんですが、怪談聞いて怖がる幽霊もいるようなんですよね。」

今回のライブには"本物"が訪れていないことを祈りながらおずおずと取材を終えました。

幽霊たちをも恐怖させる「怪談ライブBarスリラーナイト 歌舞伎町店」。
皆さんもぜひ戦慄の一夜を過ごしてみてください...!

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