愛らしい仕草と甘えた声で心を癒してくれる猫。しかしその愛らしい姿の裏で、実は愛情を求めているのかもしれません。猫はイメージとは裏腹に愛情を求める生き物です。そのため十分な愛情を与えられていない猫は、さまざまな「変わった行動」を見せる場合があります。
1.過度な甘え
猫は独立心が強く自分の時間を大切にする動物ですが、ふれあいが不足していると、その甘え方が普段以上に強くなることがあります。
たとえば飼い主が家にいる間、常について回るようになったり、頻繁に体を擦りつけてきたり、鳴き声が増えたり。
実は猫がこのような行動をする理由は、飼い主の注目を集めてもっとかまってほしいからである場合が考えられます。
つまり猫の愛情不足やストレスのサインを示している場合もあるのですね。
2.攻撃的になる
普段は穏やかな猫でも、ストレスが溜まったり信頼関係が構築できず不信感がつのると、攻撃的な行動を示すことがあります。
たとえば撫でようとした手に突然噛みついたり、引っ掻いたり。もしくは耳を後ろに倒して尻尾を激しく振り、うなり声を上げるなど、明らかな警戒姿勢を見せる場合もあります。
また普段は平気な場所を触ろうとすると、急に攻撃してきたり…。
他の家族や来客に対しても攻撃的な態度を示す可能性もあるため、注意しましょう。
3.食欲が変化する
ふれあい不足によるストレスは、猫の食欲にも大きな影響を与えることがあります。
精神的な負荷や不安などによって食欲が低下し、普段なら喜んで食べていたお気に入りのフードにも興味を示さなくなったり、食事の時間になっても食べに来なかったり、食べ始めてもすぐに離れてしまったり。
また一方で、ストレスから食に執着するようになり過食になってしまうケースもあります。
通常の食事量を大きく超えて催促してきたり、フードを一気に平らげてしまったり、食事の時間に執着し、食器周りを行ったり来たりする、落ち着きのない様子を見せます。
飼い主との信頼関係の構築や、関係性の見直しを考えても良いかもしれません。
4.過剰なグルーミング
猫はきれい好きな動物として知られていますが、ふれあい不足によるストレスが溜まると、必要以上に毛づくろいをしたりします。
そしてとくに気をつけたいのは、同じ箇所を繰り返し舐めることで起こる脱毛や皮膚のトラブルです。
お腹や足の付け根、前足の内側などによく見られ、毛が薄くなったり完全に抜けてしまったり、さらに皮膚を傷つけてしまい炎症を起こすといった症状が見られます。
このような症状は獣医学用語で「心因性脱毛症」と呼ばれ、ふれあい不足などで生じたストレスなどが、主な原因のひとつとして考えられています。
5.ウールサッキングをする
ウールサッキングとは、猫が毛布やセーターなどの布製品を吸ってしまう行動を指します。
母猫の乳を吸う時の動作に似ていることから、早期離乳や母猫との分離不安が原因とされていますが、ふれあい不足のストレスによっても引き起こされることもあるようです。
特に飼い主との十分な愛着関係が築けていない場合や、心理的な安心感が得られていない場合に多く見られるとされています。
一見かわいらしい行動にも見えますが、過度なウールサッキングは布製品を誤飲する危険性もあり注意が必要です。
愛情不足のサインの可能性を示唆する行動でもあるので、猫とのコミュニケーションを見直しましょう。
6.体調が悪くなる
ふれあい不足によるストレスは、猫の身体的な健康状態にも影響を及ぼすことがあります。
たとえばストレスの影響で食欲不振などが起こり、体力の消耗が見られることも。
不安やストレスで睡眠の質が低下し、生活リズムが乱れることもあります。
このような体調の変化は、病気のサインだけでなく、十分なふれあいや安心できる環境の不足によるストレスが原因の場合があるので、注意しましょう。
まとめ
猫とのふれあいは、単なる触れ合い以上の重要な意味を持っています。
スキンシップ不足になると今回紹介したような状態になるケースもあるので、日々の生活の中で適切な触れ合いを心がけることが大切です。
日常的に信頼関係を構築できるよう、声をかけたり、猫の性格に合わせたスキンシップをとれると良いでしょう。
しかし、むやみに触れ合えばいいというわけではありません。
猫の性格や気分を尊重し、まだまだ愛猫との距離感が遠いと感じる場合は、信頼関係を築きながら少しずつスキンシップを深めていきましょう。
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