9日も西日本では猛暑日となった場所もあり、暑い一日となりました。そして関東では8日、ゲリラ豪雨で野外音楽イベントが中止に。数人が病院に搬送される事態となりました。(9月9日「Nスタ」午後4時40分ごろの放送より)
【写真を見る】今夜も注意!落雷から離れていても「地電流」で感電か…最終手段は“雷しゃがみ”で急な落雷から身を守れ【Nスタ解説】
フェスで落雷 避雷針があっても落雷するのはなぜ?
南波雅俊キャスター:
栃木・真岡市「井頭公園」で2日間開催された「ベリテンライブ2024」。来場者は2日間で約1万2000人(見込み)で、サンボマスターなど18組のアーティストが出演しました。
主催者によると、8日午前10時に野外ライブが始まったころは、まだ雨が降っていませんでした。しかし、雷が近づいているという予報もあって、午後3時42分に一時中断。午後4時20分ごろに落雷を確認し、イベントが中止になりました。
対策として、移動式の避雷針を複数設置していたということです。避雷針は半径100mが“保護エリア”なので、ステージ・物販などのエリアは安全な“保護エリア”の範囲でしたが、その近くに雷が落ちました。
雷が落ちた木から約20m離れた仮設テントにいたスタッフ9人が足の痺れを訴え、うち6人が救急搬送されたということです。
なぜ、このようなことが起きたのでしょうか。防衛大学校・小林文明教授によると、「木に落ちた雷が人間に伝わる『地電流』ではないか」ということです。
最終手段は・・・耳をふさぎ、つま先を立てしゃがむ「雷しゃがみ」を!
地電流は、木などに落ちた雷が地面を伝わり人を感電させるというものです。
【急な落雷 身を守るには?】
▼広場や木から離れる
▼建物や車に避難
▼最終手段で「雷しゃがみ」
「雷しゃがみ」は、鼓膜が破れないように耳に手を当ててしゃがみ、つま先を立てて足を揃えてください。
しゃがむことで落雷を受けにくくします。足が開いていると電気が伝わりやすくなってしまいます。足を閉じてつま先で立つことで、地面との接地面を小さくなり、電流が通りにくくなるということです。
広瀬駿気象予報士:
8月に大阪のイベントの気象監視の仕事をしたのですが、屋外イベントは開けた場所で行うので、雷が起きると逃げるのはすごく難しいです。
数百人、数千人単位の参加者の中では移動にも時間がかかるので、雷などの危険性が予測されるときには、なるべく早く対応できるよう運営側も準備をしていました。
ホラン千秋キャスター:
フェスは何もない野原のような場所が会場になることが多いので、避難できる場所もなく、最終手段の雷しゃがみをするしかないだろうと思いますが、つま先立ちでしゃがむ…長時間はできないですね。
産婦人科医 宋美玄さん:
パニックになっても困りますね。避雷針を広範囲に設置するという方法もあるのでしょうか?
広瀬駿気象予報士:
イベントで使用されていた避雷針は柱のようなものではなく、いわゆる電気のバリアを張って近くに雷が落ちないようにする装置が置かれていたということです。
テントも木から離れていたとはいえ、来年はもう少し離れたところに置くなどの対策をしてもらいたいと思います。
井上貴博キャスター:
今年は関東で特に雷が増えている印象です。関東近海の海水温が高いことも関係していますか?
広瀬気象予報士:
関係しています。より雨雲の材料が入ってきやすいですし、暑い真夏が長引いてるからこそ、9月になっても天気の急変には注意が必要です。
関東 今夜大雨のピークか 10日~12日かけて広い範囲で雷に注意
広瀬気象予報士:
午後4時現在、都内でも雷が発生しています。山沿いを中心に雷雲が湧き、海の方からも雨雲がかかり始めています。関東では、9日夜をピークに大雨の心配があります。
夜遅くなればなるほど南の海上の雨雲が陸地にかかってくる予想で、都心でも激しい雷雨となる恐れがあります。夜の時間帯に、雷の音が聞こえたら頑丈な建物の中で過ごすなどして、外に出ないようにしてください。
今週も雷が発生しやすい状況は続きすです。暑くなる分、真夏のような夕立が発生しやすい状況です。10日(火)夕方、11日(水)夕方、12日(木)夕方は、西日本・東日本の山沿いを中心に天気の急変に注意してください。
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<プロフィール>
気象予報士 広瀬駿さん
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信し、女性の性に関する著書が人気